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2010年4月30日 (金)

バントック ケルト交響曲 ハンドリー指揮

Wakayama_1
逆光の海。
こんな写真もいいかも。
「輝き」をまともにとらえてしまった。
古い写真から。紀伊半島の先端の方(だったと記憶)。

Bantock_hebridean_celtic_handley
サー・グランヴィル・バントック(1868~1946)

英国音楽を愛して40年。クラヲタになって42年。ほぼ同じ。
ディーリアスから入ったこの道、その嗜好はやはりエルガーやスタンフォード、パリー以降の世紀の変わり目あたりから。
 このあたりの英国作曲家とみると、名前も知らずとも、どんどん鬼集してきた。
それだけに、たくさんありすぎて、持っていることも忘れてしまうCDがたくさんあるんだ。
 そんな音源のひとつがこちらだった。

バントック、ボートン、ブライアン、ブリス、バターワース、バックス、ブリッジ、ブリテン、ベイントン・・・、英国作曲家には「B」の人がやたらと多い。

 久しぶり、それこそ10年以上ぶりに聴いたバントックの音楽は、清冽で心洗われるような美しい音楽だった。

バントックはロンドンっ子。
外科と産婦人科の父のもとに生まれたグランヴィルは、恵まれた環境において、幅広い教養を身に付け、音楽もそのひとつとして、やがて作曲もするようになり大成してゆく。
あきれるほどの教養人で、ヨーロッパ各国語はおろか、ペルシア語やアラビア語・ラテン語までも体得し、日本をはじめとするアジア文化にも興味大だったバントック。
 その豊富な探究心から、極めて多岐にわたる題材でもってたくさんのオーケストラ作品や声楽作品を書いた。だから表題音楽がたくさん。
 でもその神髄は、ほかの英国作曲たちが同じく魅せられたケルトの世界。
神秘的であり、ロンドンっ子からしたら心の故郷の世界でもあった。

4歳違いのR・シュトラウスとも相通じるものがあるし、ときに巨大性も発揮するところは、親友ブライアンをも思わせるところがある。
その音楽は、シュトラウスと同じく、どちらかといえば保守的。
甘味さと自然賛美の大らかさが同居する、世紀末風の音楽でもあり、地味さと派手さも共存してる。

その名もズバリ、「ケルト交響曲(Celtic Symphony)」。

7部に分割された弦楽オーケストラと6台のハープのための交響曲。
途方もない編成なんだけど、その音楽は極めてまっとうで、極めて美しい。
ケルト民謡の「Sea Longing」を素材としている。
海洋讃歌、とかいう意味でありましょうか。
その素材は、「ロード・オブ・ザ・リング」にも出てくるようだ。

海を感じさせる音楽は、われわれ日本人にとっても親密度が高い。
ここで聴く海は、絶海の厳しさよりは、すべてを呑みこんでくれる悠久の遠大かつ偉大な海、といったイメージでありましょう。

交響曲というよりは交響詩。
20分の音楽は、交響曲に見立てられいくつかに別れるが、あんまり意識せずに、音楽に身を任せるのがよい。
エルガーの「序奏とアレグロ」にも似てるし、同じエルガーの交響曲にも似たフレーズも出てくる。
そして、6台のハープが天国的なまでの調べを奏で、弦楽オーケストラがそこに澄み切った音色を添える。ほんとにステキな音楽であります。
アルウィンの名作、「リラ・アンジェリカ」をも思わせるのでありました・・・。

バーノン・ハンドリーロイヤル・フィルハーモニーの名演にて。

Wakayama_2

明日、土曜日に聴く、金聖響&神奈川フィルの「フィンガルの洞窟」とも通じる、ヘブリディーン世界。
和歌山だけど、ケルトの海はこんなだろうか。

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コメント

こんにちは。
この曲は素敵ですよね。
楽器編成がちょっとありえませんが・・・。
演奏時間もそれほど長くないので
このために6台のハープを集めるのは大変。
実演で聴くことは難しいでしょうね。

投稿: 木曽のあばら屋 | 2010年5月 3日 (月) 10時49分

木曽のあばら屋さん、コメントありがとうございます。
楽器編成に怖れをなしてしまいますが、その音楽は極めてキレイですね。
ベルリオーズやマーラーと合わせて、実演のチャンスを伺いたいところです。
でも、やらないでしょうねぇ・・・。
このあたりは、何をやっても日本初演ですけど。

投稿: yokochan | 2010年5月 3日 (月) 21時27分

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