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2010年5月28日 (金)

シューマン 交響曲第2番 エッシェンバッハ指揮

Dote1
名古屋の「どて」をどんぶりご飯にかけたのであります!

いわゆる「どてめし」という品。
もつ煮込みを甘辛い八丁味噌でしたような「どて」。
これをご飯にかけて「どてめし」
Dotemeshi
オリエンタル食品から出てるこのレトルト食品。
こうしてメシにしても、ツマミにしてもウマいすぐれものだがね。

そして、今日は、皆さんが意外と敬遠されるエッシェンバッハの指揮を聴く。
こちらも濃いけど、私にはウマいんです。
結構好きなんです、エッシェンバッハ。

Escenbach_schuman
エッシェンバッハシューマンであります。
4番と並んで、エッシェンバッハの全集では好きな演奏が、交響曲第2番
バンベルク響と録音した全集は未聴ながら、北ドイツ放送響との2度目の録音は98~99年にかけての録音。
ちょうど、ヴァントのあとをうけて、当オーケストラの指揮者であった頃。
そのあと、パリ管(2000~08)、フィラデルフィア(2003~08)という欧米メジャーを制覇することになるエッシェンバッハの上り坂の時期のもの。
 両メジャーをどのような理由で退任したか詳細不明なれど、今シーズンからワシントンのナショナル響の指揮者に転出するという。
 この流れをみて、私は、スラトキンとロストロポーヴィチ、アシュケナージを思った次第。

厳しいトレーナー的存在として、音楽業界での政治力のかけひきの中心として、マイノリティとして・・・・・・。
スラトキンは有力な音楽一家の出自、ほかは、器楽奏者として大成した存在。
いろんな要素が絡み合って、今回のような人事になったのだろうか。
パリ管の方が長かったのも、他民族・自由国家アメリカという国の案外な難しさの裏付け。
最後めぐってくるのは、アメリカの大統領のお膝元オケ。

う~む。
本人は、ヨーロッパを向いているはずなんだけれど。
そう、エッシェンバッハ=マーラー
同じものを感じて、私にはずっと捨てがたい存在なんだ。
あのエキセントリックな風貌も、私には親しみを感じるし。
だって、好きでなったワケじゃないのよ、わたしたち(笑)

そんなエッシェンバッハのシューマンの2番は、晩年のバーンスタインのように自分の側に引きつけすぎてしまい巨大な音楽にしてしまったのとは違う意味で、かなりエッシェンバッハ流の腰の据わったねばっこい解釈になっている。
 速いところは速く、遅いところは遅く、これもバーンスタイン風だけれど、内声部が思いのほか軽く、主部もいざとなるときれいに歌いまくるので、耳にもたれることがないのがエッシェンバッハ。
北ドイツ放送響の緻密で精緻なアンサンブルと、適度な重厚感がエッシェンバッハの指揮にぴったり寄り添っている。
 終楽章のくどさやティンパニの連打も、思いのほかのインテンポでもって、爽快かつ力感にあふれながら演奏され、見事なエンディングをみせるシューマン2番なのであります。

エッシェンバッハは、実演や映像・音源でかなり聴いてきた人だけど、曲によって本当に複雑な様相を見せる指揮者だと思う。
シューマンやマーラーは、彼の素顔が出る音楽ではないだろうか。
フィラデルフィアと来日したおりの、マーラーの第9を聴いたのだけれど、くまなく曲の隅々に光をあて、じっくりとマーラーに向き合った緊迫のマーラーだった。
スゴすぎて、楽章の合間に、ホール全体が聴衆の息を抜くため息に満たされたぐらい。
 それと、メトでやってきてワーグナー指揮者の片鱗をみせてくれたワルキューレの舞台も忘れられない。
 ギャラは高そうだけど、N響あたりと親密になって欲しいと思うエッシェンバッハであります。
Echenbach_2
アリの頃。
右から左、1:9に、ぐぃーんと、もってってます。
涙が滲みます。

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コメント

こんばんは。まず、シューマンの「交響曲」からです。私が気になっていたクーベリック、ベルリン・フィルによる「全集」を中古店で購入。「マンフレッド」「ゲノヴェーヴァ」序曲が併録とメータ、ウィーン・フィルのデッカのオーストラリア盤と同じ選曲でした。後で調べてみたら、クーベリックが「全集」で再発売されていたので嬉しかった。カラヤンに比べるとくすんだオケですね。買いそびれた方には朗報です。
そして、エッシェンバッハです。今は指揮者としてはあまり、正当な評価はされない。一昔前のアシュケナージのようですね。とくにフィラ管ではクソ指揮者とレッテルを貼られているそうです。それはストコフスキー、オーマンディ、ムーティ、サヴァリッシュの路線を受け継げなかった。今はこれでいいのです。バレンボイムの例からとんとん拍子になってしまうと不倫以降、低空飛行になるケースがありますね。
話は戻り、とっつきにくいシューマンですが、「交響曲」はドイツのオケがいい。ベルリン・フィル、ウィーン・フィルの他、シュターツカペレ・ドレスデンがマッチしていますね。サヴァリッシュ、シノーポリがあります。セル、ドホナーニのクリーヴランド管といったアメリカオケはあるのにフランス指揮者、オケは希なようですね。この「第2番」はフランスなど軽すぎるものよりも重々しい方がお似合いだと思います。

投稿: eyes_1975 | 2010年5月28日 (金) 23時16分

eyes_1975さん、こんにちは。
クーベリックのベルリン盤はいいですね。
カラヤンとまったく違うオケに聴こえます。
メータも欲しいところですが、まだ聴いたことがないのです。そちらは、ショルティ盤とともにウィーンフィルを聴き比べてみたいです。

 シューマンは、そうですね、やはりドイツ系のオケの勝るものはないかもしれません。
あと、コンセルトヘボウも最高。ロンドンのオケもいいですね。
響かないスコアだから、ラテン系のオケは苦労しちゃうんでしょうか。スイスロマンドあたりで聴いてみたいですね。

そして、エッシェンバッハの不人気はちょっと残念。
アシュケナージと並んで、いまのポストは脚光を浴びにくいですが、じっくりと、また次を狙って欲しいもの。
そして、ふたりとも、メジャーレーベルじゃないところも似てますねぇ。

投稿: yokochan | 2010年5月29日 (土) 11時30分

エッシェンバッハさんがシューマンヲタクだと知った時は時すでに遅しというか、
要するに金がない!!!。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
だったらBOXなんて買ってないでとも思うのですが、だって合唱曲はもっと欲しかったんですよ。
こんな記事を読んだら、貯まってるポイントでポチっとしたくなってしまいます。
ダメダメ。あれは、ライプチヒSQとシューマンの未発表曲ばかりを集めたヘンなCDを買うんです!!!c(>ω<)ゞ

シューマンを精神的に追い詰めた街デュッセルドルフでのシューマン祭ですが、6日(日)と8日(火)はデュッセルドルフ交響楽団をエッシェンバッハが振りますだ。
交響曲第2番もありますですよ。
http://www.schumannfest-duesseldorf.de/index.php?id=44
http://www.schumannfest-duesseldorf.de/index.php?id=46
わーーーん。行きたいですだ!!!
やはり本家本元のシューマン祭は実にシューヲタプログラムであります。

200年後にこの街でここまで大きいイベントをしてくれくれるとは当の本人も思っていなかったでしょうね。
なんと言っても音楽監督としてシューマンを拒否した街ですから。。。
誰が許しても私が許しません

やっぱりシューマンはドイツがいいですね。
私たちは六本木の小さなドイツでシューマンの200年をお祝いしましょう!!!
っていうかたんなる飲み会!!!

すみません。エッシェンバッハからホントに話がそれてしまいました。

投稿: はるりん | 2010年5月29日 (土) 14時46分

シューマンの「第2番」は往年の大指揮者たちも好んで取り上げていましたね。シューリヒトやセル、バーンスタインはライヴも含めてかなり録音がありますし、カルロス・クライバーも録音は残っていないようですが、演奏記録があります。面白いのは、アンセルメがベルリン・フィルを振ったライヴ盤で、終楽章で少し変わったアレンジをしています。私が特に印象に残っているのはムーティとフィルハーモニア盤(EMI)です。若さゆえ非常に威勢のいい演奏で、まさにドッカーンって感じです(笑)後のPHILIPSのウィーン・フィル盤とは全然違っていて面白いですよ。

投稿: EINSATZ | 2010年5月29日 (土) 18時03分

はるりんさん、こんにちは。
だんだん迫ってきましたね、練習の方はいかがですか?
(と、なにげにプレッシャーをあたえてしまい、すいません)

エッシェンバッハ盤、お持ちではなかったですか。
これ、録音もいいし、好きな全集です。
バンベルクとの演奏も聴いてみたいものです。
(と、なにげに購入欲を刺激してしまい、すいません)

デュセルドルフの演目は、実に渋いところついてますね!
本場で、シューマン200年祭を振るエッシェンバッハ。
きっと映像なども出てくることでしょうが、合唱作品も是非手掛けて欲しいものですね。
飲み会、いや、シューマン祭、楽しみにしてますよ。

投稿: yokochan | 2010年5月30日 (日) 09時40分

EINSATZさん、こんにちは。
不人気だった2番は、もしかしたらいま、4番と並んで人気曲になったかもしれませんね。
 バーンスタインの最後の日本公演がターニングポイントだったと思います。
アンセルメもあるんですか?
そして、ムーティのフィルハーモニア盤!
レコ芸で、大先生にけちょんけちょんにされてましたが、真面目に聴いてみたいですね。
フィルハーモニア時代の演奏は見直しが必要かもです。
EMIだから廃盤が多そうですが・・・・!

投稿: yokochan | 2010年5月30日 (日) 09時45分

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