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2010年5月11日 (火)

ヴェルディ 弦楽四重奏曲 ヴェルディ四重奏団

Azeria_5
またもや、つつじの花。
今年の色は鮮やかに感じるのは、寒かったせい?

緑豊かな法面があるせいで、私の住む供同団地は住民による除草作業が始終ある。
たいてい、日曜の朝早くだし、もの急斜面の中を草木をかき分けて行うものだから、傷だらけになるわ、腰は痛くなるわ、頭が日に焼けるわで、歳とともにキツクなってるんです。

 でも、うまいことやるもんで、作業のあと、ドリンクがふるまわれるんだけど、婦女子はお茶やジュース、おいらたちオヤジどもにはビールなんですわ。
人間、目先にニンジンがぶら下がってると、頑張りますな。はははっ!

Verdi_quartet
オペラ作曲家のヴェルディが書いた弦楽四重奏曲を聴く。

ワーグナーは、若気の至り的な交響曲をいくつか書いたけれど、ヴェルディは書かなかった。
ワーグナーは、ピアノソナタをいくつか書いたけれど、ヴェルディは書かなかった。
 逆にヴェルディは、弦楽四重奏を書いたけれど、ワーグナーは書かなかった。
ヴェルディは、レクイエムをはじめとする宗教作品を書いたけど、ワーグナーは、ほとんど書かなかった。
でも、歌曲作品はともに残した。

ちなみにプッチーニは、交響曲はなしで、管弦楽作品はあり。
四重奏曲はありで、宗教曲・歌曲もあり。
ベルリーニ、ドニゼッティ、マスカーニ、レオンカヴァッロなども同じ感じ。

そう、大きな相違は、交響曲、しいてはソナタ形式へのこだわりの、ドイツとイタリアの相違かもしれない。

こんな比較も楽しいものです。

ヴェルディの弦楽四重奏曲は、1873年の作品で、ヴェルディ最後期の充実時期のもの。
アイーダの上演が歌手のトラブル等で遅れる合間に、われわれから見たら余興のような流れでもって書かれた音楽。

細かな経緯は不詳なれど、この素敵な四重奏曲を聞けば、こんな親しみあって、思わず歌いたくなる旋律を書いた人はだれだろうとの思いになり、その名を聞けば、なんだヴェルディじゃん、ということになること請け合いの音楽なんです。

正統的4つの楽章からなる本格四重奏曲は正味30分。
憂愁あふれるホ短調の1楽章に、まるで仮面舞踏会のリッカルドの歌を思わせるような嘆息に満ちた2楽章。
3楽章は、これもまた仮面舞踏会風の急なる出だしに、アリアのようなビオラの素晴らしい中間部が光る。
終楽章は、模索する出だしから疾風するメイン場面まで一気に聴かせる明るい音楽。

これはもう、室内楽というジャンルを借りた、ヴェルディのオペラそのものの音楽なのでありました。
ヴェルディの名前を冠したドイツの四重奏団は、伸びやかなヴェルディを聴かせてくれます。
こんな曲と演奏なら、これを背景に何か歌が歌えそうでありますね~

この曲の弦楽オーケストラ版に、プレヴィンとウィーンフィル盤もありますぞ
カップリングのベートーヴェンの記事。

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コメント

ほほー。ヴェルディって弦楽4重奏を書いていたんですか。初めて知りました。しかも演奏してるカルテットもヴェルディっていうところがクール。最近このカルテットをよく聴くようになりました。自分で弦楽器をやる関係もありますが、若い頃は1楽章か4楽章ばかり聴いて、2楽章のアダージョとかは聴かずにいました。ところがです!ある頃からこの緩徐楽章が一番好きになって、今となってはカルテットは2楽章を中心に聴いているという状態です。私!どうなっちゃってきてるんだろう!!答はカンタン^^年を取ったんですね==自分で認めるのはいやだけど、まあ、人から言われるよりは自分から言ってる方が笑えるので。これからは老いを迎えたことを積極的に認める方向で音楽を楽しみたいと思っています。

投稿: モナコ命 | 2010年5月11日 (火) 21時24分

モナコ命さん、おはようございます。
そうなんです、あのヴェルディなんです。
聴けば聴くほどヴェルディそのものでして、アリアみたいによく歌います。

わたしも、弦楽四重奏では、緩徐楽章が最近好きでシンミリ系にうっとりします。
というか、交響曲なんかでもそうでして、やはりわたしも同じ心境ですね。
老いというより、わかる大人になってきた、ということにしましょう〜

投稿: yokochan | 2010年5月12日 (水) 07時35分

この曲のCDは、ジュリアードSQのSONYの輸入盤‥SK規格で、シベリウスの『親愛なる声』との組み合わせ‥しか、所持しておりません。DGにアマデウスSQの演奏も在ったような覚えがございますが、一聴して損の無い佳曲かといって存じます。イタリアSQの録音は残されて居るのでしょうか。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年10月 8日 (火) 13時40分

佳曲かといって→佳曲かと‥の誤りですね。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年10月 8日 (火) 13時43分

ジュリアード盤もあるのですね、しかも真反対のシベリウスとの組み合わせとはまたナイスです。
イタリアSQは、録音あったような記憶がありますが、それこそ、イタリア人の演奏で聴いてみたい作品です。

投稿: yokochan | 2019年10月 9日 (水) 09時00分

『交響曲は無し。』の大作曲家ビッグ3と申しますと、ドビュッシー、ラヴェル、バルトークが器楽曲に大幅なウェイトを占めるタイプの人としては、真っ先に指折られるべきでしょうか。よりラディカルなタイプの、シェーンベルクやストラヴィンスキーが、交響曲を書いてますもんね(笑)。

投稿: 覆面吾郎 | 2020年11月21日 (土) 23時45分

ドイツ系はおおむね、交響曲的なものを書いてますね。
確かに、ビッグ3は、その面々ですね。
あと思い浮かぶ方々で、絶対ありえないだろうという方々でいうと、ショパン(笑)、J・シュトラウス、フォーレ、ファリャ、スメタナ、ディーリアスなどでしょうか。

投稿: yokochan | 2020年11月24日 (火) 07時23分

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