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2010年5月23日 (日)

アルファーノ 「復活」 ボンコンパーニ指揮

Matarukushukenebichi
先日の、北海道で走行中見つけた川。
マタルクシュケネブチ川」でございますよ。
なんという名前でございましょう。
 道内を走るとこんな名前がいくつも出てきて、ついつい気をそらしてしまい危ないことこのうえない。

Pippu
「比布」とかいて、「ぴっぷ」ですよ。
ちなみに、ここは「和寒」を走行中。「わっさむ」ですよ。「わっ、さむっ~」

北海道や北東北には、こうして難しい地名や呼称がたくさんあって、ネタは豊富。
悲しい歴史もあろうかと思い申し訳なく思いますが、いまは平和だからしてお許しを。

一番好きなのは、釧路の「大楽毛」ですな。
「おたのしけ」ですよ。なんだか、ワタクシにとっては、とっても嬉しい地名。
そして「増毛」は、「ましけ」なんですから。
増毛には、国稀酒造という醸造蔵があって、力強いお酒でとてもうまいんです。

「倶知安(くっちゃん)」で「発足(はったり)」きかせて、「長内枝内(おさるしない)」。
「音更(おとふけ)」は、今日も「音調津(おしらべつ)」に満ちてまして「音威子府(おといねっぷ)」っ!
 ちょっと、お遊びが過ぎましたな。

Alfano_risurrezione
フランコ・アルファーノ(1875~1954)をご存じでありましょうか。
イタリアの作曲家で、そう、プッチーニの死によって未完に終わった「トゥーランドット」を補筆完成させた人です。
 あのとって付けたようなハッピーエンドは、リューの悲しい死が消し飛んでしまうようで、どうも好きになれないけれど、それを書いた人というイメージが強すぎて、イマイチ作曲家というレッテルを貼ってしまっていた。
10曲以上のオペラや、交響曲などのほか、いろんなジャンルに作品を残し、長命だったので、数々の要職にもついた立派な人物のようである。
 以前、モンテメツィのところでも書いたけれど、ヴェルディ以降のイタリアオペラの作曲たちに非常に興味があって、いろいろ聴き進めているところ。
 この人を見のがす手はない。

オペラでは、最近、「シラノ・ド・ベルジュラック」が流行りで、ドミンゴやアラーニャまで録音してるけど、音源・映像ともに楽しんでますので、次の機会に取り上げます。
で、今日は、トルストイの長編「復活」をオペラにしたものを取り上げましょう。

原作は長大だけど、全4幕2時間のオペラとしては、ちょうどいいサイズ。
そして肝心の音楽は、とても聴きやすく、激情にも抒情にも欠けておらず、歌や声を楽しむのにも過不足のないスグレものオペラであります。
 プッチーニとジョルダーノの中間くらいといった感じでありましょうか。
随処に散りばめられた、ヒロイン・カチューシャと相手方テノール・ディミトリの、それぞれ劇的かつ甘味なるアリアの数々には、オペラ好きなら痺れてしまうこと受けあいである。
最後の浄化に満ちたエンディングも感動的。

 カチューシャ・ミハイローヴァ:マグダ・オリヴェロ
 ディミトリ・イヴァノヴィッチ:ジュセッペ・ジスモント
 シンプソン:アントニオ・ボイア    マトレーナ:アンナ・ディ・スタジオ
 ソフィア:フェルナンダ・カドーニ   アンナ:ヌッチ・コント
 ほか多数

    エリオ・ボンコンパーニ指揮 管弦楽団・合唱団
                      (1971.10.22@トリノ)


第1幕 田舎にあるソフィアの邸宅

 復活祭前夜。当家で育てられたカチューシャは、若主人ディミトリの帰りを待ちわびる。
やがて久々に帰ってきたディミトリは、カチューシャの姿をみとめて、「子供の時から好きだったんだよぅ~」と抱きつき、カチューシャも拒みながらも好きなものだから、二人は熱い二重唱を歌いつつ抱擁する・・・・・。


第2幕 鉄道駅そして雪

 あの晩の翌日、ディミトリは出征してしまい、カチューシャは子供を身ごもり、ソフィアから追い出されてしまっている。
 今日、デミィトリが戦場で傷を負って帰ってくるとのことで、子供のことを話そうと駅で待つことにしたのだ。
汽車は着くもその姿はなく、絶望のうちに「慈悲深き神よ・・」と素晴らしいアリアを歌う。
 そこへ、若い女を連れたディミトリを発見、追いかけるものの、汽車は空しくも発車。
駅員に阻止され、雪の線路に泣きぬれ崩れるカチューシャでありました・・・。


第3幕 ペテルブルクの女囚牢

 カチューシャは、客に毒をもったとして20年のシベリア送りを言い渡されているのだ。
本当は無実だった彼女、ほかの女囚から同情されている。
そこへ、以前の女主人から煙草と金の差し入れ。煙草は皆に配り、金は酒に換えた。
そう、酒が楽しみとなった彼女。自由にしてやると、いいよる監長を断ってやったよ、と空しく歌う・・・。 
 そこへなんと、ディミトリが面会にやってくるが、カチューシャは知らない人、という。
シベリア送りと聞き助けにきたというが彼女はつれなく、ディミトリはやつれ果てた彼女に驚き悔恨。
あの線路での晩をここぞとばかりに激しく歌い、子供は死んだと言う。
「すまない、責任とって結婚する・・・」とこれまた熱きアリアを歌うデミトリ。これ素晴らしい。
突然笑いだすカチューシャ。お金くれたし、あんたにゃ責任はないのさ・・・・。ここでのカチューシャの激し方も激しいっす。
面会も終わり、悄然のディミトリ。
カチューシャは彼が置いていった子供時代の写真を見ながら眠りに落ちてゆく・・・。


第4幕 シベリア抑留地

 この地でカチューシャを愛するようになったシモンソン。
ここまで追ってきたディミトリは、シモンソンに彼女とやり直したいと話すが、二人のどちらを選ぶかは、彼女に決めさせようという。
 ディミトリは、カチューシャに本心を聞くが、彼女は、あなたを心から愛しているけれど、いまの自分にはシモンソンの方が相応しいの、として新たに復活した女として、彼のもとを去ってゆく。
 折から、復活祭の合唱が聴こえてくる・・・・。


以上、オペラ辞典を参照。
原作は実は読破したことありません。
ディミトリが主役となっているようで、対するアルファーノのオペラでは、捨てられ自棄となった女性が人生をしっかり歩んで行こうとする物語になっております。
 この方が、オペラとして描きやすいし、聴かせどころもたくさん作りやすい。
事実、カチューシャのアリアは、素晴らしいものがいくつも。

Olivero
そのヒロインを歌うのが、マグダ・オリヴェロ
最後にして最高のヴェリスモ歌いと言われた彼女、まだ存命でして、この3月に100歳sign03
デル・モナコと共演の「フェドーラ」が手持ちで、いちばん音がいい彼女の音源だと思う。
そして、このカチューシャを歌う彼女の素晴らしい声に身も引き締まる思いだ。
強い声でありながら、女性の弱さ優しさを巧みに歌い出すオリヴェロ。
 youtubeに去年、99歳にして歌うお姿の映像がありましたぞ。
もう涙もの。その歌手魂に涙がにじむ思いでした。
シミオナートと同じ歳だったのです。
こちらで、その経歴と映像をご覧くださいまし。

ジスモントの情熱的なテノールも悪くないし、気持ちいいのと、最後にナイスなアリアがあるバリトン恋敵役のボイアもなかなかのもの。

残念なことに、71年の録音ながら、見事にモノラル。
アルファーノの書いたよく鳴るオケの響きがやや薄っぺらに聴こえるけれど、舞台上の歌手の声も含めて鑑賞にはまったく支障なし。
指揮のボンコンパーニという人は、グルベローヴァの指揮をよくしている人みたい。

このCDの余白に、オリヴェロが得意とした、ザンドナイの「フランチェスカ・ダ・リミニ」の一部がデル・モナコとの共演で収録されていて、そちらもスゴイ声です。
このオペラ、今年、横浜で上演されるので、観に行かなくちゃ。



 

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コメント

いつもロム専の聖母の鏡です。
今日はマグダ・オリヴェロ81歳のHandelのlargoに感激して、顔を出しました。
こちらの記事から検索してyoutubeで発見しました。
若い頃の録音もたくさんUPされているので、これから暫し散策してみます。

投稿: 聖母の鏡 | 2010年5月23日 (日) 17時04分

聖母の鏡さま、こんばんは。
ご覧いただきありがとうございます。
そしてコメント恐縮でございます。

オリヴェロは、わたしとしても少し忘れていた歌手でしたが、アルファーノのオペラでもって期せずして思い起こすことができたのでした。
 歳を召しても、大歌手の風格にあふれる素晴らしい女性ですね。
わたしも、あんなに映像が残されているなんて驚きでした。
どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2010年5月23日 (日) 21時12分

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