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2010年6月22日 (火)

プロコフィエフ 「ロメオとジュリエット」 アバド指揮

Cosmos_azumayama1
コスモス一輪。
もう咲いてましたよ。
先週、神奈川の実家の小さな山を登って見たら発見。
周辺は、サツキが満開で、まだ菜の花も残り、コスモスのツボミもちらほら。
いろんな季節が交錯する不思議な光景。
でも、梅雨の晴れ間、日差しは強いですな。

Abbado_prokofiev_romeojuliet
6月26日は、私が敬愛してやまないクラウディオ・アバドの77歳の誕生日であります。
今週は、アバド特集をやります
癌からの再起以来、いつまでも元気で若々しいアバドだけれども、ちょっと気になるのが、5月恒例のベルリン・フィル定期登場後、体調を崩して入院してしまい、その後のスケジュールをキャンセル。
歴史的なカムバックになるはずだったスカラ座でのマーラー演奏も、無念、中止となってしまった。
こちらは、ラブコールのミラノ市に対し、出演の条件として市内の緑化(植樹)を打ち出して合意し、いざ予算がないのどうのと揉めていた矢先のこと。
体調悪化での中止とはいえ、生まれ故郷にも容赦もないリベラルなアバドならではの逸話がまた生まれてしまった。
 スカラ座時代も、惨憺たるイタリア経済界がオペラ予算を削減したりしようとすると、辞表を叩きつけて闘ったり、歌手たちがとどまるように慰留したりと、故郷に対しては熱い思いをぶつけてきたアバド。
 温厚だけど、熱いイタリア魂を持ったクラウディオなのです。

アバディアンとして、前置きが長くなりましたが、本題は、プロコフィエフ「ロメオとジュリエットであります。
全52曲のバレエ音楽と、そこからの第1から第3までの作者自選の組曲版。
これらが通常のロメオの演奏パターンだ。
 だがアバドは、全曲版と組曲版からそれぞれ、順番も入れ替えて20曲の、いわばアバド版ともいうべき抜粋版を作り出して録音した。

90年の音楽監督就任以来、ベストマッチなコンビとなりつつあったベルリンフィルとの96年の録音。この3年あと頃から、病魔の兆しもあらわれるアバド。
若い頃からお得意のプロコフィエフは、ベルリンフィルという強力なオーケストラを得て、繊細な歌う絶妙のピアニシモから、分厚いフォルティッシモまで、広大なダイナミックレンジを持つ鮮烈な演奏になっている。
威圧的にならず、明るいまでのオーケストラの鳴りっぷりのよさが味わえるのも、見通しいい音楽造りをするアバドならでは。
 有名な「モンタギュー家とキャピレット家」や「決闘」「タイボルトの死」などでは、オーケストラの目のさめるようなものすごいアンサンブルと、アバドの弾けるようなリズムさばきに興奮を覚える。
一方、恋人たちの場面での明るいロマンティシズム、ジュリエットの葬式~死の場面での荘重で静謐極まりないレクイエムのような透明感、それぞれにアバドの持ち味。

この1枚は、ずっと今日まで記事にせずに温存してきたけど、プロコのロメオの中でも一番素晴らしい演奏ではないかと贔屓目ながらも確信している次第。
あと、ロンドン響とのデッカ旧録音、プレヴィンの全曲。このあたりが好きですな。

以前にも書いたけれど、イタリア人指揮者は、プロコフィエフがお好き。
アバド、ムーティ、シャイー、ガッティ、ルイージ・・・みんなそう。
プロコフィエフの音楽はネ暗じゃないし、明快さやリズム感にあふれているからでしょうか。

Cosmos_azumayama2
ほい、これ、菜の花とコスモスの季節を超えたコラボレーションなり。

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コメント

こんばんは。今日も蒸し暑かった。
「芸術劇場」で「ロメオとジュリエット」やっていましたね。ちなみに映画はニーノ・ロータの音楽でオリビア・ハッセー主演が本命。
私は「全曲」主義なので最初に持ってたのがゲルギエフでした。ロストロポーヴィチはショスタコの「交響曲第5番」に併録されているもの。「組曲」も含めてこの2種しか持ってなかったが、アバドのは面白い選曲に魅かれてしまった。デュトワのフレンチは聴かせ上手です。ただ、例外もあります。ハチャトゥリアン、ウィーン・フィルによる「ガイーヌ」「スパルタクス」が目的で中古店で購入し、併録されてたマゼールのがあまりにもツンツンしてた。(「全曲版」買わないでよかった)アメリカ人の振り方になってしまうと爆演してしまう。
カラヤン亡き後、ベルリン・フィルポストの座をめぐってマゼールがアバドに破れ、涙を飲んだのが、やはり、楽団に適さなかった。今になって伺えられるような気がします。
久々にアシュケナージの「全曲版」を購入したが、意外なことに舞踏向けに仕上がっている。ピアニスト酷評の裏を掻いたが、暗さと明るさが堅苦しくなく、ゲルギエフと共にロシア・バレエにふさわしい。
アバドの体調面、ちょっと心配になってきますね。早い復帰を願っています。

投稿: eyes_1975 | 2010年6月22日 (火) 20時46分

eyes_1975さん、こんばんは。
むしむしする不快な首都圏ですね。
世界的に不快指数が上がってますし、ワールドカップに翻弄されているうちに、諸問題が隠されてしまうような気がしたりしてます。

ご杞憂のとおり、アバドの体調が心配なのですが、不死鳥のようなクラウディオ。元気に復帰してくれると確信してます。

で、このロミオは完璧なる名演ですよ!
アシュケナージは聴いてみなくてはなりませんね。
マゼールは、プレヴィンと同時期に発売され、人気を二分しましたが、多分にデッカの超優秀録音が手伝っていたかもしれません。
でも、マゼールはCDでもう一度聴いてみたいと思う音盤でして、あの当時のクリーヴランドとのドライなまでのコンビにはうってつけの演目だと思います。

あとテレビでみたロジェストヴェンスキとチェリビダッケのロメジュリも忘れられません!

投稿: yokochan | 2010年6月22日 (火) 23時37分

アバドは「アバード」、バーンスタインは「バーンステイン」、マゼールは「マーツァル」と表記されてた時代がありましたね(笑)それはさておき、アバドは1960年代から70年代にかけて、様々なオケを振っていました。ハレ管弦楽団、ミュンヘン・フィル、クリーヴランド管、チェコ・フィル、ニューヨーク・フィル等々…。DGから発売された「ブラームス全集」でシュターツカペレ・ドレスデンとの「第3番」もありました。のちに特定のオケに絞るようになったのは残念というしかありません。しかしウィーン・フィルとベルリン・フィルの両方で「ベートーヴェン全集」を残しているのは現時点で彼一人。やはりこれは快挙というべきでしょう。

投稿: EINSATZ | 2010年6月23日 (水) 00時59分

こんばんは。
私の中ではこの「ロメ・ジュリ」をもって、アバド&BPOのザ・ベストとしたいと思っています。

初期のLSOとのレコードで「ロメ・ジュリ」に目覚めた私。
全曲が聴きたいがためにバレエ公演に足を運んだり、他の指揮者のCDを聴きまくったり(アバド以外の指揮者はまったく聴かない偏屈者。笑)したものです。
その中ではアバドの敬愛するミトロプーロス&NYPOが一番好きで、よく聴きました。

BPOとの新録音は長年待ち望んでいただけに感激もひとしおでした。

もう!ほんとに完璧!!最高!!!
これをしのぐ演奏なんてあり得ませんよ~。

投稿: lilla | 2010年6月23日 (水) 01時40分

EINSATZさん、毎度です。
アバードやバーンステインを活字で知る人は、なかなかいないでしょうねぇ(笑)マゼルやブレーズもありましたね〜

たしかに、アバドの演奏記録などを見ますと、若いころは、世界中のオーケストラを振ってます。
ドレスデンとバイエルン、ニューフィルくらいしか正規録音がないのが残念です。
そうか、そういえば、ウィーン・ベルリンのベートーヴェンはアバドだけですね!
ベームもカラヤンもできなかったんですね。
しかし、今の音楽監督のもじゃもじゃさんが、いずれやるんでしょうね。

投稿: yokochan | 2010年6月23日 (水) 19時48分

lillaさん、アバド記事へのお約束の登場、お待ちしておりました(笑)

わたしも、ベルリンフィルとのベストはこちらと、ヴェルディ序曲集ですね。
あと、シューマン「ふぁうすと」と、ワーグナーと、マーラーと・・・
あらダメです。絞れませんわ〜

このロメジュリ聴いちゃうと、他の演奏がユルかったり、冷たかったりで、どうにもイケません。
でも、ミトプーが出てくるところは、さすが、ロメジュリ好きのlillaさんです!

シモンボリバルとの映像が放送されますね。
そこでロメジュリ演奏してるんだったかしら?
悲愴がメインでして、楽しみです〜

投稿: yokochan | 2010年6月23日 (水) 20時01分

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