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2010年6月 5日 (土)

プッチーニ 「ラ・ロンディーヌ」~つばめ~ ジェルメッティ指揮

Cooktal
お客様、今宵はカクテルなどはいかがbar
口当たりよく、デンジャラスなカクテル。
たいていは、2~3軒飲んでからこうしたバーに行くので、記憶を失いかけている場合が多い(私の場合)。
ですから、これが何というカクテルだか、記憶の片隅にもこれっぽちもないのだ。
そもそも、カクテルなんてめんどくさい酒はあんまり飲まないのに、なんでこんな写真があったんだろsign02

Puccini_la_ronfine
プッチーニ「ラ・ロンディーヌ」~(つばめ)を聴きます。
R・シュトラウス漬けだった今週、その傾向を受け継ぎつつの週末オペラは、プッチーニ。

プッチーニの方がちょっと先輩、でもふたりとも、世紀をまたいで同時期に活躍した独・伊のオペラ作曲家。
豊穣でドラマテック、甘味な旋律にも欠けておらず、そのずば抜けたオーケストレーションは、同時代のオペラ作曲家から抜きんでていて、大オーケストラを使いつつ、精緻で室内楽的な響きをも作りだす名人ふたりは、マーラーにも通じる。

そして、ともに優れたパートナーを得て、素材選びは、人間の感情の機微に深く根ざしたものが多く、ドラマと音楽が密接に絡み合って、深い感動とオペラを観劇する楽しみをわたしたちにずっと与え続けてくれるわけだ。
 モーツァルト、ワーグナー、ヴェルディに、この二人、そしてブリテンを加えた6人が、わたしの最強の鉄板オペラ作曲家。(それに最近は、コルンゴルトとシュレーカー、RVW)

さらに、ふたりの作曲家の共通項は、女声大好き。
ヒロインに対する思い入れの強さ。
女性の方には、異論がおありかもしれませぬが、「女の気持ち」を男の側から、こうまで完璧に表現しつくすなんて。憎らしいほどでございます。
プッチーニは、おっかない女から、つつましい女、意志の強靭な女、いろんなタイプの女性を描いたけれど、「ミミ」に理想を求め続けたという。
 対するシュトラウスも、いろんなタイプの女性を描いてますな。
でもシュトラウスの女性は、いずれもオペラの中で、成長してゆく女性か。
先日の「影のない女」しかり、「ばらの騎士」「ダフネ」「ダナエの愛」などなど。。

そんなお二人ですが、ともに、おっかない奥さんの独裁下にあったのがまたなんとも・・・。
だから、オペラの中に理想の女性像を求めてしまったのでありましょうか・・・・・catface
 いいなぁ、わたしにもそんな逃げ道が欲しいぞよ。

「つばめ」は、あまり日があたらないオペラだけれども、素晴らしい旋律がたっぷり詰まっていて、ドラマもセンチメンタルで思わずホロリとしてしまう、プッチーニらしい愛らしい名作なのだ。
わたしは、この作品が大好きで、今回で3度目の記事。

「椿姫」と「ばらの騎士」を混ぜ合わせたようなドラマ。

~銀行家の愛人の女性が、田舎から出てきた青年と真剣な恋に落ちて、リゾート地で暮らすようになった。青年は晴れて母親の許しを得て、結婚に燃えるが、女性は、自分の身の上を恥じ、涙ながらに自ら身を引く~

もといたところに、再び戻ってくるのが「つばめ」。

永年の出版元であったリコルディ社と一時的に決裂し、ウィーンからオペレッタ風の作品を書いて欲しいという要請のもとに手をつけたものの、台本にやたらうるさいプッチーニが散々に書き直させて今の形になり、1917年に初演。
この年にシュトラウスは、「影のない女」を完成している。

有名なアリアは、1幕の「ドレッタの夢」だけで、ドラマに生死もなく起伏が少ない全体に、なだらかな雰囲気。
でも、プッチーニ好きなら必ず好きになってしまう素敵な旋律の宝庫であります。
初演は成功したものの、埋もれてしまった桂作オペラをいまこそ広めていただきたい。


 マグダ:チェチーリア・ガスディア   ルッジェーロ:アルベルト・クピード
 リゼッテ:アデリーナ・スカラベッリ  プルニエ:マックス・ルネ・コソッティ
 ランバルド:アルベルト・リナルディ   ほか

   ジャンルイージ・ジェルメッティ指揮 ミラノ・イタリア放送交響楽団
                               〃       合唱団
              (1981.11.13@ミラノ・ヴェルディ音楽院ホール)

聴きどころや、大筋は、過去記事をご覧ください。

このCDは、某ショップで発見して即買い。珍しいイタリアのフォントチェトラ原盤で、いまはワーナー参加だからアメリカ盤なら手に入りそう。
洒落たジャケットで、メトやほかのDVDの舞台でも、アールヌーヴォ風の装飾の舞台装置が雰囲気豊かだった。

そして、歌手も指揮者もオーケストラもすべて生粋のイタリア産のこちらの演奏は、フレッシュで耳洗われる爽快さ、搾りたてのレモンサワーみたい。

ガスディアの若々しいマグダは大人の魅力は薄いけれど、コケティシュな感じで魅力的。
3幕で、ルッジェーロの母からの結婚の許しの手紙を読むところなんて、もう、切なくなっちゃう。
最近、名前を耳にしないけどどうしてるのだろう。
 日本を愛する、お馴染みクピードのルッジェーロにも鮮やかな感銘を受けた。
イタリアの太陽のような輝かしさと、どこまでも伸びやかな歌声は、ドイツものばかり聴いてると最初は違和感を覚えるが、耳のなかの、そして心の中の澱をすべて洗い流してくれるような思いになる。

これもまた最近名前を聞かないジェルメッティの指揮は、ミラノのオーケストラとともに、オペラティックな雰囲気抜群で、プッチーニのちょっとした節回しや、合いの手にも心がこもっていて聴かせてくれるんだ。

「ラ・ロンディーヌ=つばめ」、まずは、パッパーノあたりのCDでもってお聴きになってみてはいかがでしょうか!
素敵なオペラにございます。

そうそう、昨年、パトリシア・プティボンがコンサートのトリに歌ってくれたのも、このオペラのアリア。
アラーニャさま臨席のもと、彼女の歌とインタヴューの映像がありましたよ。
こちらでご覧ください。
役に同化する彼女の好みそうな役柄だけれど、プッチーニはまだ少し違和感あるかも。
でも彼女のことだから、すぐに彼女なりのマグダを歌い込むようになるのだろうな。

 ラ・ロンディーヌ過去記事

「アンナ・モッフォ&モリナーリ・プラデッリ」
「ゲオルギュー&アラーニャ@メト」

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コメント

はいはい^^つばめですね。私が大学生の時に美人の先輩がこのオペラのアリアを歌ってからずーーーっと大好きなオペラです。(動機が不純ですね)アラーニャ先生はパッパーノの指揮でプッチーニを録音しまくりです。ご紹介のジェルメッティは聴いたことがないので今度聴いてみます。アラーニャは貧乏な私たち夫婦がウィーンに連続2週間、オペラ鑑賞のためだけの旅行で一番楽しんだテナーです。ウィーン国立歌劇場の14日間!子どもがいるいまは、まあ無理です。それに!お金もありません^^;ああ、若いってすばらしい。。。。

投稿: モナコ命 | 2010年6月 7日 (月) 20時39分

モナコ命さん、こんばんは。
その不純な動機、実に麗しいではございませんか!
プッチーニは、歌う方も美しくなくてはいけません!

アラーニャさんは、そういえば日本にしばらく来てませんね。まだ実演で聴いたことがないのです。
ウィーンでお聴きになられたとのこと、それも2週間の劇場通い、いいですねぇ!
若いか、悠々自適の仙人じゃなくては、そうした快挙はできないのですね。私には死ぬまで訪れそうもありません(涙)

ジェルメッティ盤は、録音もちゃんとしてますので、お薦めですよ。

投稿: yokochan | 2010年6月 7日 (月) 23時49分

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