マーラー 交響曲第1番「巨人」 バルビローリ指揮
お腹の空いてる方、こんな「とんかつ」画像お見せしちゃってすんません
最近、ネタ不足なもんで、古めの写真を引っ張り出してます。
こちらは、茨城県小美玉市(小川、美里、玉里が合併~うまいこと付けた名前じゃないか)の旧小川町で食べたもの。
なんで、こんな変哲もない「とんかつ」画像を出したかというと、このお肉がべらぼうにウマイのである。
茨城の銘柄肉のひとつ、「茨城ローズポーク」なんですわ。
自分の別館ブログに書いたことを参照にすると、いろんな系統豚を選りすぐって生みだした銘柄豚で、茨城の県花のバラの名前を冠したとあります。
このお肉、ともかくジューシーで甘い。肉汁じゅわ~の、ころもカリカリで、口中が幸せの境地になるんですわ。
「美沢」というロードサイドのちょっと大丈夫?的なお店だけど、味はばっちり。
でもじっくり、というか、のんびり調理していて、出てくるまで時間がかかる。
隣に座ってたおじさんは、あんまり出てこないもんだから眠りだしてしまい、しまいには熟睡状態。
料理をようやく運んできたおばさんに、ご飯できましたよーーーと揺り動かされる始末で、こっちは笑いをこらえるのに苦労しましたよ(爆)
音楽記事のあとにも、もう1軒ありますからね。
今日は、マーラー初心に帰って、交響曲第1番「巨人」を聴いてしまおう。
このバルビローリのパイレーベルへの録音は、現在はあまり知られていないかもしれないが、70年代、テイチクがパイ録音を大量に廉価盤として発売したときに、数あるバルビローリ演奏の中のひとつとして含まれていたものだ。
当時は詰め込みすぎの痩せたステレオ録音だったが、CDで復刻したときは、モノラル録音として発売された。
1956(7?)年の録音だが、音は素直で、コシもあってとても聴きやすいもので、バルビローリの特徴あるマーラーを堪能できる。
バルビローリのマーラーは、放送録音が続々と発掘されて、それらも合わせて、今聴けるのは、1、2、3、4、5、6、9の7曲で、あと7・8番だけみたい。
バルビの7番なんて、合ってそうだし、8番もきっとやたら感動的なんだろうな・・・・。
それにしてもバルビローリが、70年の万博の年の来日直前に亡くなってしまったのは、われわれ日本人にとって痛恨の出来事であります。
まだ70歳だったし、これからの歳なのに。
で、ニュー・フィルハーモニアとの来日には、この「巨人」の演奏が予定されていたはずだ。
(いや、5番だったかな・・・・。変わりの指揮者はプリッチャードかダウンズだったか、NHKで放送されてました~無念)
で、この巨人は、オケの技量がやや気になるところはあるものの、実に味わい深い。
作今の、こぎれいで、バリッとした痛快な1番の演奏とくらべると、もっさりしてるし、流麗さや切れ味もなし。
でも、全編にみなぎる優しい歌心はどうだろう。
1楽章で、主部が組成されるまでの心をこめた盛り上げ方。
ゆったりしたレントラーの2楽章での中間部、これぞポルタメントの王道と思わせる甘い弦。
はらはらするくらいのコントラバスのソロに導かれた3楽章は、テンポの揺れがそれこそ自由自在で、かなり好きにやってるけれど、これが面白い。
で、爆発的なエンディングを抱える終楽章は、まさにそこにむかってじっくりと突き進み、途中また甘々の泣き節ポルタメント攻撃にあって、最後に至っての驚きの怒涛の高揚感と大解放感。何もここまで・・・、という気もしなくもないけど、いまやこんな風にマーラーを聴かせる指揮者はいません。
どろんどろんした情念型の演奏ではなくって、歌と優しさにあふれた、しっとり型のマーラーといえよう(と申せましょう)。
これがロンドンの優秀なオーケストラだったら、また違った味わいが出ていたかもしれないが、1番の場合、ハレ管のやや鄙びた雰囲気がいい具合なのだ。
ちょっとユニークなマーラーだけど、私は聴いていて、バルビローリの大傑作「蝶々夫人」が聴きたくなってしまった。
マーラーもバルビローリも、オペラ指揮者なんですな。
もうひとつ、ローズポークが食べれる店。とんかつ「山忠」。
こちらは取手なので首都圏の方も近いです。
6号線沿いの大型店で、昼時はいつも混んでます。
こちらは、特選ロースなんだけど、塩で食べるのが甘さが引き立って一番なんです。
ムチャクチャ旨いよ~
こちらの「とんかつ山忠」の過去記事。
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コメント
こんばんは。なんです!このおいしそうなトンカツは^^さまよえる様は美食家ですね。バルビローリ先生。おっしゃるとおりせめてロンドン響とやってほしかった感はあります。毎回のことながらあのコントラバスのソロで安心して聴けるオケってなかなかないです。これもさまよえる様のおっしゃる通り!マーラー先生もそれを承知の上でわざとソロパートを書いたのでしょう。でも我がN響のコントラバスのレベルは意外にも高い。これはめずらしく世界にも類を見ないくらい名手ぞろい。どうしたんだろ??NHKはコントラバスにだけギャラが高いのだろうか??とか、夏の夜長にいろいろと思いを巡らせています。
投稿: モナコ命 | 2010年7月 8日 (木) 21時05分
こんばんは。とんかつに勝つ。巨人、マーラー、2010年でありますね。
7月7日がマーラー生誕日。バーンスタイン、コンセルトヘボウがダイナミックな巨人サウンドではないでしょうか。アバド、ハイティンクのベルリン・フィルは再録。私ならハイティンクを取ります。
オーマンディ、フィラデルフィア管やメータ、イスラエル・フィルの2回目に「花の章」がついていますが、「Titan」あの「真夏の夜の夢」に出てくる妖精・タイターニア。また、「タイタニック」は神、あるいは巨大なもの。ロマンチックな気がしますね。七夕の夜からマーラーを聴く。
初録の方にいくことが多い私ですが、バーンスタインは例外でドイツ・グラモフォン再録がベターかな。
投稿: eyes_1975 | 2010年7月 8日 (木) 21時23分
モナコ命さん、こんばんは。
年齢とメタボチックな体を考えたら食べちゃいけないのですが、とんかつは大好物なんです。
ご当地肉とか聞くと、食べずにはいられませんし!
ハレ管はしょぼいけど、味のあるオケですね。
で、N響さまは、コンバスもうまいのですねぇ。
あんまり意識してなかったものですすから、先生のたくさんいらっしゃるN響ならではのお話です。
N響以外の楽員さんからすると、みんな先生のようで、位が全然違う(と振る舞っている・・)と聞いたことがあります。
会社もネームで違いますものねぇ・・・・
いい会社は、給料もそれなりなんでしょうしねぇ・・・・。
投稿: yokochan | 2010年7月 9日 (金) 00時51分
eyes_1975さん、こんばんは。
7日がマーラー誕生日だとは不覚にもしりませんでした。
意識しないで起こしたエントリーですが、うまくいきました(笑)
「花の章」が入ると間延びしてしまうのが事実ですが、マーラーの心情もよく理解できますね。
ジャイアンツじゃない、タイタンという巨人。
たしかにロマンティックな要素を感じます。
私の場合、バーンスタインはニューヨークなんです。
古い人間なもので、初聴きの方により魅力を感じます。
ですからアバドもシカゴの方なんですよ。
バルビローリのマーラー、あらためて見直しました。
他の番号もゆっくり聴いてみようと思ってます。
投稿: yokochan | 2010年7月 9日 (金) 00時59分
お早うございます。
バルビローリのマーラーは一作もまだ聴いたことがないのです。恥ずかしい~。超名演と言われるベルリンフィルを指揮した9番さえ未聴です。
レニーの巨人は私もニューヨーク盤がベストです。中学一年のときに初めて聴いたマーラーの交響曲にして、今だに私が最も好きな巨人です。最近はケーゲル&ライプチヒ放送響のも好きです。花の章付きの巨人なら私的には、小澤さんの最初の録音が一番でしょうか。
私の記憶が正しければマーラーはドイツの作家ジャン・パウルの長編小説『巨人』に触発されてこのシンフォニーを書いたはずですが、あの小説はハチャメチャに難解です。国書刊行会から翻訳が出ていますが歯が立ちませんでした(笑)。
投稿: 越後のオックス | 2010年7月 9日 (金) 10時00分
マーラーの7番ですが、BBCLEGENSからハレ管との演奏が発売されていますよ。二枚組みでカップリング曲がブルックナーの9番です。
僕は恥ずかしい話ですが、買ったまままだ未聴です
これを機に聴いてみようかなと思います。
投稿: ナンナン | 2010年7月 9日 (金) 19時47分
越後のオックスさん、こんにちは。
バルビローリのマーラーは、ライブ系は、私もこれからです。楽しみが増えました!
で、ケーゲルですか。
ケーゲルのマーラーは、3番など特に評判がよさそうですね。ひとつも聴いたことがないのですが、これもまた挑戦のしがいがありそうです。
で、小説の「巨人」は、挑戦どころか、そんなお話を拝見しちゃうと手も足も出ませんねぇ(笑)
投稿: yokochan | 2010年7月10日 (土) 10時59分
ナンナンさん、こんにちは。
バルビローリの7番、出てるのですね!
しかもブル9とのカップリングとはまた、すごい組み合わせですねぇ。
ということは、バルビローリのマーラーは8番以外は聴けるということなのですね!
なんだか、全部そろえたくなるヲタ魂を刺激されてます(笑)
情報ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2010年7月10日 (土) 11時02分
バルビローリ のマーラー。この録音が巨人の初ステレオ録音だったらしいです。
演奏は素晴らしいですが、録音が古いので
おそらく、バルビローリ は当時のニューフィルハーモニア管と再録音する予定であったと考えられます。
果たせなかった日本公演の曲目にマーラーの巨人があるので。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/orch/page183.html
投稿: よしお | 2018年1月 5日 (金) 19時42分
よしおさん、こんにちは。
万博の海外来日オーケストララッシュのなかで、バルビローリの逝去による来日中止は、当時、小学生だった自分にも残念なことでした。
NHKの放送もあったので、いま思っても痛恨のできごとでした。ちょっと鄙びた雰囲気のハレ菅とのマーラーでした。
投稿: yokochan | 2018年1月10日 (水) 08時15分
yokochan様&よしお様
サー・ジョン様の録音予定にマーラー『第一』の予定が、おありだったのですか。いや、存じ上げませんでした。
確か、福島明恭さんが御著書でお書きでしたが、当時のEMIには、ワルターと並ぶマーラー直伝の解釈者、オットー・クレンペラーが健在で、この人が『ワシはやらんぞ。』と宣言なさった『第一、五、六交響曲』から、バルビローリに録音の出番が回ってきたと、考えられるとの御見解を示していらっしゃいました。
でもBPOとの『第九』と並び、貴重なレガシーとなりましたね。
投稿: 覆面吾郎 | 2024年10月 7日 (月) 09時54分