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2010年7月 6日 (火)

ラモー 「サンフォニー・イマジネール」 ミンコフスキ指揮

Taiyaki_tetsuji_3_2
まぁるい「たい焼き」食べました。
東京駅の大丸の地下に売ってますよ。
たい焼き鉄次」というお店。
たい焼きは、尻尾がなくちゃ! と言われるのもごもっとも。
でも、この丸いたい焼き、とてもウマかった。
薄皮のパリパリ、ずしりと重く、あんこぎっしり。食べ応えありですよ。
 これを頬張りながら、広い東京駅を歩くもよし、お家で、温め直して熱いお茶と食するもよし。
Taiyaki_tetsuji_1
1個買っても、こんな凝った包装@160円也。

Rameau_minkowski
今日は古楽演奏を聴きます。
「さまよえるクラヲタ人」では珍しいエントリー。
でも、バロックオペラを中心に最近聴いているんですよ。
それと、かつては中世ルネサンス音楽に相当はまった時期もあったのですよ。

で、このところお気に入りのマレク・ミンコフスキラモーを聴くのであります。
ミンコフスキは、ラモーやリュリの演奏で名を上げ、グルック、ヘンデル、バッハとそのレパートリーも時代を昇ってきて、古典からロマン派の音楽までを広範に取り上げるオールランド指揮者になってきた。

その音楽は、熱心で熱き探究心を伴った説得力の高いもので、緻密な考察を経ながらも、それらが頭でっかちの無味乾燥なものにならずに、常にいきいきとした鮮度の高さが保たれていて、数百年前の音楽が、今生まれてきたばかりのような新鮮さで目の前に展開されるのだ。

ジャン=フィリップ・ラモー(1683~1764)のオペラがいくつ存在しているかは、不明だけど、いまや、オペラのジャンルにしっかりと根をはっていて、ちょっと昔には思いもよらないことだった。
古楽器による演奏法の確立と技術的な進歩、そして優れた歌手たちの台頭、そしてなによりも優秀な指揮者たちの活躍によるところが大きく、映像というツールの存在も大きい。

「サンフォニー・イマジネール」とは、「空想の交響曲」とでいうのであろうか。
ラモーの11のオペラから、序曲や劇中バレエ、前奏、舞踏曲などをミンコフスキが選びだし、順番も独自に配して、一夜のシンフォニー・コンサートのように仕立てあげたもの。
約1時間、2分から長くても6分くらいの活気みなぎるラモーの音楽の洪水を浴びることになる。

1. 英雄牧歌劇《ザイス》 序曲
2. 音楽悲劇《カストールとポリュクス》 葬儀の場
3. オペラ=バレ《エベの祭典》 優美なエール
4. 音楽悲劇《ダルダニュス》 タンブーランⅠ&Ⅱ
5. オペラ=バレ《栄光の神殿》 女神たちのための優美なエール
6. 音楽悲劇《レ・ボレアード》 ロンドー形式によるコントルダンス
7. アクト・ド・バレ《オシリスの誕生》 優雅なエール
8. 音楽悲劇《レ・ボレアード》 時とゼフィールのためのガヴォット
9. バレ・ブフォン《プラテ》 嵐
10. 音楽悲劇《レ・ボレアード》 前奏曲
11. コンセール 第6番(六重奏による6つのコンセールから)めんどり
12. オペラ=バレ《エベの祭典》ロンドー形式によるミュゼット
タンブーラン(第3アントレ: 舞踏)
13. 音楽悲劇《イポリトとアリシ》 リトゥルネル
14. 英雄牧歌劇《ナイス》 リゴドンⅠ&Ⅱ
15. オペラ=バレ《優雅なインドの国々》 未開人の踊り: ロンドー
16. 音楽悲劇《レ・ボレアード》ポリヒュミニアのアントレ
17.

オペラ=バレ《優雅なインドの国々》シャコンヌ

マレク・ミンコフスキ 指揮 レ・ミュジシャン・デュ・ルーブル
                       (2003.6 ポワシー)

どの曲も、おっそろしく弾んでる。
聴いていて、こちらも弾んでくる。
心に、体の中のリズムに、手や足に、それぞれに刺激してくるものだから、気持ちいいことこのうえない。
オペラの中のオーケストラによる聴かせどころだし、バレエの見せ場でもあるから、短いながらも、個々に力のこもった作品ばかりで、これらをこうして連続聴きすることは、ラモーも想定してなかったことだろうけれど、ここまで鮮やかに、そして屈託なく明るく楽しくやられては、誰も文句のつけようがないのだ。
 これはまさにエンターテイメント
昨年のミンコフのライブは、行けなかったけれど、びっくりの仕掛けが満載。
クリスティ門下だけど、パトリシア・プティボンの魅惑のコンサートにも相通じるものがあるかもしれない。
日本人には、なかなかできそうにない、ラテン系のノリのよさでもあろうか。

これらの中では、プティボンのかかわいいダンスが印象的だった「優雅なインドの国々」が楽しくも愛らしいし、湧き出す感興がいかにもオペラの序曲らしい「ザイス」。
悲しみに満ちた葬儀の場、ノリノリで思わず指揮がしたくなる「ダルダニュス」。
「レ・ボレアド」も体が動きだしちゃう緩急豊かな活きのいい曲。同じオペラからでもは、優雅な雰囲気。
ぽつぽつ雨が、一気に風吹き荒れる悪天候に、「プラテ」の嵐は、すさまじいテンポで駆け巡る音楽。
は有名ですな、めんどり。田園曲のような
は、これらの中では大曲風で、交響曲の緩徐楽章のような「レ・ボレアド」とスケール大きな終曲「優雅なインドの国々~シャコンヌ」。

何度も聴いてたら、どれもこれも楽しくて好きになってしまった。
お酒をちびりちびりと飲りながら、ちょっと酩酊加減で聴くと、これまた空想の中に遊ぶがごとく楽しみもございますよ

Taiyaki_tetsuji_2
ラモーに、たい焼き、合うかも

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コメント

ミンコフスキはいい指揮者ですね。オペラシティでのコンサートを聴きましたが、最高のエンターテイメントでした。奏者も、聴衆も楽しくてしかたがない、そんな雰囲気でしたよ。
ミンコフスキにはストラヴィンスキーのプルチネルラとかも合いそうだと思うんですが、どんな作品であれ、また彼のコンサートを聴く機会があれば足を運びたいと思っています。

投稿: ナンナン | 2010年7月 6日 (火) 23時58分

ナンナンさん、こんばんは。
オペラシティのコンサートに行かれた件、前にも羨ましく思いましたが、あらためて行かなかったことが悔やまれます。

ビゼーも振ってしまうミンコフさん、ストラヴィンスキー、確かによさそうです。
今度の来日では、コンサートとともに、オペラもやって欲しいですね!
必聴のミンコフスキです。

投稿: yokochan | 2010年7月 7日 (水) 00時48分

ミンコフスキは、「活きの良い」素晴らしい音楽を産み出す指揮者ですね。
初めて聴いたのが数年前。
バルトリの「禁じられたオペラ」というバロックのアリア集。
ミンコフスキ?知らねえな、と思って聴いてみたら、あまりの鮮度良さにビックリ致しました。
以来大変気になっている指揮者の一人です。
ラモーの演奏もさぞ素晴らしいでしょう。聴いてみたいです。

投稿: golf130 | 2010年7月 7日 (水) 07時41分

golfさん、こんにちは。
ミンコフスキいいですよね!
わたしは、幻想やオッフェンバックから入り、時代を遡りました。
バルトリとの1枚も鮮烈ですよね。
最近、ワーグナーも手がけてるくらいの才人ですから、何をしでかすか楽しみなミンコフさんであります。
少人数ロ短調ミサなんて聴いてみたいと思ってます。

投稿: yokochan | 2010年7月 7日 (水) 13時29分

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