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2010年7月20日 (火)

リンドベリ 交響曲 ウェステルベリ指揮

Ikea_1
IKEAレストランの定番メニュー。
ミートボールにじゃがいも、ラザニアでございます。

わたしたち日本人は、欧米系の文化にからきし弱い。
もちろん、昨今はもっと近場もほんとに親近感が沸いてきて、同胞、韓国・中国をはじめ、東南アジア、中近東までも親しい存在になってきた。

でも衣食住は、どうしても先んじてるという意識が従前よりあって、やはり欧米信仰はゆるぎないのが現状か。
悲しいことに、中国は、日本の安全と堅実、美観を買うだけで、もう飽きられてしまい富裕層バブリーたちは欧米しか見ていない。
まさに今後は中間層の取り込みしかないのか、にっぽん。

そりゃそうと、日本人は海外進出組には現地と同じ本格的なものを求めるけれど、かつての欧米からの進出組は、日本の高度に難しい消費志向に合わせるために、日本のマーケットと同じような品ぞろえ・店造りをしてしまい、がっかりさせたもんだ。
フランスのカルフールがそのいい例で、パンとチキン以外は日本のものしかない、普通のスーパーだったもんだからがっかり。
 元気だったダイエーが仕組んだ「プランタン」の方が、フレンチ・テイストがあふれていて、まさにマルシェだった。
カルフールは、イオンに売却して日本撤退。
そのイオンもいまやカルフール・ブランドはなくしてしまい、普通の店舗に様変わり。
かくして残ったのは、おいしいパンとチキンのできるマシン、そして充実のワインコーナーのみ。

 欧米組で、残ったのは、ウォルマート(西友)と英テスコ(つるかめ・・・)、米コストコ、独メトロ、そしてIKEAのみ。
これらの中でも、日本の既存の仕組みに特化してしまったところと、世界基準を守り通し、まさに欧米テイストの合理性と機能性、そして日本人が抱く憧憬をうまく根付かせてしまったところと、それぞれ。
IKEAはまさに、後者で、各地で、IKEA待望論が起きている。

Ikea_2

 そのIKEAの店舗は、船橋・横浜・新三郷・神戸・大阪の5ヶ所。

次は福岡が決定。そのあとは、名古屋、東京西部となっているものの、物件なし。
その後も計画ななしとか・・・

 街づくり3法という、実質的な大規模店舗の出店規制という、制定当時は旧市街地活性化・イオン抑制という効果を見込んだ法律が施行され、意欲ある、そして消費者の期待する業態が日本から締めだされてしまったことになった。
 海外からの投資の意欲も摘んでしまうこんなバカげた法律を、数年かけて検討し、時代にそぐわない時期に施行してしまう、いまも変わらぬ日本の国家。
 こんな例はこの法律以外にも、枚挙にいとまがない。
事業仕訳のパフォーマンスも結構だが、既存の規制や法律、そして今後検討中のものも含めて、社会・経済の状況を市民目線で理解し、再考できるような仕組みづくりも必要ではなかろうか。

あっ、いったいワタクシ、音楽ブログはどこへ・・・・??

Lindberg_sym
 なんだかスウェーデンこじつけですが、オスカル・リンドベリ(1887〜1955)の交響曲を聴きましょうかね。
世代的には、毎度書くとおり、私の好きな後期ロマン派〜世紀末の作曲家。
こうした世代でも、今世紀に入ってからは先鋭な作風に走ったり、古典回帰を見せたりと、いろんなトレンドがあるなか、リンドベリはずっと自国の民族楽派的な作風と、後期ロマン派風濃厚サウンドの融合にこだわり続け、没年を鑑みると保守的とのレッテルを貼りたくなってしまう作曲家なのであります。

でもですよ、北欧といってもスウェーデンに特有のポルスカという舞曲のリズムも意識した音楽や、土着の民謡、それらと西欧の濃厚な後期ロマン派風音楽との融合はえも言われぬ快感を呼び起こすのであります。

同類の音楽に、アルヴェーンやステンハンマル、アッテルベリなどがあげられるでしょうか。
教会のオルガニスト兼指揮者でもあっただけに、オルガン音楽をたくさん書いたリンドベリ。
その分、オペラや劇作品は残さずに、オーケストラ作品も少なめ。

唯一の交響曲ヘ長調は、1913年から16年にかけて作曲された3楽章形式の作品で、完全な調性音楽で、マーラー没後、ドビュッシーは晩年、シェーンベルク活躍中の時期としては穏健な作品であります。

 メロディアスな第1楽章が一番いい。親しみやすい第1楽章に対比して、シリアスな第2主題はどこかシュトラウスの豊穣サウンドを思いおこす。
少し難解な表情を伴う真ん中の緩徐楽章は、北欧ムードがあふれていて、シャープな自然美を感じ取ることができる。曲の後半部分に、独奏ヴァイオリンの神秘的で甘いソロが入り、終結部は望郷のラフマニノフみたいになってくる。
 一転、元気をだして突き進むような終楽章は、やや霊感不足で、印象は薄いものの、やはり北欧の雰囲気は濃厚で、やや鄙びた管楽器の音色と、澄んだ弦楽器がうれしい。

このCDには、「スウェーデン民謡による狂詩曲(ジャケットのフィドルをもった爺さんのイメージ)」、「旅の3つの印象」というオーケストラ曲が収録されていて、それらも悪くない雰囲気です。

     スティグ・ウェステルベリ指揮 オレブロ交響楽団
                           (1994.5 録音)

このオケのあるオレブロ(エーレブルー)は、川と湖のあるスウェーデン南部の美しい街のようで、ここにも当然、IKEAはあります。
そこのHPのミートボール画像。
Kottbullar

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コメント

リンドベリ。初めて聞いた作曲家名です。まだまだ知らない事っていっぱいあるんですね。そういや、スエーデンの作曲家って誰がいるんだろ?スエーデンといえばテナーのユッシビョルリンクがいます。最近、同じスエーデンの古いテナーでアクセルショッツという歌手の存在を知りました。ビョルリンクとそっくりなテナーで、より現代的でさえあります。おどろき。今年はサッカーでデンマークと対戦したし、スエーデンのテナーも発掘したし、北欧づいています。

投稿: モナコ命 | 2010年7月21日 (水) 22時09分

モナコ命さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
わたしも、このリンドベリはこれ1枚で知りました。
北欧系の作曲家も好きなものですから、シベリウス以外に発掘してみようとの意欲のあらわれです。
ガッカリも多いですが、このリンドベリは悪くなかったです。

そうそう、ビョルリンクですよね。
ビョルリンクのプッチーニにはシビレます!
で、アクセルショッツですか?
初耳ですが、ビョルリンク似なのですか、よさげです!
スウェーデンでは、ウィンベルイというテノールがモーツァルトから出発してローエングリンまで歌うようになりましたが、惜しくも亡くなってしまいました。
この人も素晴らしいテノールでした。
スウェーデンは、ソプラノばかりじゃないですね!

投稿: yokochan | 2010年7月21日 (水) 23時30分

こんばんは。
池屋は一回しか行ったことないですが、あそこで買ったリンゴンベリーのジャム(肉団子につけるアレ)と食堂で食べたサーモンの美味しさが忘れられません。パンも美味しかった・・・ってまた行けばいいんですけど。ウチから中途半端に遠くて。リンドベリ、ウチにあったっけかなあ・・・(なんだかもう同じような名前が多くてわからなくなってきました)。

投稿: naoping | 2010年7月23日 (金) 21時51分

naopingさん、こんばんは。
池屋は遠くにありて思うもの。
名古屋や福岡では、早く来ないかと、みなさん首を長くして待ってますから、関東のわたしたちはまだ恵まれてますよ。
電車でいけるのは、やはり船橋ですから一番近いかも。
あそこのパンうまいですし、ホットドックも軽めでウマイです。
 北欧3国は、似てるようでみんな違うけど、われわれから見ると区別がつかないです。
スウェーデンは、みんなベリとかションが付きますねぇ。
よけいにわからない。
池屋の人も、本国の方は、みんなそんな名前ばかりで、しかも巨人です(笑)

投稿: yokochan | 2010年7月23日 (金) 23時42分

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