日伊声楽コンソルソ入賞者披露演奏会 イタリア・オペラ名曲アリア・コンサート
今年も聴いてきました。
46回を迎える日伊声楽コンソルソの受賞者コンサート。
100名を超える応募者から選ばれた上位3人の若い入賞者の皆さん。
1次2次の予選を経て本選には12人。さらに選ばれた入賞者たち。大変なことです。
日曜日の午後2時開演。
猛暑のなか、一番暑い時間帯。
出演者の皆さん、体調管理が大変だと思います。
と思いつつ、こちらは開演前にさっそく1杯
くぅ~、たまらんばい。
ヴェルディ 「シチリア島の夕べの祈り」序曲
「アッティラ」~「ローマの前で私の魂が」
Bs:三戸 大久(第3位)
レンカヴァッロ 「パリアッチ」~「ごめん下さい皆様方」
Br:今井 俊輔(第2位)
プッチーニ 3つのメヌエット~第1番
「トゥーランドット」~「この宮殿に何千年も昔・・」
ヴェルディ 「エルナーニ」~「エルナーニよ私を連れてって」
S:岡田 昌子(第1位)
・・・・休憩(白ワイン一杯フッフッフ)・・・・・・
ドニゼッティ 「アンナ・ボレーナ」~「あなた方は泣いているのですか」
プッチーニ 「トスカ」~「歌に生き、恋に生き」
チレーア 「アドリアーナ・ルクヴルール」第2幕間奏曲
〃 ~「私はいやしい神の僕です」
プッチーニ 「つばめ ラ・ロンディーヌ」~ドレッタの夢
ヴェルディ 「椿姫」~ 第1幕前奏曲
〃 ~ ヴィオレッタとジェルモンの二重唱
モリコーネ 「Se」(ニュー・シネマ・パラダイス「愛のテーマ」)
サルトリ&クヮラントット 「CON TE PARTIRO」(Time To Say Goodbye)
S:中丸 三千繪
Br:大島 幾雄
現田 茂夫 指揮 読売日本交響楽団
(2010.8.22@サントリーホール)
満員のホールの隅々まで、その若々しくハリのある声を響き渡らせ、聴く者すべての耳をそばだたせたのは、岡田昌子さん
トゥーランドット姫が、若くて無垢な恋したことないお嬢様だったことを、そのスピントする真っすぐストレートヴォイスで今さらながらに、わからせてくれた数分間。
彼女の圧倒的な声に、ワタクシ、クラヲタ人、すっかり魅せられてしまいましたよ。
おっかなくて冷酷なお姫様ばかりを観て聴いてきたトゥーランドット姫。
こういう活きのいい若い方によって歌われる必然も本来の劇の人物としてありというもの。
同様に、蝶々さんもそう。
トゥーランドットや蝶々さんが、劇中、女性として成長を遂げる姿を歌と演技を通して確認してゆくのも、プッチーニのオペラの楽しみ。
岡田さんは、このあたりもしっかり押さえて実力を発揮してゆかれることでしょう。
エルナーニのエルヴィーラのアリアにおいては、冴えわたる技巧と輝かしい高音を堪能させてくれた。
ほんと、素晴らしいんだから。
そんなに大きくない体からどうしてあんな声が出せるのかしら。容姿も可愛いし。
褒めすぎかもしれないけど、ダイヤモンドの原石を発見した感じですよ
後半は、中丸さんのリサイタル状態。
岡田さんの声が耳に残るなか、ベテラン中丸さん、最近お名前を見なかったものだからちょっと心配だった。
でも、予想以上の健在ぶりに安心。
というか、上にはまた上があるもので、岡田さんは、ストレートな若さが武器で眩しかったのだけれど、中丸さんの女優のような立居振舞、そしてその声による豊かな感情表現を前にしちゃうと、役者が違うといわざるを得ないんです。
ステージにあらわれただけで、がらりとホールの雰囲気が変わっちゃう。
全盛期の声ではなかったかもしれないが、ともかく巧いし聴いてて、彼女の歌にどんどん引き込まれてしまい、いつのまにかホロリとさせられてしまう。
おまけに、ワタクシのブログをご覧いただいているとおわかりのように、大好きな曲ばっかり。
トスカの心境を歌いこむソット・ボーチェの素晴らしさ、気品あるアドリアーナ、プッチーニらしい甘味なつばめ、思わず襟を正したくなる真正ベルカントを聴かせてくれたドニゼッティ。
大島さんの美声は相変わらずで、実に安心で心地よいジェルモン。
ふたりの二重唱は、まるでオペラの舞台を観てるかのような感興あふれるものでございました。
最後のモリコーネとTime to Say Goodbyeは、ちょっと付け足しみたいに感じた。
中丸さんは、ちょっと苦しそう。
でも満員の聴衆は、このふたつに大満足みたい。
むしろ、わたしは、このふたつでは、歌上手の現田ワールドが満載で、オケに耳が行ってましたよ。
現田さんの歌ものへの合わせの巧さは、毎度感心してしまう。
あれこれ言われようと、これは天性のものと思ってます。
指先のしなやかな動きや身のこなし、それらが音楽とそして歌手の歌と一体になっていて、そこから自然に特有のビューティフルな響きが生まれてくる・・・・と思いながら聴いておりました。
ヴェルディの序曲からしてしなやかで輝かしい。
パリアッチにおける泣き節や優美なプッチーニ。
そしてチレアのアドリアーナの間奏曲をコンサートで取り上げるなんて、普通あり得ないけれど、この短いオーケストラ間奏は、この美しい旋律がたっぷり詰まったオペラのダイジェストみたいな部分。夕映えのように儚くも美しい名演でした
話は前後してしまいましたが、バスの三戸さん、バリトンの今井さん、どちらも伸びやかな美声を聴かせてくれましたが、喉が全開になるまで、それぞれあと1曲ずつ歌わせてあげたかったかな・・・・。
若さという一度しかない強力な武器と、ベテランの味わいある人の心に響く歌い口。
どちらも、オペラを聴くという楽しみのひとつですね。
ベテランふたりの若い歌唱も、わたくしは、かつてしっかり聴いておりました。
中丸さんのデビューにあたる、小澤さんとの「エレクトラ」と若杉さんの指揮した、大島さんの「ヴォツェック」。ちなみに、鮫島有美子さんのデビューのデスデモーナも聴いてる。
かくして、私も古い聴き手のひとりなのですな。
こうして若い歌手たちが檜舞台にこぎ出してゆくのを見守るのもオペラファンの務め。
岡田昌子嬢を応援しましょう
アフターコンサートは、ご一緒した「(懲りずに)勝手に神奈川フィルを応援する会」幹事長と新橋に出て、居酒屋ライフ。
明るいうちから飲みまくり。
これは絶品「さんまの炙り」、肝醤油でいただきます
話題は尽きず、日曜にもかかわらず営業してた洒落たバーを発見しアイラモルトで乾杯。
お世話になりました。
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コメント
こんばんは。
暑くて上京する体力ありません。うらやましいです。中丸さんは、十数年前、子供のためのコンサートで廊下でアップライトピアノで、二十人ぐらいのために歌ってくださったのを記憶しています。かみさんと、仕事をキャンセルして、一緒に聴きました。なぜか心に残っています。
投稿: Mie | 2010年8月23日 (月) 21時15分
Mieさん、こんばんは。
暑いですねぇ~
溜池山王の駅からホールまで、汗だくの行軍でした。
しかし、コンサートは充実の2時間20分。
岡田さんの新鮮さ、中丸さんの円熟味、大いに堪能しました。
子供のためのコンサート、いいお話ですね。
華やかな経歴にもかかわらず、こうした心使いが豊かで、ユーモアも大変豊かな方ですね。
投稿: yokochan | 2010年8月23日 (月) 22時55分
白ワイン!フッフッフ^^休憩時間のワインって、なんかすごいウレシイですよね!
それにしても!!岡田 昌子嬢!カワイイんでないの。おじさん的には「どストライ==ク!」です。このコンサートのプログラムも「どストライク!」です。いまごろこんな名曲アルバムみたいなことをやってくれるコンサートってまだあるんですね。しかもバスからソプラノまで!田舎住みの私はただうらやましいだけです。
プレミアムビールに白ワインに日本酒に、美女にコンサートに!こらこら^^さまよえる様!酒池肉林の毎日を過ごしていますね^^
投稿: モナコ命 | 2010年8月24日 (火) 21時10分
モナコ命さん、こんばんは。
岡田嬢のお写真、きっとモナコ命さんが、釣られて出てくるだろうと思って載せました(笑)
カワユイうえに実力派でもありました。
で、名曲でも、ちょっとひねりが聴いてて聴きごたえ充分でしたし、ほろ酔い加減で聴くのがまた最高でした。
外来の高級オペラに諭吉数人を失うよりは、当夜の英世4人の方が、どれだけ楽しめたでしょうか(笑)
でもその分飲んでしまう訳ですが・・・・。
猛暑のなか、さわやかなコンサートにお酒でした!
投稿: yokochan | 2010年8月24日 (火) 21時37分
そうか!そうだったのか!
この岡田嬢の写真は私を呼び込むためのエサだったのか!
しかもまんまとエサにつられ!ああ!中年オヤジの悲しさ!
でも^^いいんです^^岡田嬢!
どストライ===ク!!!
いいんです^^今夜はさまよえる様に敬意を表してサントリーの「ザ・プレミアムビール」うーん!こりゃ!たまらん!岡田嬢の写真を見ながらの1杯は格別です。
投稿: モナコ命 | 2010年8月25日 (水) 21時59分
モナコ命さん、そうなんですよぅ~
えさにまんまと引っかかっていただきました(笑)
彼女の応援をしましょう。
もちろん、ビールはサントリーのあれで。
でも今日は、わたくし、発泡酒にホッピーというチープドリンクで済ませました・・・・。
投稿: yokochan | 2010年8月26日 (木) 00時09分
遅くなりすいません。
楽しいひとときありがとうございました。
こんなコンサートを楽しむのもコンサートへ行く楽しみですね。CDじゃ絶対聴けません。
岡田さんに今回はカウンターパンチを食らいましたが、中丸さんのテクニックにも幸せになりました。
そしてあとが現田さんですねぇ。
やっぱり彼はさすがと思います。
とにかくおいしいコンサート、溜池山王から灼熱のカラヤン広場を越えたかいがありました。
そしてもちろんその後のお酒も肴も、これがあるからやめられません。
本当にありがとうございます。
投稿: yurikamome122 | 2010年8月28日 (土) 11時31分
yurikamomeさん、こんばんは。
こちらこそ、楽しいひとときをありがとうございました。
次々に、素晴らしくも個性的な歌とオーケストラ曲が聴けて、最高の2時間半でした。
まるで、真夏の夢でした。
現田さんの天然ぶりをあらためて確認した次第でもありますし、新鮮な歌手にベテランの味。
あとのサラリーマンの町の居酒屋。
どれも本物をご一緒できまして楽しかったです。
ほんと、やめられませんね。
次回は、金さんドンキですねぇ・・・・・。
どうなりますやら。
投稿: yokochan | 2010年8月29日 (日) 00時10分