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2010年8月27日 (金)

マスカーニ グローリア・ミサ シモーネ指揮

Daiba

こちら、お台場ヴィーナス・フォート。

私のようなオヤジには縁のないところだけど、以前、仕事で近くまで行ったのでのぞいてみた。

青い空にヨーロッパの街並み。
噴水も美しい。
この空が時間によって色合いを変えてゆく。
イタリアの空って、こんなんかしら。

行ったことないけど。

Mascagni_messa_di_gloria

ピエトロ・マスカーニ(1863~1945)といえば、「カヴァレリア・ルスティカーナ」。
一般的には、完全にイコールの関係になってしまっているくらいに、オンリーワンの作曲家。しかも、オペラ好き以外は、その間奏曲だけ。

こちらもセットで出てくる、レオンカヴァッロと同じ運命。
でも、「友人フリッツ」や「イリス」が上演や録音に比較的恵まれているだけ、マスカーニの方に歩があるかもしれない。

でも二人とも、いろんな作品を残しているのだから聴かない手はない。
さまよえるクラヲタ人は、ヴェルディ以降のイタリア・オペラ作曲家を種々聴いてます。
これもレコード時代には考えらないくらい、マイナーレーベルから珍しい作品が手に入るがゆえにございます。

今日は、そんな中のひとつから、マスカーニの「グロリア・ミサ」を聴きます。

若い頃から早熟ぶりを示したマスカーニ。
プッチーニとレオンカヴァッロは、ライバルでもあり友人でもあった。
でも3人の中では一番若く、1863年生まれ。
レオンカヴァッロ1857年、プッチーニ1858年。
ところが、オペラでの本格的な成功は、マスカーニの「カヴァレリア」が一番早くて、1890年。
次いで、レオンカヴァッロの「パリアッチ」が1892年。
プッチーニが「ヴィリ」と「エドガール」はともかく、「マノン・レスコー」でブレイクするのは1893年。
このあたりの系譜が、とっても面白い。
ヴェルディの後継者として栄光に包まれたプッチーニが、いちばん嫉妬深く、ちょっとずるくて、取り巻きにも恵まれたのだけれど、ほかの二人はそうでもなく、結構お人よしで、立ち回りも下手だった。
おまけに、プッチーニは神経質なくらいに、台本の細かなところまでこだわり、劇と音楽の融合を完璧に図ったのに比べ、ほかのふたりは、ちょっとユルイくらいに呑気なところがある。
 マスカーニなんて、後年、指揮者としても活躍したものだから、ファシストに加盟してしまい演奏家としての地位を高めようとしてしまったくらい。
レオンカヴァッロも文才があったものだから、自分で作曲しないで、人に台本提供してお株を奪われてしまうことも多々。

でも、そうしたエピソードを知るにつれ、この方々の愛すべき音楽を聴く喜びがあるというもの。

16曲ものオペラのほか、オーケストラ曲に室内楽曲、歌曲を残したマスカーニ。
グロリア・ミサ」は、カヴァレリアに先んじること2年前、1888年の作品。
55分の大作でありまして、その編成が、テノールとバリトンのソロと合唱、オーケストラによるものとなっていて、かなりユニーク。
だからといって、男っぽいマッチョな雰囲気はまったくなくって、われわれが親しんでいる、カヴァレリアの間奏曲のように、美しく抒情的な歌心あふれる旋律に満ちあふれたミサ曲になっているんです。
甘過ぎて、ミサ曲という宗教曲に似つかわしくない、ともとれようが、そこはさすがに陽光あふれる歌の国、イタリアのミサ曲。
ともかく馴染みやすく、歌で人の心を優しく包んでくれる滋味に富んだ桂作。
 ちなみに、プッチーニの同名の曲も、男声ふたりのソロをともなう作品で、そちらは1880年の作曲・・・・。

冒頭のオーケストラ部分を聴くと、そう、これはまさにカヴァレリアの間奏曲の雰囲気。
そんな感じで、われわれが知ってるマスカーニの顔を随処に拝むことができます。
圧巻は、最後の方。
オーケストラによる間奏がありまして、ヴァイオリン・ソロが甘味かつ美しすぎる旋律を切々と歌います。
これ、もう、泣けます。完全にヴァイオリンによるオペラアリアみたいです。
 で、このあとに、おんなじ旋律を、今度はバリトンのソロがなぞるように歌うベネディクトゥス。
もうベタだけど、完璧にすぎて、涙も枯れてでない。けど、はまっちゃう。
そして、最後のアニュスデイでは、男二人のソロが、これまたオペラのクライマックスのように、朗々と歌いまくるのであります。

      T:ステファノ・セッコ  Br:コジモ・ディアーノ

    クラウディオ・シモーネ指揮 イ・ソリスティ・ヴェネティ 
                     テルツ少年合唱団(シュミット・ガーデン指揮)
                     サンクト・ペテルブルク室内合唱団
                         (2003.5 @Schio)

なにゆえ、サンクトペテルブルクの合唱で、テルツなんだろうか、不明なれど、いい雰囲気で明るく歌ってます。
シモーネもこういう曲が好きなんですね。
ヴェネチアの近くSchioという街の、サンフランチェスコ教会にての録音。
調べたら、ロシアのかの街と、関係がありそうだ。
で、この録音、教会の響きも美しいのですが、教会の外にさえずる鳥たちの鳴き声が聴こえるんです。
 まさに天国の調べでございました。

Schiochiesa  
教会の画像を拾いました。
こんな雰囲気で演奏したんですね。
この木々に小鳥がいるんですね。

マスカーニ関連の過去記事

「カヴァレリア・ルスティカーナ&パリアッチ ルイージ@新国」
「レオンカヴァッロ ラ・ボエーム」
「レオンカヴァッロ 五月の夜」
「プッチーニ グロリア・ミサ」

 

   

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コメント

イタリア有名作曲家の秘曲特集。好企画ですね。
こんばんは。私は職場夏の恒例行事のため、お台場に行ってました。そして、今、帰ってきたばかりです。
潮風公園でバーベキューでしたが、街中とは違い、ギラギラと照りつける太陽だったが、日が落ちると共に心地良い風に変わっていく。外国人が参加するのか、やはり、食べない種の肉があります。
しかし、ゆりかもめは運賃が高いのか、りんかい線の東京テレポート駅から歩かされるのはきつい。

投稿: eyes_1975 | 2010年8月27日 (金) 22時44分

eyes_1975さん、こんばんは。
イタリア特集、ネタが尽きそうですが、あと少し続きます。
有名曲も登場しますよ!

この時期の野外バーベキューは、気持ちよさそうですね。
食べない種の肉・・・・、食いしん坊のわたくし的には、極めて気になりますねぇ(笑)
いったい、なんだったのでしょう。
テレポート駅だと、湾岸首都高を横断しなくてはなりませんね。夏も冬もあのルートはキツイ!
大変でしたね。しかも風が強いから、女性は大変かもです。

投稿: yokochan | 2010年8月27日 (金) 23時58分

連投失礼いたします。ブログ主様の精力的な音楽鑑賞振りと更新の速さは驚くべきものがありますね。30代の若さの私でもついていけないことさえ珍しくありません。一発屋というイメージがどうしても先行してしまうマスカーニですが、不勉強な私は彼がミサ曲を書いていたことすら知りませんでした。
 私は今日読書ヲタが集まって議題の本について語り合う読書会に行ってきました。今月は若い世代に人気のある芥川賞作家・辻仁成の比較的読みやすい作品でしたが、来月は明治時代の学者内村鑑三の岩波文庫です。田夫野人の私に理解できますかどうか・・・

投稿: 越後のオックス | 2010年8月28日 (土) 00時47分

越後のオックスさん、こんばんは。
内村鑑三とはまた難解な・・・。
文学に最近疎いわたしには、無縁の世界かもです。
いけませんね、貴殿を見習わなくては・・・。

その分、わたしの余暇は、完全に音楽によって占められているのです。
暇さえあれば音楽聴いてるし、聴きながら記事にできるものはメモります。
そして、下書きを作るんです。
ときに、その日の気分で記事を起こしますが。
要は、ヒマ人なのですよ(笑)

投稿: yokochan | 2010年8月28日 (土) 23時58分

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