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2010年9月22日 (水)

フィンジ 「エクローグ」 ベビントン

Biei_3

そろそろ北海道では秋が急速にやってくる頃でしょう。
春とともに短い秋。
ドラマティックな季節の移り変わり。
かの大地にお住まいの道産子諸氏、お知り合いもたくさんいらっしゃるけれど、みなさんこうした四季をおおらかに楽しんでらっしゃる。
 テレビで見てると、ホワイトシチューや、いまやってる「金麦」のCMは、みんなこんな光景。
美瑛のひとコマですが、こうした風景も現地の方々は別に自然に受け止めてらっしゃるし、札幌では、都会的な生活に明け暮れているのも事実。
でも、北海道や東北の自然は、日本固有の大事なものですね。
某国による水資源をあてこんだ山の買い占めが横行しても打つ手なしの日本。
したたかさ、まるでなし。
国内の競争に疲弊しまくり、外には目が向かない国民性。

少なくとも、日本固有の文化や自然は、われわれがしっかり守りましょうよ。
英国病だなんて前時代的なことを言ってるおバカな政治家は無視して、同じ島国、英国を見習いましょう。

Finzi_ferguson_rawsthorne

フィンジ
(1901~1956)の名品「エクローグ」を、これまでこのブログではまともに取り上げたことがなかった。
何かのカップリングで、息をひそめるように、静かに佇んでいるような大人しい作品だから、それらメインのツマみたいに聴いていて、大好きだけど、ことさらに声をあげて誉めそやすこともしてこなかった。
だいたいに、フィンジの作品は、そんな風にみんなで聴きましょうよ、的な聴き方はまったく似合わなくって、一人静かに誰もいないところでそっと聴くような音楽なのですから・・・・。

ナイーブなフィンジの作風や人となりは、過去記事からフィンジ・タグをクリックしていただければ、わたしも拙く書かせていただいております。
当CDの解説によりますれば、作曲家ラッブラは、この作品を称して「乱れぬ落ち着き」としたそうでありまして、それは落ち着いた悲しみの抒情という意味でまったくその雰囲気を言い得ているものといえましょう。
当初、1929年、ピアノと弦楽のための協奏曲の2楽章として造られたものだが、1952年、全体が未完に終り、エクローグとして残された。
死後の1957年まで、出版されることも演奏されることもなかった・・・・。

もう何も言葉は多くをいりません。
間接的に何度も、この曲のことは書いてます。
繰り返します・・・涙なしには聴けない、どこまでも清純無垢の汚れない美しい音楽で、これを聴いて心動かされない人がいるだろか・・・・。

今回入手したのが2008年9月の新しい録音で、マーク・ベビントン(bebingtonこの読み方でいいのか?)の美しいピアノに、ホワード・ウィリアムス(知らない指揮者)指揮するところのバーミンガム市交響楽団のもの。
新しいくせに、録音がややデッドなのだけれど、フィンジのこの曲はどんな演奏、どんな録音でも、演奏する人々を神々しくしてしまうし、出てくる音にも一音一音、気持ちと魂がこもって感じる・・・・。

また言おう、私の葬式、いや、死にそうなとき、まだ意識のあるうちに、この曲を何度も繰り返しかけて欲しい。
ついでに、クラリネット協奏曲も。

フィンジの音楽の中では、素敵すぎる歌曲「ディエス・ナタリス」とも相通じる音楽。
youtubeなどでも聴けますから、まだ聴かずにいらっしゃる皆さん、どうぞ聴いてみてください。
そして心で、涙してください。

ちなみに、カップリングのファーガソンのピアノ協奏曲が、まるでフィンジの曲のような切ない美しさに満ちた曲です。
こちらはまたいずれ、別の演奏で取り上げる予定。

Shiokari

こちらは、塩狩峠
峠越えの緩やかな坂。
高潔な殉教があった場所。

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コメント

こんばんは。
フィンジは初心者なのですが、英国音楽好きにとってはいつかは通らなければならない道だと思っています。私のは以前こちらのブログでも取り上げていらっしゃったレーン盤で、ヴォーン・ウィリアムズやディーリアスの後にまさにひっそりと収録されています。
うん、一人で聴きたい曲ですね。わかります。
例えばドイツやフランスの音楽にもあるのでしょうか、私達が英国音楽に感じている「郷愁」のようなものを持つ曲が。
このような音楽を生み出す英国という土壌、英国人。
そしてその音楽が心の琴線に触れるわれわれ一部の日本人。音楽はボーダーレスといいますが、何か不思議な気がします。って大げさですかね。

投稿: Tod | 2010年9月23日 (木) 18時43分

Todさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
フィンジは、英国音楽を聴いたら必ず聴くべき作曲家でありましょうね。
エルガーやRVW、ディーリアスともまったく違う独自の世界を持ってます。
声高に広めたくありませんが、日本人には多くの共感を得そうだと思います。でも決して流行って欲しくないフィンジなんですね。

おっしゃるように、独仏の音楽は、もしかしたら我われ日本人にない憧れのヨーロッパ文明のような羨望と無条件の絶対性みたいなものを感じているかもしれません。
 英国音楽には、そうした感情は少なめです。
彼らがマイナーで、本格欧州音楽の本流になかったからかもしれませんし、音楽では長く欧州本土に遅れをとったという負い目もあると思います。
 島国で、内向きの日本には、そんな英国音楽がぴったりだと思うのは私だけでしょうか。。。

投稿: yokochan | 2010年9月23日 (木) 23時51分

初めまして!数年前から拝読させていただいております。
昨日、English Orchestra Songsの最後に収録されていたフィンジの歌曲集“Let us garlands bring ”を初めて聴き、
「こんなに共感できる音楽がまだあったのか」と、目から鱗の思い!
今朝、偶々拝読させていただいた貴ブログに、フィンジがエントリーされていましたので、書かせていただきました。
今後、彼の作品を聴くにあたって、過去記事も参考にさて頂きます。
これを機会に時々お邪魔させていただきますが、よろしくお願いいたします。

投稿: さすらい人 | 2010年9月24日 (金) 09時12分

さすらい人さま、こんばんは、はじめまして。
お読みいただき、恐縮かつ光栄に存じます!

フィンジの音楽は、歳とともに、年月とともに、わたくしに重きをなしつつあるものです。
言葉にしてはいけない、繊細・微妙な音楽ですが、昨今の殺伐たる世俗に対しても、一矢を投じるような、優しくも深い音楽に存じます。
今日も、フィンジ聴きました・・・・。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2010年9月25日 (土) 00時05分

はじめまして。
数年前からこっそりとこのブログを読ませていただいていたのですが,ここ数日のフィンジの文章にフィンジファンとして嬉しくなってしまいコメントを残させていただきました。

ここ数日の文章を読んで,私が初めてフィンジの音楽を聴いて感動した時の記憶が蘇ってきました。私にとってフィンジはイギリス音楽にのめり込むようになったきっかけの作曲家の一人ですし,「有名ではなくともこんなにも素晴らしい音楽はいっぱいあるんだ」と未知の作曲のCDを買い漁るようになったきっかけの一人でもあります(笑)

こちらのブログでは,イギリス音楽やマリナー等々,自分の趣味と合致する点も多いので今後もブログの更新を楽しみにしております。


投稿: ナインチェ | 2010年9月27日 (月) 15時44分

ナインチェさま、こんばんは。はじめまして。
コメントどうもありがとうございます。
こっそりお読みいただいてらっしゃった由、ちょっぴり恥ずかしいですが、感謝感激です!

フィンジを聴きだしたのは、そんなに古くはありませんが、ともかく心に素直に届く音楽で、いつも優しい気持ちになれます。
私にとって英国音楽の入口はディーリアスでしたが、もう35年以上の付き合いです。
当時はフィンジなんて、レコードがひとつもなく、英国音楽が数々楽しめるシャンドス、ハイペリオン、ナクソスほか、たくさんの良心的なレコード会社の存在がとても心強いです。
>有名ではなくともこんなにも素晴らしい音楽はいっぱいあるんだ<・・・、まったくおっしゃるとおりです。
だれもが知ってる・認める名曲もいいですが、そうではない隠れた作品を聴くことも堪えがたい歓びですよね。

時おりご期待に沿えるような秘曲を出しますので、またご覧いただければと存じます。
どうぞ、よろしくお願いします。

投稿: yokochan | 2010年9月27日 (月) 23時05分

この作品、良いですねぇ…。コープ、ドノホー、レーン、ケイティン、シェリーと色々と聞いてきております。
フィンジの歌曲への言及もあり、歌曲集「花輪を捧げよう(Let us garlands bring)」について書きましたのでTBさせていただきます。
ところで、山田和樹氏の指揮、横山幸雄のピアノ他のサントリー・ホールのコンサート(10/15)が迫って参りました。チケットは手配済みですので、細かなことはまた連絡いたします。yurikamomeさんが行けないとのことで、チケットが余って、今焦っているところです(笑)

投稿: Schweizer_Musik | 2010年9月28日 (火) 00時08分

先生こんにちは。
フィンジは作品数もそんなにありませんので、その音源を知らぬうちに大半揃えつつあります。
エクローグは、演奏のよしあしよりも曲の良さが引き立ちますね。ほんと、よい音楽です!
ご案内の歌曲は、演奏会でも聴きまして、思わず涙ぐんでしまったことがあります。
フィンジの本分は歌かもしれませんね。

15日のヤマカズさん、魅力的な演目なのですが、私の方はびわ湖トリスタンを目指して関西なんです。
あいすいませんです。

投稿: yokochan | 2010年9月28日 (火) 12時48分

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» フィンジの「花輪をささげよう」を聞く [鎌倉スイス日記]
作曲者 : FINZI, Gerald 1901-1956 英 曲名  : 花輪をささげよう Op.18 (シェークスピア詩) 演奏者 : プリン・ターフェル(br),マルコム・マルティノー(pf) CD番号 : Grammophon/POCG-1959フィンジという作曲家は、ロンドンで活躍することよりも、田舎での静かな生活を選び、大向こうを唸らせるような大作主義とは正反対の音楽家人生を歩んだ。 ただでさえ、イギリスの作曲家と言えば、パーセルの次にブリテンが来て、その間はブラームスの亜流に過... [続きを読む]

受信: 2010年9月28日 (火) 00時06分

» フィンジ作曲、エクローグ。ハワード・シェリーのピアノとヒコックス指揮、シティオブロンドンシンフォニア [yurikamomeの妄想的音楽鑑賞とお天気写真]
 大都市のビル群の彼方に広がる夕日はやっぱり美しくって、一つの終わりを感じさせながら、これから来る冬をそろそろ感じる今日この頃。  そんななか、いよいよ明日であります。  今日はフィンジ作曲、エクローグ。ハワード・シェリーのピアノとヒコックス指揮、シティオブロンドンシンフォニアで。  この人間的な音楽は、内に秘めた感情のほとばしりを静かに押し殺し、追憶とモノローグが美しいメロディーで流れてゆく。  そこに込められた美しく楽しかった思い出が、切なく思いおこされる残酷さと悲しさがヒタヒタと胸に迫... [続きを読む]

受信: 2011年11月 4日 (金) 17時53分

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