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2010年10月13日 (水)

ベルリーズ 幻想交響曲 サヴァリッシュ指揮

Shibashi_noyaki
新鮮なホルモンとハラミnote

新橋の一部立ち飲みの焼き鳥・ホルモンの店。
もちろん安くてうまいんだな、これが。
先日、仕事仲間とここで飲んでたら、隣におじさんサラリーマン二人が座りました。
わたしより、ちょっと年上で、新橋ならどこにでもいるオジサンって感じ(私も)。
しばらくして、賑やかな店の中から、彼らの会話の一部がちらほら聞こえてきましたよ。
そしたら、テンシュテットがどうのこうの、ベルティーニがどうだ、バーンスタインだとかの単語が聞こえるじゃないの。
想像するに、マーラーを語っているみたい。
でも、ちょっと古いのよね。そう、完全に私の世代っぽいマーラー受容歴を語ってる。
新橋のこんなコアな場所(となりは風俗よ!)で、テンシュテットなんて言葉を聞くなんて・・・・。アバドは?メータは?レヴァインは?と突っ込んでやりたかったけど。
念のため、知ってる人か顔覗いてみたけど、見知らぬオジサンでした(笑)。


Berlioz_sin_fantastica_sawallisch
月イチ幻想シリーズ
10月のベリリオーズ「幻想交響曲」は、サヴァリッシュスイス・ロマンド管弦楽団の非正規ライブ録音ですっ。
昨日は、このコンビによる唯一の正規盤の「わが祖国」を聴いたのだけれど、こんどはオーケストラの側に伝統があって、ドイツ一辺倒的なイメージがあったサヴァリッシュがオケの方に寄り添ったかのようなレパートリーなので、その内容はいかに。

67年にアンセルメ退任後、クレツキが3年間後をつとめ、70年から80年までがサヴァリッシュ時代。
その間、正規録音は、昨日のスメタナのみ(ほかにあったらご教示いただければと)。
そのサヴァリッシュがスイス・ロマンド管を引き連れて来日したのは、1976年のこと。
テレビとFMで放送され、エアチェックもしたわたくし。そのテープは残念ながらもうないけれど、曲目はよく覚えていて、それは「田園」&「幻想」の二本立て文化会館だったのであります。そして、たしかアンコールが「ラ・ヴァルス」だったような記憶もあります。
 もう毎年のようにN響に客演していたサヴァリッシュだけど、そのレパートリーは純正ドイツものばかりで、ドイツの正しい指揮者というイメージがしっかり植え付けられていた中で、スイス・ロマンドとの来日で「幻想交響曲」を取り上げたことに、新鮮な驚きを感じたのであった。
のちに、確か84年N響定期でも「幻想」を指揮していて、こちらはCDR化してあるものの、今回は探すのが大変なもので確認せずです。
その時は、ショスタコの5番とか珍しいレパートリーを披露していたので、円熟とともに、フランス、ロシアものも進んで手掛けるようになったサヴァリッシュ先生なのです。
歌劇場の総裁という重圧や多忙から解き放たれつつあったこともその要因かもです。

今日の演奏は、1973年、モントルーでの演奏で、まずまずのステレオ録音でして、鑑賞に支障はございませぬ。
慎重な出だしと、几帳面さに終始した1楽章だけど、主部の盛り上げかたや、旋律の美しい歌わせ方はやはり名手サヴァリッシュと思わせます。
2楽章のワルツは、インテンポで貫き通すものだから端正ではあるものの、優雅さはもちろん、面白みに欠ける。
3楽章では、録音のせいか、オケのせいか、なかなかに鄙びた雰囲気が出ていてまさに田園情緒を感じるのであります。
木管の音色は、あのアンセルメの時の録音のスイスロマンドとおんなじ。
フランス式の管楽器を使っていたのでしょうか。
断頭台行進は、これも録音のせいかおとなしめ。ラッパの拭き方も生真面目でありまして、これなら断頭台を踏み外すことなく、正確に昇り詰めることができるでしょう。
終楽章になると、いきなりアクセルを踏んでしまう先生。
あのお馴染みの鋭い眼光がキラリと光ってオケを煽ってゆくさまが目に浮かぶ。
でも、そこはサヴァリッシュ博士、基本冷静な中に、そうした情熱ギラリが顔を出す趣きなのでございます。
沈着な中に漂う熱気のうちに曲は堂々と閉じるのでございました。オシマイ。

Sawallisch
どう聴いてもサヴァリッシュの幻想交響曲。
わたくし、拍手も入れて、52分のシンフォニーを聴いた充足感に満たされております。
できれば、フィラデルフィアあたりで、ちゃんと録音して欲しかったサヴァリッシュの幻想でした。

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コメント

お久しぶりです。女性がたくさんいるブログに参加してきました^^浮気中です。サバリッシュですか。しかもスイスロマンドとかマニアですね。以前バイオリンのえらーい先生から「サバリッシュはこわいんだよー。1回N響の「英雄の生涯」の本番で止まっちゃって。その時のサバリッシュは本当に鬼の顔だった」と聞いたことがあります。そうか。学校の先生ってイメージだったけど、やっぱり恐いんだ。
サバリッシュと幻想、サバリッシュとスメタナ。私にはサバリッシュはこういう曲と結びつきにくい指揮者なのです。もっとドイツ的な重い感じの曲がぴったりってイメージです。ブラームスとかワグナー、ベートーベンとかリヒャルトシュトラウスとかです。スイスロマンドと競演は驚きです!さまよえる様、大発見ですね。

投稿: モナコ命 | 2010年10月15日 (金) 16時13分

モナコ命さん、こんばんは。
また浮気放浪中ですか、羨ましいですねぇーーー

サヴァリッシュは、先生と呼ぶにふさわしい厳格で折り目正しい指揮者でしたね。
でも本人は、ドイツもの以外にいろいろやりたかったんじゃないかと思います。
スイスロマンドにフィラデルフィアで、オペラから解放されて楽しかったのではないでしょうか。
 スイスロマンドとの共演は、残念ながら正規にはスメタナのみですが、放送音源等が今度復刻されることを望みます。
N響とのライブラリーもたくさんありますし。

投稿: yokochan | 2010年10月15日 (金) 23時43分

 サヴァリッシュとスイス・ロマンドの来日。私も行きました。曲目は覚えていませんが、場所は東京文化会館だったと思いますので、同じ日かもしれませんね。アンコールのラ・ヴァルスもなんとなく記憶が、ただこれはバーンスタイン・ニューヨークの来日と混同しているかもしれません。
 純ドイツの指揮者とフランス系のオケということで、なんとなく居心地が悪かったような記憶もあります。出待ちをして握手してもらったのは覚えています。
 いやはや34年前とは…。


投稿: コバプー | 2010年10月16日 (土) 08時45分

コバブーさん、こんにちは。
あの頃は、来日オケも日本津々浦々回ってました。
いまでは考えられないことですね。
しかも、プログラムの曲目の多さ。
今の短い演目を定着させたのは、カラヤンではないかと思ってます。
サヴァリュシュは、もっと後でこのスイスのオケの指揮者になった方がよかったかもしれません。
引退して久しいサヴァリッシュ先生、握手されたのは貴重な思い出ですね。
そして、歳日の経つのは速いものです。
あの頃のことはよく覚えてはいても、最近のことはどんどん忘れてしまう悲しい日々です(笑)

投稿: yokochan | 2010年10月17日 (日) 13時15分

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