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2010年11月14日 (日)

ラヴェル 「スペインの時」 プレヴィン指揮

Yoshimoto

北海道土産の定番「白い恋人」・・・・、じゃなくて、「面白い恋人」は、大阪新名物だそうなhappy01
先月、なんば周辺を散策中、吉本で見つけたもの。
「おもろい恋人」っていうことになるんだろうな。
いかにも大阪らしい。
関東人のわたくしには、恥ずかしッくって買えませんわ(笑)

Ravel_espagnole_previn

アンドレ・プレヴィンの特集。
本日は、オペラ行きます。
オペラといっても1時間に満たない軽い喜劇タッチのラヴェルの作品。
「スペインの時」は、情熱的で気まぐれなスペイン女を描いたオペラで、それこそ「おもろい恋人」にこじつけたくなる、ちょっと笑える作品なんです。

  コンセプシオン(時計屋の妻):キンバリー・バーバー
  トルケマダ(時計屋)      :ジョルジュ・ゴーティエ
  ラミーロ(ろば曳き)       :カート・オルマン
  ドン・イニーゴ・ゴメス(銀行家):デイヴィッド・ウィルソン・ジョンソン
  ゴンザルヴ(学生)       :ジョン・マーク・エインズリー

      アンドレ・プレヴィン指揮  ロンドン交響楽団
                 (1997.6@ロンドン・アビーロードスタジオ)

18世紀スペインのトレド市にある時計屋さんトルケマダの店。
そこに、ろば曳きラミーロがやってきて、闘牛士の叔父から譲り受けた家宝の時計を直して欲しいと持ちこむ。郵便物を運ぶのに困るんだと。
そこへ、時計屋の妻コンセプシオンが、週一回の市役所の時計合わせに出かけなくていいのか?と急かしにくるので、時計屋は大慌てで出てゆく。
残されたラミーロは、女性とふたりっきりなんて苦手で困り果てる。
一方で、コンセプシオンは、この男をどうにかしないと・・・と焦りまくる。
そう、週一度の浮気の時をむかえていたんです。
 そこで、一計。夫に前からねだっていた置き時計を、2階に運んでと、ラミーロにお願いし、彼も、そこから離れられればと、喜んで応じ軽々と持ち上げて行く。
そこへ若い学生ゴンザルヴがやって来て詩を一句歌う。彼は詩人気どりなのだ。
ところが、ラミーロが上から降りてきてしまうので、気が変わったから
、もう一つの時計を上げてもらいたいので、さっきの時計をもう一度降ろして、と頼む。
そのすきに、いまある時計にゴンザルヴは隠れてしまう。


ところがそこに、いま一人、銀行家イニーゴがしたり顔でやって来る。
このオジサンも、コンセプシオンの火遊びの相手のひとり。
彼女が、若い学生の入った時計を担ぐラミーロと一緒に2階へあがってしまうと、イニーゴは、お茶目なところを見せてやろうということで、時計の中にやっとこさ忍びこむ。
降りてきたラミーロは、素敵な奥さんだ、などと言っているが、その奥さんに、また時計を降ろしてと言われ、喜んで応じる。
イニーゴは、クックッゥーと鳥の鳴き真似でコンセプシオンをからかい、そして言い寄るが、またそこに、ラミーロが。今度は、イニーゴ入りの時計を易々と担いで上がってゆく。
いい加減、その力持ちに感心しだした奥さまなのでありました。

ゴンザルヴが出て来て甘い詩を口ずさみながら言い寄るが、もうそんなまどろっこしい男に辟易としてきたコンセプシオンは出て行ってくれと、言い放つが、ラミーロが降りてくるので、また隠れる。。。
で、ラミーロはコンセプシオンの顔を見るなりに、頼まれてもないのにもう一度2階から時計を降ろしに上がってゆく。
 こうして、男が隠れた時計がふたつ。
さて、今度は、どちらの時計を?とラミーロ。
コンセプシオンは、「あなた一人でいらして」とふたりして2階へあがってゆく・・・・。

若い学生は、時計から抜け出して帰ろうとするが、時計屋トルケマダが帰ってくるので、もう一方の時計に入ろうとすると、中から「入ってます」との声が(笑)
銀行家は出ようとするが、お腹がつっかえて出れない。
大慌ての二人は冷静さを繕うものの、客に大喜びのトルケマダに、そのふたつの時計をまんまと買わされてしまう。

降りてきた妻も手伝って、みんなで銀行家を時計から出そうとするがうまくいかない。
でも、ろば曳きラミーロが、ひょいと出してしまうのが笑えます。
「毎朝、私の窓を下をロバを曳いて通ってね」と妻。
「それでは、毎朝、こいつに時間を教えてください」と時計屋。

最後は、全員そろって「本当の恋人は、役に立つ一人だけ」と歌って楽しく幕となります。


ちょっと長くなりましたが、時計の上げ下げが何度もあって、それらがキモになっているので、詳細になりました。
こんな愉快でマヌケなドラマに、ラヴェルが付けた音楽は、それこそ精密な機械時計のようで巧緻でセンスがよく、洒落ている。
ドビュッシーのペレアスのように、語りのようなレシタティーボのような歌で成り立っているが、人物たちにライトモティーフを与えて、それぞれの特徴が風刺的に描かれているし、みんな短いながらも、アリア風の歌いどころもあるのがニクイところ。
おフランス語の語感の美しさも麗しく聴くことができます。

管弦楽曲を聴くのと同じような感覚で楽しめる、ステキなラヴェルのオペラであります。

ラヴェルのオペラは、ともに短い「子供と魔法」とともにこちらの2作品のみ。
1911年初演の「スペインの時」が、コメディ・ミュージカル。
1925年初演の「子供と魔法」が、ファンタジー・リリックとされる。
どちらも、歌詞対訳がないと厳しいかもしれない。

プレヴィンのラヴェルは、オーケストラ曲では重心がちょっと低めで重く感じる場合もあるが、声楽付きのオペラ作品においては、実に雄弁で、ラヴェルのスコアが透けて見えるような精妙さ加減である。
冒頭の優美で緩やかな時計の合唱と呼ばれる前奏曲からして素晴らしい。
全曲にわたって、ロンドン響の透明感ある音色とともに、柔和でかつ、親しみにあふれ、微に入り細に入り聴かせ上手でもあるオーケストラ演奏なのでありました。

歌手たちは、みなさんうまいもんですね。
それぞれのキャラクターをしっかり歌いだしてますよ。

Previn_3
作品的にさらに好きな「子供と魔法」をまだ取り上げていなかったので、プレヴィンの演奏でいずれまた取り上げましょう。

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コメント

ラヴェルの曲は、中学のとき、定番?の「ボレロ」を聴いて以来、とても好きです。オペラをCDで聴いたことがありませんけど、LD時代に「スペインの時」「子どもと魔法」を鑑賞。楽しいしゃれたオペラでした。「スペインの時」は小澤オペラプロジェクト(2003年)を東京文化会館で。ほんとにおもしろかったです。新国でもあったのですが同時期だったからか行きませんでした。再演があったら行ってみたいです。

投稿: edc | 2010年11月15日 (月) 07時17分

euridiceさん、こんばんは。
わたしもラヴェルは大好きなんです。

「子供」の方は、わたしは、小澤さんのセミステージ形式・映像付きでかなり昔に観ました。

スペインの方は、上演だと、人間入りの時計を、どう持ち運ぶか興味深々です(笑)
いずれにしても面白かったでしょうね。
観たいオペラの上位にあります!
そして新国でもあったのは知りませんでした。

ラヴェルのオペラは短いだけに、何と組み合わせるかも興味ありますね!

投稿: yokochan | 2010年11月15日 (月) 22時39分

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