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2010年12月 8日 (水)

フィンジ チェロ協奏曲 ウォールフィッシュ

Sunset_11m

ある日の夕方、自宅から見たお空は、こんなんなってました。
ちょっと秋っぽいけれど、今日のように寒くて乾燥して、空気が澄んでくると雲ひとつない美しい夕映えが拝めるようになるんだ。

夕焼けウォッチャーとしては、これからも楽しみ。

Finzi_leighaton_cello_con

昨日は、朋友ファーガソンの感動的な声楽曲を聴きました。
そして、今宵は、お友達の片方のジェラルド・フィンジ(1901~1956)の最晩年の大作、チェロ協奏曲を聴きます。

フィンジは繰り返し記事にしてます。
若くして多くの別離に遭遇したフィンジ。
それでも自身の思いを、作品は少ないながらも、こうして音楽としてしっかり刻むということで、残してくれた。
破棄された作品も多いとはいえ、フィンジの作品が、いまあるわたくしたちに、どんなにか、慰めと癒し、そして希望を与えてくれているだろうか。

悲しいとき、嫌なことがあったときなど、フィンジの音楽はそっと傍に寄り添ってくれて、いつしか心の襞をうめてくれる。
楽しいとき、うれしいときも、一緒になって、とても気持ちを豊かにしてくれる。
それが、わたしにとってのフィンジの音楽です。

チェロ協奏曲は、フィンジがずっと書こうとして、心にとめていたジャンルの音楽で、かつ、いくつかはしたためていたという。
自己批判精神の高いフィンジは、かなりの作品を破棄してしまっているから、あといくつかのチェロ協奏曲があったかもしれない。。
バルビローリの勧めに応じて、完成させたのが39分に及ぶこちらの大作。
1955年に完成し、同年7月、チェルトナム音楽祭で、C・ビューティンの独奏、バルビローリとハルレ管によって初演された。
このときすでに、フィンジは不治の病に冒されていて、翌年55歳で亡くなってしまう。

3つの楽章のうち、1と2の楽章で30分あまり。
そのふたつの大きな楽章の素晴らしさと、終楽章の舞曲風な明るい楽しさの対比が、妙に心に残る。

シリアスで、自在なスタイルで作曲することの多かったフィンジが、協奏曲の王道にのっとり揺るぎないソナタ形式で書いた第1楽章。
ラプソデックであり、かつヒロイックなチェロ独奏は、思いのたけを思い切りぶちまけているようで熱く、それを受けてオーケストラも孤独の色濃く壮絶。
辛いけれど、聴きごたえ充分で、大河ドラマの主題歌のようにドラマテックな音楽に驚く。

でも第2楽章は、あの優しくシャイなフィンジが帰ってきて、静かに微笑んでくれます。
このいつまでも、ずっとずっと浸っていたい音楽はいったいどのように形容したらよろしいのでしょうか。
冒頭、オーケストラによって、この楽章の主要旋律が、どこか懐かしい雰囲気で静かに奏でられる。
あまりの美しさに、手をとめて、目をとじて、じっと聴いていたい。
今日のいやなこと、昨日の悲しいこと、明日ある辛いこと・・・、そんなことは、もういいよ、といわんばかりにフィンジの音楽が包みこんでくれます。
チェロも、オーケストラの各楽器も、感じ入りながら演奏しているのが手に取るようにわかる。奏者も聴き手も、そんな優しい気持ちにしてしまうフィンジならではの楽章です。
楽章の終りに、メイン主題がチェロによって静かに繰り返され、オーケストラがピアニシモで儚くそれに応え、静かに終わります。泣きそうになってしまいます。

そして、チェロの上昇するピチカートで開始される舞曲風の第3楽章。
明るいけれど、2楽章と違った意味で、どこか懐かしい。
ふたつの楽章からすると軽めだけど、クラリネット協奏曲の終楽章と相通じる飛翔するような音楽。
洒落たエンディングが待ち受けております。

英国音楽のチェロ作品に必須のウォールフィッシュの気品あふれた艶やかな音色。
ハンドレーロイヤル・リヴァプールフィルの素晴らしい演奏。

このチェロ協奏曲は、エルガーのように人気はないけれど、多くの方に、静かに楽しんでいただきたいものです。

Sunset_11m2

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コメント

ご無沙汰しております。
英国音楽好きはフィンジは避けて通れないと以前コメントいただきました。
そうです、私は手に入れました。チェロ協奏曲。始まってすぐのドラの一発に驚きながらも何度も聴きました。ほんとはカプリングのクラリネット協奏曲をまず聴こうと思ったのです。そうです、あのLyrita盤です。
時々無性に聴きたくなるフィンジです(軽度?の依存症)。

投稿: Tod | 2010年12月 8日 (水) 23時45分

Todさん、こんばんは。
Lyrita盤は、あの今や高名なチェリストの若き日の録音ですね。
音楽とジャケットの乖離がはなはだしいですが、一度聴いてみたいと思ってます。
ともかく、いい曲ですね。

そう、フィンジ依存症。いいではないですか(笑)
わたくしも、英国音楽がそうですし、ディーリアスを聴いて、フィンジを聴いて・・・と、次々にはまっていきました。
しかし、本妻ワーグナーから急遽呼びだされることもあるんです(笑)

投稿: yokochan | 2010年12月 9日 (木) 01時21分

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