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2010年12月20日 (月)

ワーグナー 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 ワルベルク指揮

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体を斜めにするか、パソコンか携帯を斜めにしてご覧ください。

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横浜ランドマークの恒例クリスタルツリー。
しかし、今年はスワロフスキー製が復活したそうなのです。
去年も一昨年も観てるけど覚えてないところが悲しい。
高い天井にこだまする音楽がステキなのでした。

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今日のワーグナーは、お馴染みだったハインツ・ワルベルクの指揮する「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。
非正規盤で、抜粋盤。
しかし抜粋といっても、劇場での上演のハイライト盤なので、歌にコーラス付き、全3幕4時間あまりの聴きどころがうまく抽出されたものであります。

N響に何度もやってきてくれたワルベルク(1923~2004)。
見るからに普通のオジサン指揮者然としていて、いかにも人のよさそうな方でしたね。
それにゆえに、際立った個性は弱めで、同時期にN響で活躍したほかのドイツ系指揮者が名誉指揮者の称号をえていたのに、ワルベルクは無冠のまま世を去ってしまった。

この指揮者も古きよきドイツ・カペルマイスターの伝統にのっとり、小さなオペラ劇場からたたき上げでステップ・アップしていった。
ドイツ西部の生まれながら、ウィーンとの関係も深く、トーンキューンストラ管とは長い付き合いだったし、ウィーン響ともそう。同団とは日本にもやってきてます。
あと長かったのが、ミュンヘン放送管で、こちらとのオペラ録音はたくさんありますね。

今回の演奏は、ワルベルクの最終ポストのエッセン劇場のもので、その座付きオケであるエッセン・フィルハーモニーを指揮したものである。
このエッセンこそ、ノルトライン=ウェストファーレン洲にある街で、ワルベルクが生まれたハムという場所も近い。
商業の盛んな、買い物の街みたい。
そこにある市立劇場が常設オペラハウスで、サイトを調べたら、なかなかの充実ぶりで、この12月は「ルイザ・ミラー」や「清教徒」を上演しているし、ビデオも視聴できて、そこには「リング」や「ルル」もあったりして、それぞれにいかにもドイツ風な先鋭舞台なんだ。

そして、こうしたレアな地方劇場の音源を聴いてしまうと、ドイツの地方都市、しいては音楽・舞台芸術に対する底の深さを感じてしまう。

前奏曲~教会での合唱~ポーグナーのモノローグ~ザックスの「にわとこの花」~ベックメッサーのおどおどモノローグ~3幕前奏曲~ザックスの「みんな迷いだ」~エヴァのザックスへの感謝~5重唱曲~ザックスを称える市民の合唱~ワルター「朝はばら色に輝き」~「親方たちを蔑んではならぬ」終幕。

1988年9月25日の上演。

マイスタージンガーの全貌を1時間で確認できる見事なチョイス。
それぞれに、フェイドアウトしてしまうが、時間がないとき、こんな聴き方も悪くない。
長大な本編なので、エヴァちゃんやワルターが最後の方になってようやく出てくる始末だがやむをえないとして、この音源はトラック割りがなくって、全部連続。これは困ったもんだ。
 しかも、歌手の名前が明記されてなくって、何者かわからずに聴かざるを得ないのが、さらに困ったもんだ。

まずはっきりいえるのは、ワルベルク指揮するエッセンのオケの雰囲気ゆたかな音色。
それは暖かく、そしてキビキビした小気味のよいもので、てきぱきと物事は運び、気持ちがよい。劇場指揮者としての優れた手練れは、舞台の様子を掌握し、ひと時もだれることなく、聴衆に劇と音楽を楽しませる術を心得ている。
そんな有様が、この1時間音源でありありとわかるのだ。
まさに職人芸。
すごくはないけれど、このオペラテックな雰囲気には捨てがたい歓びを感じる。
聴衆の熱狂ぶりもうれしい。

N響ドイツ系指揮者たちの「マイスタージンガー」が期せずして手元にそろった。
サヴァリッシュ(バイエルンとの放送音源=FDとコロ、EMIのCD)、スウィトナー(日本公演)、シュタイン(バイロイトの映像、放送音源)。

歌手たちは、デコボコあります。
立派なのはしっかりもの風のエヴァちゃんと、父親ポーグナー。
声に威力はあるけれど、平板で音程がだんご状態のワルター氏。
古めかしく、少しへたったザックス氏。
顔が見えないから、評価は厳しいっす。

でも劇場で観たら、絶対にいいんだろうな。
ドイツにいたら、そこそこの都市ならば、こうした水準のまずまずの上演が始終楽しめる訳です。
しかし、いまや東京もそれ以上の音楽都市になった訳でもあります。

ワルベルクの音源。いまは少ないけれど、晩年のN響とのものは充実してたから音源化が望まれるし、コンサートホールには、なかなかいいものがありましたよ。
ワーグナーの「リング」管弦楽曲、ブルックナーの4、8、9、テ・デウム、J・シュトラウス作品集・・・・などなど。

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ワーグナーのミニシリーズ終了。

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コメント

ハインツワルベルグ。私の印象は「卓越した指揮職人」というところです。ワルベルグの演奏で一番好きなのが「アルルの女」「カルメン組曲」です。同じ曲を7種類(私としてはすごく頑張った方です)比較した中で優れています。カラヤンもデュトワも他のエライ指揮者の演奏も「なんだかなー(阿藤快ふうに)」と思っている方にはお勧めです。(同様にスイトナー/ベルリン歌劇場管弦楽団の「新世界」)まあ、その優れ方が「飛び抜けて」いるわけではないので、どちらも目立たない指揮者なのですが。
以前、N響がボレロを演奏したとき、オケもソリストものびのびと本領を発揮していました。ワルベルグの本質だと思います。
ワルベルグの演奏は一言で言えば正当派、逆にいえばあんまりおもしろみがないのかも。。。でも繰り返し作品を味わうには一番の演奏です。先の「アルルの女」もテンポのゆれ、ダイナミックスいずれも自然で「がんばっていない」感が伝わってきます。さまよえる様ご紹介の「マイスター」も大変興味です。ご指摘のようにワルベルクは正規盤が少ないのがファンとしては悲しいところです。

投稿: モナコ命 | 2010年12月22日 (水) 21時06分

モナコ命さん、こんばんは。
>「卓越した指揮職人」<
まさにそうですね。
全然悪くはないけれど、際立ったものがない。でも安心感がたっぷりある。
そんな指揮者でしたね。
ビゼーときましたか!
その音源は知りませんでした。EMIに「イタリア」もありましたね。
スウィトナーの新世界といい、ジミに目立たない演奏は、わたしも好きですね。
褒めそやされちゃうと、かえって醒めてしまいます。
隠れたるワルベルク音源。もっと出てくると良いですね。

投稿: yokochan | 2010年12月22日 (水) 23時05分

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