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2010年12月 9日 (木)

ファーラー オーケストラ作品集 ミッチェル指揮

Ginza4st

銀座4丁目の交差点を望む。
先週の夕空。
ひとり活動の時は、自由に歩き回り、写真を撮りまくるのであります。
誰か一緒いると極めてやりにくい、ネタ集め。

銀座は、この時期キラキラしてますよ。
懐はさびしいけれど、こうして美しい写真が撮れたりすると、嬉しくなります。

Ginza4st_2

銀座で買い物なんて、もってのほか。。。。
某国の人がバスで乗り付けて跋扈してます。
でも、彼らもユニクロで並んでたりすると妙にうれしいですな。

Farrar

今日も、フィンジ(1901~1956)がらみの音楽を。
アーネスト・ファーラー(1885~1918)の名前は、フィンジ・ファンならばご存じかもしれません。
音楽一家だったフィンジが、父を9歳にして失くし、第一次大戦の影響もあって、疎開した先がハロゲイト。
そこで知り合ったのが、作曲家・音楽家のファーラーで、当時教会オルガニストだった。
音楽一家のもとで、手ほどきを受けていたとはいえ、音楽の本格勉強は、ファーラーに出会ってからで、和声法やピアノを習ったという。
この時、フィンジは13歳で、1914年のこと。
それから約4年間、ファーラーを亡くなった父や、さらに相次いで亡くなった兄たちと重ね合わせて、師として慕い勉学に励んだフィンジ。
 そのファーラーも、大戦に出兵することとなり、1918年9月にフランスの前線に召喚され、そのわずか2週間後に戦死してしまうこととなる。
父・兄弟・師を失った18歳の多感なフィンジでありました。

その師、ファーラーも思えば34年という短い戦争に散った薄幸な生涯であります。

思えば、ふたつの世界大戦は、音楽家にいろいろな運命を与えた。
第一次は、このように死に直結してしまう音楽家。
第二次は、迫害から逃れるゆえに、忘れられ不遇に陥った音楽家。

ファーラーの音源は、ほとんどないに等しい。
シャンドスのこの1枚と、歌曲少し。あとナクソスにはあるのでしょうか。

もったいないことです。
どれだけの作品があるかも私には不明ですが、オーケストラ作品と歌曲、オルガン曲あたりに絞られるようです。

このほとんど唯一といっていいオーケストラ作品を集めた1枚を聴いて思うのは、わたしたちが、日頃接し思う、英国音楽の特徴を完璧なまでにしっかりと踏襲し、イメージとしてそれを感じとることができること。
澄みきった和音に、爽やかな響き、哀愁と悲哀、ペーソスとコメディ、田園情緒と民謡・・・。

    1.ラプソディ第1番「The Open Road」

   2.ピアノとオーケストラのための変奏曲

   3.「見捨てられた人魚」

   4.「英雄的哀歌」

   5.「英国の田園風景の印象」

          P:ハワード・シェリー

     アラスデアー・ミッシェル指揮フィルハーモニア管弦楽団
                       (1996.11@ロンドン)


これらの作品は、いずれも英国音楽を愛する人ならば、その心の提琴にふれる桂作ばかりです。
なかでも、わたしが気にいったのは、「英国田園インプレッション」で、これは3つの作品からなる組曲。
①春の朝、②ブリードンの丘、③丘を越えて、はるか遠くに・・・・・。
イギリスの朝もやのような中から、いかにも英国民謡風の調べが響きだす①。
極めて詩的で、静的。繊細極まりない②は、ケルト風な雰囲気もただよい、後のアイアランドやバックスを思わせる素晴らしいもの。
③は明るくて、先輩パリーの音楽を思わせるような快活なもの。でも充分に詩的です。

「英雄的哀歌」は、ほぼ最後の作品のようで、哀愁でまくり。
しかし、トロンボーンで歌われるアジャンクールの歌が高貴なる死を予見させるようで、淡々と、そしてひしひしと、死が迫ってくるようなヒロイックな音楽なんです。
なんともいえない悲壮感がただよっていて、エルガーが自国に歌ったシンフォニーの緩徐楽章みたいに聴こえる。

悲壮感と哀感ただようといえば、「見捨てられた人魚」という27分におよぶ幻想的な交響詩も素晴らしい。
詳細はまだ掴みきれてませんが、浜辺で悲しむ男人魚とその子供の嘆きみたいな内容のようです。
ここには、わたくしは、ワーグナーやシュトラウス、そして人魚といえばツェムリンスキー、初期シェーンベルク、あと忘れてならないはディーリアス、さらにスークなどをも思い起こすのでした。
実は、この曲が、このCDの中で一番気になる。
英語解説もまだ把握できてないし、しかもそれは、いつも酔ってるから難しいのだけれど、音楽を聴いてて、もっともピピッときたのは実はこれ。
先にあげたわたしのフェイヴァリット作曲家たちの延長線上にある音楽。
このあたりは、また機会をあらためて探究してみたいです。

こうして聴いてみると、ファーラーはゆるぎないいかにも英国的な作曲家という作風を持ちつつも、世紀末をまたいだ作曲家として、島国英国から、ドイツ・オーストリアをも見こしていたのではないかと思う。
あんなに若くして亡くならなければ、ファーラーは一体、どんな作曲家になっていたことでありましょう。
そして、フィンジの音楽も・・・・。

こうした自国音楽を着々と掘り起こし、録音していったシャンドスレーベルは、いまさらながらに素晴らしい存在です。

「フィンジとその仲間たち・・・」、そんな歌曲集のCDがハイペリオンから出てますが、そちらはまたの機会にして、今週はフィンジの朋友と師の作品を取り上げてみました。

  

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コメント

こんにちは。
ファーラーは初めて聞く名前でした。
いけませんなぁ。こうして次々と紹介されるもんだから、オペラも聴かなきゃ、シュレーカーやツェムリンスキーも聴きたいと思っていても、その前にコレでしょうとつい英国音楽に走ってしまいます(と、人のせいにしています)。
安心して任せられる、ハンドリーやヒコックスの跡継ぎが早く育ってほしいですね。

投稿: Tod | 2010年12月10日 (金) 15時39分

Todさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
フィンジと、フィンジにまつわる作曲家を特集してみました。
世紀末と英国田園情緒。うまく結びついた、ナイスな作曲家でした。

それにしても、申し訳ありませ~ん。
次から次に。
反省してます(笑)
今日はこれ、明日はこれ、といった具合に次ぎつぎに聴きたい曲を体系的に取り上げてます。
次週の特集も、もう決めてます(笑)

しかし、ハンドレーとヒコックス、そしてB・トムソンの抜けた穴は大きいですね。
後継ぎの登場、わたしも心待ちにしております!

投稿: yokochan | 2010年12月10日 (金) 21時56分

yokochanさん、こんばんは~。

今夜は、こちらの方にお邪魔します。E.ファーラー、初めて聞く作曲家です。フィンジのお師匠さんですか?ご紹介のCDでは僕も、「見捨てられた人魚」と言う曲、聞いてみたいですね。何か、大好きなツェムリンスキーの交響詩「人魚姫」を彷彿とさせます。

それから、おっしゃる通り~ハンドリーとヒコックス&B.トムソンの抜けた穴は大きい!B.トムソン指揮のヴォーン・ウィリアムズ交響曲全集は、僕の愛聴盤でございます。

それにしても、yokochanさんのおっしゃる通り、シャンドス・レーベルは凄い!誇りを持って、英国楽界の隠れた作曲家を掘り起こし、CDという形で世に送り出しているのだから~。僕も、このレーベルのCDで初めて、F.ブリッジやJ.アイアランドなどの作品を耳にしました。

最後に、やはり戦争は酷い!ファーラーさんのみならず、小生のまた鐘愛して止まない~J.バターワースの命も奪ったのだから~……。

投稿: Warlock Field | 2011年11月18日 (金) 21時18分

Warlock Fieldさん、こんにちは。
ずいぶんと前から持っていたこのCDですが、のちにフィンジにのめり込むようになって、あらためてファーラーの音楽の魅力に気が付きました次第です。

そして2度の戦争に次第によっては、音楽シーンはまxったく違っていたものになっていたでしょうね。

わたしもシャンドスレーベル、そしてあとハイペリオンのは、本当にお世話になりました。
最近ではナクソスですね。
亡くなった3人の英人指揮者たちもしかりです。
ファーラーとファーガソン、フィンジゆかりの作曲家たちの音楽は、フィンジに負けじおとらず、素敵なものでした!

投稿: yokochan | 2011年11月19日 (土) 13時02分

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