グリーグ 交響曲 ミッケルセン指揮
千歳アウトレットモール「Rela」です。
空港のそばのアウトレットで、規模は日本最大級。
シネコンもできるみたい。
樹木の具合や雪で、ヨーロッパっぽいです。
最近は、出張がめっきり途絶え、うずうずしてます。
時おり過去の写真を棚卸しては懐かしんでるんです。
そんな思い出にひたったり、そして北国の風物に思いを寄せたりするのにぴったりの曲。
グリーグの交響曲を聴きましょう。
グリーグ(1843~1907)の唯一の交響曲ハ短調。
この交響曲は、グリーグ自身によって演奏禁止の封印を押されてしまったという件は、諸所書かれております。
わたしのような古めのリスナーには、グリーグの交響曲は、その辞書にはなく、ある日忽然と登場した幻級のシンフォニーなのだ。
1981年に蘇演され、ほどなく録音もされ、当時のロンドンレーベルから発売され、購入せずともFMで放送されたものを録音して何度か聴いたけれども、どうも印象が薄く、ドイツロマン派の流れを組んだ中途半端な交響曲との印象で終わっていた。
80年代初めに、もうそれで自分では終了していたこの交響曲。
で、ちゃんとした音源で買ってみたのが一昨年。
ヤンソンスも活躍していた録音優秀なSIMAXレーベルのものを発見し、そしてフィヨルドが、わたしの好きな夕焼けにそまっているジャケットなものだから。
何度も聴きました。
そして、やはり、これはグリーグでしかありえない音楽だと実感。
ロマン派と後期ロマン派の狭間にあった時代に、ノルウェーという民族主義に根差した独特な流儀を貫いたグリーグならではのサウンドが随処に聴きとれるじゃありませぬか。
きっちりした4楽章形式と生真面目な構成に、やや堅苦しい旋律運びがドイツ風と思わせる。
でも、何度も繰り返される1楽章の第2主題は、まるでラフマニノフを思わせる憂愁の旋律で、これを中心に進められ、とても気持ちのよい楽章。
第2楽章の白夜のようなロマンあふれる佇まいはとてもいい。
3楽章のリズミカルなところは、ノルウェーの哀愁に満ちた舞曲みたい。
終楽章が、実はいまひとつのところがあって、いっちょう盛り上げたろ、的な感じが先走って竜頭蛇尾に終わった感がなきにしもあらず。
でも、どこをとってもグリーグな気がするのは、そう思って聴くからかしら。
1864年の作品。
マーラーは、まだ4歳。
ワーグナーは、リングの半ば、トリスタンとマイスタージンガーの間くらい。
ブラームスは第1交響曲ですらまだ生み出していないお悩み中の時期。
この作品の立ち位置がおわかりいただけますか。
なにもしらない人に、ブラインド視聴してもらいたいです。
ミッケルセンという指揮者は、ノルウェー出身の中堅で、北欧・東欧を中心にかなり活躍していてCDもお国ものふくめてかなり多い。
伸びやかで、きっぱりとした中に抒情性に富んだ歌いまわし。
かの地の音楽のスペシャリストといった感じ。
オーケストラは、リトアニア国立交響楽団。
とてもうまくて機能性も充分ながら、管などが少し鄙びた雰囲気なところがいいじゃないですか。
バルト三国のひとつリトアニアの首都、ヴィリニュスの聖ヨハネ教会での録音はとても響きがよろしくて雰囲気でまくり。
バルト三国は、長く大国に翻弄されたが、ソ連崩壊、独立後は、ヨーロッパの一国として、世界情勢的には北欧とされている。
地勢的な位置では、ノルウェーと全然違うけれども、大国や列強に悩まされた経緯と民族主義の勃興という意味においては同じ。
ヴィリニュスの街の画像を拾いました。
なんだか、とても清々しい雰囲気の街じゃありませんか。
今週は、北欧特集です。
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