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2011年1月 5日 (水)

ベートーヴェン 交響曲第5番 ベーム指揮

Hamamatsucho_2

以前紹介しました浜松町駅の小便小僧さん。
クリスマス・バージョンから、新年バージョンに暮れのうちに衣替え。

Hamamatsucho_1

ラビット・コスプレ
それにしても勢いがエエですなぁ

Beethoven_sym5_bohm

本日の名曲は、ユルすぎの写真とは、あまりに似合わない曲。

しかし、脱兎のごとく機敏なK・クライバーと同じオーケストラを指揮しながら、じっくりとした歩みでもって聴かせてしまったベームの指揮は、古今東西、もっとも有名なこの交響曲演奏の中では一番ゆったり聴こえるかも。

べートーヴェン交響曲第5番
いわゆる「運命」という曲を、カール・ベーム指揮のウィーン・フィルハーモニーの演奏で。

この曲をベームで、という場合、今では晩年に日本にやってきたときのライブの方が「ライブで燃えるベーム」の特質がありありとしていて一般的かもしれない。
ベルリンフィルとはモノラル録音があるが、そちらは未聴。

そして、名曲となると、昔話ばかりで恐縮ですが、私には、ベームのべートーヴェンは、70年代のDGへの全集録音なのです。
ことに第5と第9は、全集に先駆けて、70年4月に録音され、超速攻でその年の暮れにはもう日本発売されたはず。
DG、当時は日本グラモフォンから、ウィーンフィルが出てくるのも初めてだったし、カラヤンばかりでお馴染みだったグラモフォンの黄色いジャケットが、ウィーンのムジークフェラインだったから、これまた新鮮だった。
さらに驚きは、「運命」というと、「未完成」がつきものだった(そう思い込んでいた)当時、これ1曲でレコードのA・B面を使用するという超贅沢さと、不条理感。
しかも、第9はこれまた驚きの2枚組。

いやはや懐かしい思い出でございます。

若い人に昔話を語るに似たブログ記事になってしもうたわい。

それでも演奏時間は35分。
繰り返しなし、決して遅くはないタイムだが、とてもゆっくりに感じる。
それは縦のピシッと決まったリズム感というよりは、横へ横へ広がるようなスケール感というか伸びしろが大きいゆえかもしれない。
ライブだと、これに思いもよらぬ自在さと、驚きの迫力が加わるのだが、スタジオ録音だとまとまりのよさとガッシリ感が優先する。

70年代のウィーンフィルらしいまろやかな音色に、まだ鄙びた感じの残る管楽器の響きも魅力だし、デッカのゾフィエンザールのリアル録音と異なり、丸みを帯びた音響と豊かな残響を捉えたDG録音も素晴らしい。DGはまだムジークフェラインを使っていなかった。
1楽章はどちらかというとおおらかで、音の伸ばし具合も眺め。
2楽章の味わいとミステリアスなまでの深淵さが沁みる。
4楽章突入の巨大なフォルテに、じっくり進むクライマックスも久々に聴くと以外や熱いもんです。

ベームの第5?、なんて言わないで、若い人に聴いてもらいたい大人の第5でございます。
欲を言えば、60年代半ばくらいに録音して欲しかったかも。

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コメント

ベームの「運命」とは懐かしいですね。
来日公演のチケット、徹夜で並んだのを思い出しました。
当時はネットなんかなかったので、みんなプレイガイドに徹夜で並んだものです。それだけ聴く方も気合いが入っていました。
実際の演奏もベームは気合いは入りまくりで、燃えに燃えていました。ライブのベームは凄かった。

遅れましたが、ことしもよろしくお願いいたします。

投稿: コバブー | 2011年1月 6日 (木) 07時32分

>新年バージョン
ありがとうございます!
ほんとにまめにお着替えするんですね!

投稿: edc | 2011年1月 6日 (木) 09時53分

この運命はビックリしましたです。ダ・ダ・ダ・ダ~~~~ン、ダ・ダ・ダ・ダ~~~~~~~~ン。と出てきたときに前につんのめりそうになったのを覚えています。
そしてウィーン・フィルはこの頃が一番ヴィヴラートが派手だったんじゃないでしょうか。もうヴィヴラートというよりコブシ。それもセクションがトゥッティの末席に至るまで全部それがあっている。
ベームの凄まじさを感じました。

投稿: yurikamome122 | 2011年1月 6日 (木) 15時41分

コバブーさん、こんばんは。
こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします。

ベームは結局、一度も生で聴くことができませんでした。
75年の来日では、NHK招聘でしたので、往復はがきによる抽選に見事にもれ、ムーティの日本デビューのみを聴くことができました。
その後は、民間の招聘でしたから、おっしゃるような徹夜行列となったわけですね。
いまのネット社会からすると嘘みたいな気合いの入り具合でした。
ベームは、日本人がもっとも好んだ指揮者の一人でしたね。

投稿: yokochan | 2011年1月 6日 (木) 22時56分

euridiceさん、こんばんは。
続報しました。
調べたら、毎月有志が26日にお着替えを準備するんだそうです。
次も楽しみですね!

投稿: yokochan | 2011年1月 6日 (木) 22時58分

yurikamomeさん、こんばんは。
たしかに、ダ・ダ・ダ・ダ~~~~ン、ダ・ダ・ダ・ダ~~~~~~~~ンしてます(笑)
国際化・標準化してしまったいまのウィーンフィルに比べると、地方色というか、独特の訛りがあった頃ですね。

ベームは、もうひとつ、ベルリンとも全集を残して欲しかったです。

投稿: yokochan | 2011年1月 6日 (木) 23時04分

ジャケットはLPのものでしょうか。
LPサイズだと見ごたえあるんでしょうね~。CDは手に取ったときのインパクトやありがたみが少ない。。。のはしょうがないでしょうけど。
【クリムゾン・キングの宮殿】のジャケにぶったまげてたムカシが懐かしい。。。すんません脱線です(^^;。

ベームのベトベンは未聴(汗)。聴きたいです。自分に相性いいんじゃないか?と予想してます。

投稿: 左党 | 2011年1月 8日 (土) 23時27分

左党さん、どうもです。
これはオリジナルのレコードジャケットです。
でも当時は買えなかったので、70年のその時のレコ芸の表紙です。
無念ながら、オリジナルジャケットを持っていない故ですが、レコードは大きくて、インテリアとしても使えました。
大事なクラシック系は絶対にそうせずに、ポピュラー系のものはよく壁に飾りました。
キンクリもそうです(笑)
あと、レコードジャケットを立てるスタンドを持ってまして、視聴中はスピーカーの上に飾っておりました。

ベームのベートーヴェン、きっと左党さんに合いますよ!

投稿: yokochan | 2011年1月 9日 (日) 00時16分

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