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2011年1月14日 (金)

ブリテン 管弦楽曲集 マリナー指揮

Hiratsuka

湘南海岸の夕暮れ。
遠くは伊豆半島。
儚い雰囲気です。

Marriner_britten

今日は、フェイヴァリット指揮者、サー・ネヴィル・マリナー行きます。
しかも、英国音楽の中でも、上位に好きなベンジャミン・ブリテンの作品。
マリナーで、ブリテンというと、シンプル・シンフォニーや変奏曲、室内楽的声楽曲ばかりだけれども、「シンフォニア・ダ・レクイエム」と並んで、唯一のフル・オーケストラとのレコーディングがこちら。

 ブリテン  「青少年のための音楽入門」

        「ピーター・グライムズ」
            4つの海の間奏曲

        「善意の人々」

   サー・ネヴィル・マリナー指揮 ミネソタ管弦楽団
                        (1983.5@ミネアポリス)


マリナーのアカデミー以外のポストは、これまでのところ、ロサンゼルス室内管弦楽団、ミネソタ管弦楽団、シュトゥットガルト放送管弦楽団があげられるのみ。
現役最高老(86歳)の指揮者のひとりで、おそらく録音音源数上位、最広範のレパートリー、という数々の勲章を抱えている。
にもかかわらず、つねに謙虚で変わらず、若々しさとユーモアを兼ね備えた名匠。
それこそが、サー・ネヴィルなのだ。

ポストには恵まれない、というか、オケからは愛されるのに、本人が意に介さずのところもあって、いつも正指揮者の華やかな影に甘んじ、しずかにオケをまとめあげているタイプ。
 部長以上の実力を持ちながら、一課長として、課員からは信頼と愛情を集めつつも、いいところは、部下や部長さんに持ってかれてるタイプ。
見る人は見て、しっかり評価してるけど、その人も、人前じゃ、声高には褒めない。
でもいつも、しっかり拝見してて大いに安心感を抱きつつ、評価をやまない存在。

どの社会にもいますよね。
みなさまのまわりや、社内にもいますよね。

異論はあろうかと存じつつ、こんなサー・ネヴィルが、わたしは等身大的に大好きなんです。
ブログをやるまでは、黙っていたけれど、こうして情報発進できるいま、、このようにして何度もサー・ネヴィルを褒め称えてしまうんですよ。

アカデミーのマリナーが、アメリカのフルオーケストラの指揮者になったときは驚きだった。
1979~86年が、その任期で、前任はスクロヴァチェスキ、後任がデ・ワールト。
これだけでもすごいでしょ。
ストコフスキやワリター、オーマンディ、ミトプー、ドラティとゆかりのあるオーケストラで、マリナー後もワールトに、われらが大植に、ヴァンスカ。
いずれも、オーケストラビルダー的な指揮者ばかり。
実務的な面もあるマリナーもその中の布陣と捉えられるかもしれない。

こちらのブリテンは、フルオケによる有名曲を集めつつも、華やかにならずに、つつましくも、実にエレガントに、そしてブリリアントに響くのであります。
「青少年」は、おもしろ・わかりやすい演奏というよりも、渋い名作的に18分間が連続した交響詩のようで、達者なソロたちも、その中で機能している感じを受ける。
N響にかつて来演したときの音源はかねてより聴いていたが、それに加えて、映像も先ごろ放送され、若いハツラツたるマリナーの指揮ぶりが味わえてうれしかったけれども、これはまったくすばらしく熱い演奏だった。
演奏終了と同時に、マリナーは、オケに親指をたてて、ナイスのサインを送っていたものだ。
対するこの音源も素敵ななもので、終結部の拍子の錯綜が、ひとつにまとまってゆくさまは、鮮やかというほかはない。

わたしの、チョー大好きな「ピーターグライムズ」の音楽は、もう何度も何度も聴いて、その都度、その演奏がよく感じるものだから、八方美人的な受け止め方になってしまっているけれども、壮絶なクールさななかに抒情を感じ、英国絵画をめでるに等しい様相。
疲れたがごとくの味わいと、寂寞感を味わえるピーターグライムズなんだ。
こちらは、別音源として、ベルリン放送響とのものも持ってます。

クリスマス・キャロルが巧みに配された「善意の人々」は聴きやすく、フレンドリーな音楽で、これはまた、マリナーにぴったりなのでした。

Hiratsuka2

右手に大磯の湘南平、奥には箱根の山々。
砂浜には、わんこの足跡に、その飼い主様。

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