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2011年1月 1日 (土)

リスト ピアノ協奏曲第1番 アルゲリッチ&アバド

2011_fuji

年が始まりました。

本年も皆さま、よろしくお願いいたします。

大晦日夕刻、近所のヨーカドーに行ったらすごい人出。
でも売ってるものは正月用の食材ばかり山となしていて、普通の売り場と違っちゃってる。
でも今度はヤオコーに行ったら、正月と普段が混在。
メガドンキ(ドンキの総合スーパー業態)に行ったら普段通り+少しの正月。

いまのご時世、どのやり方がいいのでしょう。
大きな組織は大きく売るから小さな舵が取れないもの。
今年は政治の世界も、生活感を重視した政策を打ち出して欲しいもんです。

さまよえるクラヲタ人は、大局におもねることなく、自分の好きな音楽を今年も聴きます。
でも、美人や美音にはからきし弱いときたもんだ。
こちらは、ミーハーに走りますよ。

Abbado_chopin

今年は、リスト(1811~1886)の生誕200年。
生誕200年が、次々とやってきます。
私の年代では、ベートーヴェンあたりから始まって、ロマン派を徐々に経てやってきます。
あと2年後には、1813年生まれ、1883年没のワーグナーの年となるのだから、それまで健全でいたいもの。
そして、その時は、わたしも浮かれて大変なことになりそう。

そのワーグナーの義父がリスト。
ほぼ同い年なのに、こういう関係になってしまった。
ハンス・フォン・ビューローに嫁いだリストの娘コジマといい仲になり、お互い再婚してしまったワーグナー。
ビューローとの娘もいたが、ワーグナーとコジマから生まれた子供たちが、現在のバイロイトに君臨するワーグナー家となっているわけだから、お互いが強い血で結ばれたことを、ワーグナーファンは感謝しなくてはなりませんね。

でも、親父リストからしたらどうだったろうか。
ワーグナーの才能を早くから見抜きバックアップしていったフランツ・リスト。
「ローエングリン」の初演まで指揮してるわけで、ワーグナーを前提としてしまうと、立役者的な存在として影にまわってしまう。

交響詩の父であり、幾多の独創的なピアノ音楽を残したリスト。
一時期、そのピアノ作品に夢中になり、ブレンデル、ケフェレック、クリダなど、かなりのレコードを揃えたけれど、CD時代はソナタくらいしか買い直していない。
義息子との関係や、ほかの作品など、今年、解き明かしてみたいものです。

1年のスタートに、1番のピアノ協奏曲を。
交響詩のようなピアノ協奏曲といっていいかも。
4つの楽章に分かれているが、お互いに関連をもった形式で、中間のトライアングルの活躍は、古今のクラシック音楽で随一。
クラシック聴き始めのころは、今回のレコードのこともあって、散々聴いていたが、その後醒めてしまい、どうもしっくりこない曲に思え、演奏会でもあんまり取り上げられないのではないかと、ちょっとマイナー扱いしていたのでした。

で、その1枚が、マルタ・アルゲリッチのピアノ、クラウディオ・アバド指揮のロンドン交響楽のもので、1968年の録音。
このレコードを手にしたのは、まだ中学生だった。
最初はおもにショパンばかり。
でもリストの面白さに気付き、両方均等に聴くようになった。
いまなら、全然普通だし、幻想味豊かで、技巧と抒情の兼ね合いがとてもいい感じに思えるようになった。
 そして、アルゲリットとアバド、ラテン系の血をもった若い二人がぶつかり合うさまと、精妙な歌心。もう二度と生まれない情熱のかたまりの二人の若い演奏。
DG初登場だったロンドン響もうまいもので、アバドの指揮に必死に食らいついてます。
最後は、ソロも指揮者もオケも熱くなってます。
いい演奏です。

それでは、今年も皆さまにとってよい年になりますように。

これまた例年どおり、実家に帰りますので、しばしお休みを。

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コメント

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。今年はリスト・イヤーですね。マーラーの没後100年でもあります。でもマーラーは超人気作曲家ですから毎年○周年企画をやっているような気がします(笑)。リストの未知の名曲に光が当たって欲しいものです。ちなみにクリダのリスト作品集はhmvから発売延期メールが来てしまいました(涙)。
 ブログ主様の今年の初クラシックはリストのコンチェルト1番、それもアルゲリッチ&アバドの問答無用的な名盤ですか!私もCDで持っています。
 私事ですが私の初クラシックはケント・ナガノ指揮のパルシファルのDVDでした。演奏は全く申し分の無い素晴らしいものでしたが、演出に少し抵抗を感じました。ホームレスのような衣装のアンフォルタスや子供向け特撮ヒーロー番組の悪の帝王のような衣装や髪型のクリングゾル、それに灰色一色で興廃した未来世界のような舞台・・・レヴァインのDVDのような(シェンク演出)オーソドックスな演出で観たかったです。でも演奏は私お気に入りのケーゲルのCDなみに良かったです。

 今年もお元気で素晴らしい文章と写真をお作りになってくださいね。新年早々長文を失礼いたしました。

投稿: 越後のオックス | 2011年1月 1日 (土) 12時18分

新年あけましておめでとうございます♪  今年も早速、ご挨拶いただきありがとうございました。  ちょっと遅ればせながらお邪魔させていただきました。

昨年から「クラシック音楽関係のエントリー」はすっかりなりを潜め、もっぱら「読書感想文エントリー」ばかりのサイトとなってしまった KiKi のLothlórienですが、今後ともよろしくお願いいたします♪

アルゲリッチ & アバドのリストで年明けですかぁ。  これはKiKiも何度も聴いた懐かしい名盤ですね。  それにしてもこのジャケット写真の2人、わっ、若~いぃ!!  こういう演奏家のこの時代の演奏を聴いてきた我々の世代」って、ひょっとしたらものすご~く贅沢な時間を過ごしてきたのかもしれませんね(笑)

投稿: KiKi | 2011年1月 1日 (土) 13時46分

あけましておめでとうございます。
そうですねリストは生誕200年ですね。
あまりCD自体リストの曲は持っていないんですが、ピアノのコンサートへ行くとかなりの率でリストが入ってますね。
マーラーと並んでリストも意識して聴こうと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

投稿: ピースうさぎ | 2011年1月 1日 (土) 15時26分

yokochanさま 
明けましておめでとうございます
今年も宜しくお願いいたします

いつも愉しくて、しかもためになる記事を書かれていて、本当にいつも愉しみにしております。

今年はリストイヤーなんですね
最近は「ファウスト交響曲」にはまっていますよ〜

良いお正月を〜
(=^・ェ・^=))ノ彡

投稿: rudolf2006 | 2011年1月 1日 (土) 16時24分

新年おめでとうございます。
いよいよ2011年が始まりましたね。
素晴らしい一年になりますように。
今年は、リストのメモリアルイヤーですね。それからマーラーも2年連続ですし、あとニーノ・ロータやアレンスキーも確か記念の年だと思います。
私もロマン派大好き人間なので、とても楽しみにしています。
また、是非コンサートをご一緒しましょう。
今年もよろしくお願いいたします。

投稿: romani | 2011年1月 1日 (土) 18時05分

新年、あけましておめでとうございます。
リストの「ピアノ協奏曲第1番」アルゲリッチ、アバドは勿論、愛聴しています。後、コチシュ、I.フィッシャー、ブダペスト祝管というバージンなもの。ブレンデル、ハイティンク、ロンドン・フィルなんかもカッコイイ。若き日のチェルカスキーがワルベルク、バンベルク響なんかもハンガリーに近いサウンドを出している。チェルカスキーがグランド・マナーという名の通り、品格が表れています。
今、「ニュー・イヤー・コンサート」を見ているところ。今年のプログラム曲となる「メフィスト・ワルツ」始めは「ワルツ」というタイトルで何てふざけた曲だと思ったが、オーケストラ版は「魔法使いの弟子」のノリですね。ハイティンクもいいが、カラヤンの方にスケルツォの要素が巧みに出ています。
帰省中のyokochanさんと違っていることを書いてしまいましたが、今年もよろしくお願い致します。

投稿: eyes_1975 | 2011年1月 1日 (土) 19時46分

あらためまして、あけましておめでとうございます。
今年はリストですね。
リストも実は好きな作曲家なのですが、マーラーが重くのしかかっておりまして、あ、いやいや。
今年も神奈川フィル、一緒に応援していきましょう。
まずは渋谷のあそこに出撃ですね。
またご連絡致します。
本年も何卒よろしくお願い致します。

投稿: yurikamome122 | 2011年1月 2日 (日) 11時33分

明けましておめでとうございます!

2011年はリストですか~。あまり聴いたことがないですね。
作曲者イヤーともなると演奏会や関連CDが多くなるので、ミーハーだとは思いますがしっかり乗らせていただくつもりです(^^)

今年もよろしくお願いいたします。

投稿: syllable | 2011年1月 2日 (日) 22時02分

越後のオックスさん、あけましておめでとうございます。
ことしのメジャー作曲家は、マーラーにリストですね。
リストは意外となじみが薄いですから、声楽作品などを中心に聴いてみたいです。
とりあえず、ミサ曲を入手しまして聴き始めました。

レーンホフは、近未来SFタッチが多いですから、メトの伝統演出とは対極にありますね。
わたしも、DVDで持ってますが、演出よりも指揮者と豪華な配役にひかれます。

ことしもよろしくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2011年1月 3日 (月) 10時28分

kikiさん、あけましておめでとうございます。
音楽エントリーは少なめでも、kikiさんの読書量とロハス生活は羨望の的でございます。
ことしは、是非とも見習います!

このジャケットは、ほんと懐かしいんです。
豪華見開きで、ずしりと重い。
レコード1枚1枚を、慈しむように大切に聴いていた時代です。
我ながら懐かしく、いまの大量消費的な聴き方を反省しなくてはなりません・・・・。
確かに贅沢な時代かもしれませんね。

ことしもよろしくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2011年1月 3日 (月) 10時35分

ピースうさぎさん、あけましておめでとうございます。

そういえば、うさぎさんの年でもありますね!

マーラーとリストは、どちらもワーグナーを軸につながりがありそうに思います。
わたしも、そんな風にことしは聴いてみたいと思っております。

本年もよろしくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2011年1月 3日 (月) 10時38分

rudolfさん、あけましておめでとうございます。

アホな記事と稚拙な文章でことしもがんばります。
rudolfさんの連日更新こそ、頭がさがります。
リスト記事も楽しみにしております。

ファウスト交響曲はバーンスタインしか持っていないのですが、ダンテとともに、いろいろ出ていますね。
演奏会でも聴いてみたい曲のひとつです。

ことしもよろしくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2011年1月 3日 (月) 10時42分

romaniさん、あけましておめでとうございます。
ことしの記念作曲家は、ちょっと地味なので、マーラーとリストだけが突出してますが、アレンスキーはちょっと注目ですね。
そして、ニノ・ロータとはまた知りませんでした。
クラシカルな曲も書いているのでしょうか。
そのあたりも聴いてみたい2011年です。

こちらこそ、よいコンサートにご一緒できましたら本望です。
本年もよろしくお願いいたします。さん、あけましておめでとうございます。

投稿: yokochan | 2011年1月 3日 (月) 10時46分

eyes_1975さん、あけましておめでとうございます。
この曲は、たまに聴きと、やたらとかっこよくて爽快になれます。
わたしは、あと、ベルマンとジュリーニを持ってるくらいですが、チェルカスキーとワルベルクのものは、その存在すら知りませんでした。
よさそうですね!

ことしのニューイヤーは、生真面目なW・メストの指揮ぶりがなかなかスッキリ快速で、よかったと思います。
まさかリストをやるとは思わなかったし(笑)

ことしもよろしくお願いいたします。さん、あけましておめでとうございます。

投稿: yokochan | 2011年1月 3日 (月) 10時55分

yurikamomeさん、あけましておめでとうございます。
マーラーは汲めどもつきず、ことにyurikamomeさんのライブラリーには目を見張っております!

リストはワーグナーにも並ぶくらいに自分の世界をもってますから、強烈ですが、ことしはいろいろ聴きたいと思ってます。
神奈フィルにはリストがありませんでしたね。

渋谷の突撃はぜひにも。
それと遠大にすぎる計画も徐々に(笑)

本年もよろしくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2011年1月 3日 (月) 11時16分

syllableさん、あけましておめでとうございます。

リスト・イヤーですが、肝心の神奈川フィルにリストの演目はのってませんね。
そう。マーラーだらけですから。
「前奏曲」くらいはやって欲しかったかも、です。

あと少しの神奈川フィルかもしれませんが、中部支部開設(笑)がありますので、引き続き、本年もよろしくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2011年1月 3日 (月) 11時20分

お身内にご不幸があったyokochanさんでしたので、新年のご挨拶は控えさせていただきます。
かわりに
寒中お見舞い申し上げます。
今年は、新国立劇場の新年早々の「トリスタン」と2010/11のシーズン残りの2演目と、「トロヴァトーレ」以外、オペラは基本的にお休みです。かわりに1911年作曲の「グレの歌」、神奈川フィルのマーラー 第7、第9で上京する予定です。ただし、これ以外の“目玉”があるとどうなることやら・・・。
yokochanさんの今年のblog記事、楽しみにしております。それと、身体も身のうち。肝臓を大切にしましょう。

投稿: IANIS | 2011年1月 3日 (月) 12時07分

IANISさん、こんばんは。
ご丁寧なる配慮ありがとうございます。
喪中というわけではないのですが、親しい伯父ふたりでしたので、こたえた半年でした。

オペラ関連状況はお休みとのこと。
大方のオペラを見つくしたというところですね。
グレは、絶対に押さえておかなくてはなりますんね。
あとは、神奈川フィル!お待ちしております。

正月の飲み食いで、相当に肉体が疲弊してます。
御忠告、大いに身にしみます。
お互い、気をつけましょう。
本年もよろしくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2011年1月 4日 (火) 21時54分

あけましておめでとうございます。
遅ればせながら新年のご挨拶に参りましたm(__)m

新年一発目はリストの協奏曲できましたか。
さすがの渋い選曲です。

自分などは曲自体の100周年ということで最初のネタは「グレの歌」を狙っていたりしますが、どうなりますか。

コチラの記事を拝読しまして、リストも面白そうだなぁ~、と思って「ファウスト交響曲」に浮気中です(^_^;)


ところで、バーナード・ハーマンとホヴァネスも100周年みたいですね。

投稿: ライト | 2011年1月 4日 (火) 22時41分

ライトさん、こんばんは。
本年もよろしくお願いいたします。

そうですね、「グレの歌」100年なんですよね。
まだ聴いてない音源がひとつあって、わたしもその機会をうかがっております。
ライトさんの記事も楽しみにしてます。
ファウスト交響曲もエエですなぁ。。

欲張りにどんどんいろんなの聴きたくなりますよね。
時間との戦いです(笑)
ハーマンとホヴァーネスときましたか。
いずれにしても、今年は地味ですな。

投稿: yokochan | 2011年1月 5日 (水) 00時50分

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受信: 2011年1月 2日 (日) 12時03分

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