R・シュトラウス 家庭交響曲 サヴァリッシュ指揮
少し前、ビーフシチューを作りましたよ。
暇とお金の余裕があれば、赤ワイン煮込み風にじっくりと作ると堪らないのですが・・・。
その下地で使ったおんなじワインを飲みながら、フランスパンなどをかじりながら、いただくと、もう、最高の幸せが味わえるんですよ。
小ぶりな玉ねぎを、そのまんま入れましてね、これがまた甘くて最高なんざますよ。
冬ならではの野菜のおいしさも味わいます。
だから、今日みたいに、暖かくなっちゃうと、ちょっと残念というか、焦りを感じてしまうんですな、これが。
もう一品。
カレー鍋をやってみた翌日。
ちなみに、そのカレー鍋。
スーパーで、そのもとを買ってきて、野菜と肉を突っ込んで煮るだけ。
そうとう、うまいですよ。
で、余った具材とスープに、翌日さらに、キャベツの芯の方のところや葱の切れはし。
要は、冷蔵庫にあった野菜の残りを投入して、冷やゴハン(いつも余りを平たくしてラップで保存しときます)を入れてさっと、煮込みます。
仕上げに、粉チーズをまぶして、カレーリゾット(カレー雑炊)となるんです。
冬だけでなく、年中食べたくなるナイスなお味でございますよ。
いずれもいまや家庭料理ですな。
今日は、R・シュストラウスの「家庭交響曲」を。
シュトラウス(1864~1949)の39歳の作品で、すなわち1903年。
若いけれども、今人気の、大方の管弦楽作品をすでに書き尽してしまっていた。
オペラでは、2作目の「火の欠乏」を書き終えたところで、次作オペラは1905年の「サロメ」となるところ。
年代にこだわったのは、世紀末であり、紀の変わり目にR・シュトラウスがどんな作品を書いていたかということ。
聖響&神奈川フィルのマーラーチクルスに魅せられています。
毎月、ヨコハマでマーラーが、番号順に美音で聴けるのであります。
集中して聴くということは、マーラー漬けになるとともに、その時代、そう世紀末の様相にもい目がいくことになります。
マーラー(1860~1911)の51年という短い生涯における交響曲作曲の時期というのは、案外に短い。
1番(1888/28歳)、2番・3番(1896/36歳)、
4番(1900/40歳)、5番(1902年/42歳)、6番(1904年/44歳)
7番(1905年/45歳)、8番(1906年/46歳)、
大地の歌(1908年/48歳)、
9番(1909年/49歳)、10番(1911年)
28歳から50歳まで。
しかも、2番以降を見た場合、36歳から50歳までの14年間に9つの完成された交響曲を書いたわけだ。
しかも、この間、マーラーは指揮者としてオペラにコンサートに、ポストを持ちつつ、欧米の主力で活動していたわけで、モーツァルトのオペラから、当時の現代作品までを取り上げていたのだから、実にスゴイことじゃないですか。
そんな、マーラーの創作年代と、瞬間的に同時代作品を、しばらく特集して聴いてみようと思った。
いまだ興奮冷めやらぬ第5交響曲が響き渡ったのが1902年。
ちなみに、日本は、明治35年ですよ。
この年生まれた音楽は、たくさんあります。
日本では、滝廉太郎の唱歌や山田耕作の活動時期。
そして、明日、「サロメ」を観劇することで、真っ先に選んだR・シュトラウスには、1902~3年の作品として、「家庭交響曲」があったのでした。
マーラーとシュトラウス。直接的なイメージは捉えにくいのだけれども、指揮者マーラーは、シュトラウス作品を積極的に取り上げ、大いに評価していた。
この時分は、豊穣で、屈託なく明るいシュトラウスサウンドが満載。
歌に託した深い心理描写を、透明感ある響きの中に表出することになるのは、オペラの世界で、もう少しあとのこと。
ここでは、技巧的なまでに精妙の限りを尽くしたオーケストラの人工美が光る。
微に入り細に入り、人間の情とあらゆる出来事を描き尽してやまない。
実に雄弁。
マーラーの屈折した、感情の振幅の大きな巨大オーケストラサウンドとはまったく異なるように思う。
こちらも人間の情を描いたといううえでは、実に雄弁ではあるが、シュトラウスのように明快でわかりやすいという訳ではなく、マーラー個人の内面性があまりに強い。
すべてにおいて幸せなシュトラウスに、アルマを得ることにながらも、いろんな意味で人生に、疑心暗鬼の道をひた走っていると思っていたマーラー。
まんまそれが、この1902年のふたりの音楽の違いでありましょうか。
わたしは、どちらも好きですよ。
傍から見ると、呑気に見えていながら、心は実は海のように荒れて揺れ動いている。実は自分。
シュトラウスとマーラー。
私の内面、そんな対比でしょうか。
サントリーホールでの1993年のライブの、サヴァリッシュとフィラデルフィア管弦楽団の演奏は、極めて明快・明晰・明瞭なもので、どこにも曇りなく、晴れ渡っている。
この曲は、これでいいのでしょう。
オケがバイエルンか、ドレスデンだったら、という贅沢な希望も捨てきれませんが、フィラ管の巧さとヨーロピアンな響きは魅力ですし、サントリーホールの耳に馴染んだトーンも親しみを感じます。
明日も、シュトラウス。
明後日は、時代はほんの少し戻って英国ものです。
マーラー5番=1902年がキーワード。
家庭交響曲~過去記事
「プレヴィン&ウィーンフィル」
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「カラヤン&ベルリンフィル」
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コメント
こんばんは。昨日春一番。今日は北風。明日も暖かくなるのか、体調管理をしっかりしないと。また、花粉症も気になるし・・・。ビ○トた○しの「家庭の○○」じゃない!
サヴァリッシュの「家庭交響曲」フィラデルフィア管弦楽団がオーマンディ、ムーティ、サヴァリッシュとカラフルなサウンドを受けついた元気だった頃の録音。私が愛聴している1つに入ります。
投稿: eyes_1975 | 2011年2月26日 (土) 20時06分
eyes_1975さん、こんにちは。
吹きましたね、春一番。
日替わりの気候は、体に堪えますし、なによりも花粉が大変ですよ。昨日からしっかり症状が出てます。
フィラデルフィアは、オーマンディ以降、理想の指揮者と会えてないような気がしますが、このシュトラウスを聴いてしまうと、さすがはサヴァリッシュ。
完璧でした。
デュトワもあんまり長続きしなかったので、次の新星セガン君に期待です。
投稿: yokochan | 2011年2月27日 (日) 02時37分