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2011年2月15日 (火)

ベリリオーズ 幻想交響曲 クリュイタンス指揮

China_town1

雪降る中華街。
休日の金曜に行ってきました。
ご近所の方にご案内いただき、今回も毎度珍しいお店へご案内いただき、遅くまで楽しんじゃいました。
その時の飲食状況は、いずれ別館にてご案内。

China_town2

こんな遅くまで中華街にいたのは久しぶり。
お店の灯がみんな消えちゃった。
あの灯りが消えると、どこにでもある街と変わらないのですな。

Berlioz_sym_fantastique_cluytens

今週は、しばらく絶えていたシリーズを。
まずは、月一幻想。
ベルリオーズ(1803~1869)の幻想交響曲です。
シューベルトと6歳しか違わず、メンデルゾーンの6歳先輩。
これを思うと、ベルリオーズの革新性と独創性がよくわかる。
ついでにいうと、リストは8つ、ワーグナーは10歳下。
そしてこの幻想は、1830年、27歳の作品だから畏れ入る。
第9初演からまだ6年。
これを聴いた当時のパリっ子たちはびっくりしたでしょうな。
当時のパリはオペラ上演が世界的にも高水準にあり、ロッシーニやマイヤベーアたちも活躍していた。
そしてそこにはショパンもいたはず。
で、この1830年というのは7月革命が起きていて、有名なドラクロワの自由の女神の絵画のものであります。
ともかく、なにかと劇的な1830年だったのですな。

今日の演奏は、アンドレ・クリュイタンスがロンドンでフィルハーモニア管弦楽団と録音した名盤で。
なにゆえにパリ音楽院とでなく、フィルハーモニアということになったか不明なれど、このオケは実にうまいし、クセのない響きがスマートで心地よくクリーンな雰囲気である。
いまから50年以上前の録音ながら、その音楽に古臭さ一切感じることはなく、あの固定観念の歌い方などエレガントでかつ気品にあふれていて、まさに大人の幻想なのだ。
当然にワルツも優美だし、野の風景も優しい自然に溢れていてゆったりした気分になれる。
柔のイメージ一辺倒でなく、各フレーズをメリハリゆたかに、そして味わいもゆたかに歌わせているので、意外なほどにドラマテックな音楽にもなってます。

来日公演のライブは燃え燃えで、すごいことになってますが、このフィルハーモニアとのスタジオ録音は、安心して身をまかすことのできる大人の音楽にございます。
さぁ、寝る前に「野の風景」をもう一回聴いときましょ。

Berlioz_fantastique_cluyt

わたしのCDは、セラフィムの廉価盤でいまいち。
でもオリジナルは懐かしくも雰囲気ゆたかです。

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コメント

クリュイタンスの幻想交響曲懐かしいです。
LP時代にセラフィムの廉価盤で聴いておりました。
グロテスクなイメージを持っていた曲なので、そのエレガントな演奏に何だかはぐらかされた気がしたものです。
また聴き直してみたくなりました。

投稿: golf130 | 2011年2月19日 (土) 12時24分

golf さん、こんにちは。
セラフィムは名盤を惜しげもなく投入してましたね。
統一ジャケットも美しいものでした。
でも、いまやオリジナルジャケットで廉価盤。複雑な心境です。

わたしも、久しぶりにクリュイタンス盤を聴いてすっきりした気分でした。

投稿: yokochan | 2011年2月19日 (土) 13時00分

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