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2011年3月 4日 (金)

シベリウス 交響曲第2番 渡邉曉雄指揮

Suzakayasoba3

新潟は、蕎麦どころでもあります。
日本の蕎麦どころといえば、北から、北海道、岩手、山形、福島、栃木、群馬、長野、新潟、福井、兵庫、島根。
こんな感じでしょうか。
今でも好きだけど、いっとき、三食すべて蕎麦みたいな、熱中時代がありまして、夜は当然にお酒をともなうことになりまして、「蕎麦屋で一杯」という人生を実践しておりました。
そのようにして、蕎麦屋で酒を飲むという行為は、とても美しくて、潔い行動なのですが、いかんせん高くつきます。
手打ちの、脱サラ風のこだわり蕎麦屋さんなどは、ほんと美味しいし、文句のつけようがない。
でも、酒も本物のいい酒が揃えてあるし、どこにも妥協がないから、コストはそれなり。
だから、そうした「蕎麦屋で一杯」的な飲み方はやめました。
ボンビー派としては、盆暮れくらいにしか行けない、お蕎麦屋さんのたぐいなんです。

しかし、町の蕎麦屋さんはいいですな。
蕎麦やうどんのメニューがやたらと豊富で、注文すると、びっくりするくらいにあっという間に出てくる。
そんな蕎麦屋が、夜に蕎麦だけは正規価格で、つまみは蕎麦の具材ゆえに格安に出してくれる。出前もする嬉しいお蕎麦屋さん。
いまは自分にとって、そんな場所が、最高の蕎麦屋さんかもしれません。

Suzakayasoba4

新潟の蕎麦は、そのほとんどが、つなぎに「ふのり(布海苔)」をつかったもので、こうして四角い器に盛り付けて食べることが多かったため、これを「へぎそば」と総称しているようです。
一口サイズに盛り付けられたサラッとしたお蕎麦を、薄めのそばつゆに、じゃばじゃば付けて食べます。
江戸風に、濃い口のつゆに、ちょろっとつけるのではなくって、思いきり浸して、注ぎ込むように食べるんです。
ともかく、さっぱりと美味しい蕎麦なんですよ。
あぁ、書いてる今食べたい。

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マーラーの交響曲第5番(1902)から7番(1905)の同世代音楽シリーズ。

ヨーロッパの中心の大帝国で着実に演奏家として、作曲家としてその地歩を固めつつあったマーラー。
ユダヤ人でもあったマーラーであるが、その存命時期では、出自を外的にどうこうされることなく、ボヘミヤから自然児のようにやってきた感じだ。
しかし、ユダヤ人であるという自身のアイデンティは後の厳しい世間より、先行してマーラーは感じていたはずで、非ゲルマンとしての悲哀を持ち続けていたはず。
それが、直接的には出ないで、自身の内面に特化したところがマーラーのすごいところです。

それでもって、北欧の方に目を向けると、1902年には、シベリウス交響曲第2番を作曲しておりました。
このあまりにも有名な交響曲は、コンサートにおける人気曲のひとつにもなってますが、マーラーとの時代背景を考えると、とても興味深いです。
ロシア的なメランコリーとリリシズムを受け継ぎながら、それに反するような民族的な雰囲気の様相も持ち合わせている。

このころ、フィンランドは、ロシア統治下にありながら民衆の不満もたまりつつあり、暴動も発生し、ナショナリズムが蘇生されつつあった時分。
日露の結果なども、世界的に影響を及ぼしつつあった。

そんな時勢においての愛国家シベリウスの交響曲に、まったくブレはなく、暗から明、伝統的な4楽章を踏まえつつの真っすぐな音楽の残すこととなった。
自国のことを思いながらの作品。
その後は、もっと内面を掘り下げて、複雑な味わいを呈するようになり、聴き手にも容易じゃない聴き方を要求するようになった。

フィンランドの血筋を引く渡邉先生。
この方のシベリウスは、これまで何度聴いてきたかわからない。
全集も、今回と同じ解体前と後の日本フィルと2度。
個別には、日フィルや京響、都響などともあります。
ともかく、シベリウスの世界的な大家でありまして、81年ヘルシンキフィルの来日公演での名演も、CDで著名な渡邉さんです。

1976年7月、小樽市民会館でのライブ録音。
7月の小樽は、そこそこに暑くって、北欧の寒々しさはやや薄かった環境かもしれませんが、ホールに漲る熱くてかつクールな雰囲気は、35年後に、こうしてCDを再生しても同じく感じられるものでした。
ともかく、熱くて、真っすぐ。
とりわけ、第2楽章の明確でかつ、じんわりとした盛り上がりは素晴らしいものがありました。
いつも醒めてしまいかねない終楽章の盛り上がりは、意外なまでに淡々としていていながらも結構な情熱をはらんでいて、その雰囲気のまま明るく曲を閉じる。
無駄なことを一切せず、しっかりと省いてしまい、曲のあるがままを鳴らしてしまった、そんなシベ2でありました。
オケは、ちょろちょろと、なにかとやらかしてますし、本演奏が正規化しなかった要因としての、ホール内の雑音も看過することができません。
でも、渡邉&日フィルのコンビによるシベリウスは自然で偉大なのでした

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コメント

蕎麦屋で一杯は高くつきますね
私も最近は好きな蕎麦屋方面には行かないことにしています(^^ゞ
せめてお酒だけはと、好きな銘柄をネットで注文して家飲みです(・_・、)

渡邊暁雄さんは懐かしいです
中学生のころフジテレビで日本フィルをした演奏をたくさん聴かせてもらいました。
あの頃は民放でもクラッシック番組があった良い時代でした。

投稿: パスピエ | 2011年3月 5日 (土) 10時18分

パスピエさん、こんにちは。
「蕎麦屋で一杯」・・・このフレーズからして、もうたまりません。
飲みたくなってきてしまいました。
好きな酒を家飲み。
ブログ拝見してますと、とても羨ましいです。

渡邉さんの指揮は大人の指揮でしたね。
私も、日曜の朝の8チャンネルはよく見てました。
若き小澤さんや手塚さんもよく出てましたし、グレーラー(だったかな?)のコンマスもよく覚えてます。
あの局が手を引いて、日フィルはふたつになってしまんたんですよね。

投稿: yokochan | 2011年3月 5日 (土) 15時45分

こんにちわ。

蕎麦はいいですよね。半人前の蕎麦食いですが、
1ヶ月くらい毎日3食蕎麦でもOKです(笑

暁雄さん、懐かしいです。
僕のシベリウスの第2番はこの人の指揮した
1990年の日フィルでの演奏が基準です。

あの演奏に近づいた演奏は今もって
指折り数えて片手にも満たないです。
あの時は鳥肌ものでしたから、演奏が。

その年でしたね、お亡くなりになったのは。

投稿: スリーパー | 2011年3月 6日 (日) 13時29分

スリーパーさん、こんばんは。
蕎麦はいいですよね。
しかし、以外にもカロリー摂取が高いもので困ったもので・・・。

渡辺先生には、わたしも遠からず恩恵を受けてます。
なかでもシベリウスですよね。
実演では、都響で出会ったけれども記憶が薄く、日フィルのテレビ放送の方が覚えていたりします。

最後の日フィルのシベリウスをお聴きだったとは羨ましいですね。
氏のシベリウスは絶品絶後でしたからね!

投稿: yokochan | 2011年3月 6日 (日) 22時05分

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