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2011年3月 2日 (水)

ラヴェル 弦楽四重奏曲 イザイ四重奏団

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新潟一泊紀行
素晴らしい東京交響楽団の演奏会のあとは、そりゃもう「飲み」ですよ
ご一緒いただいたIANISさんのお勧めの酒は、「鮎正宗」。
淡麗でありながらも、しっかりとした存在感のある酒でして、あてを選ばないオールマイティの完璧な存在。
大いに気に入りまして、あれこれたくさん飲んだあとに、締めとして再度飲んだのですが、酔ってはいてもこれが一番でございました
奥に見えるは、新潟の栃尾の油揚げでございます。
これ、わたくし、大好きなんですよ。
厚揚げなんかよりずっと。

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お刺身は、二品チョイスしました。
手前が、なんと贅沢にも「のどぐろ」。
奥が「かんブリ」。
日本海各地は「のどぐろ」がうまいが、北陸・山陰はお値段がやたらと高く、時価でごまかされてしまう。
しかし、新潟はいいです。
こちらでは、そこそこのお値段で、こうしてお刺身や、塩焼きが食べれちゃうんです。
両方とも、とてつもなくウマかった

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こちらが、実においしかった。
味わい深く、日本酒にも極めて合う「冬菜のおひたし」。
冬菜は、小松菜に似た冬の菜っ葉で、新潟の女池(めいけ)という地区で採れる野菜。
女池は、7号バイパスを走っていると、その名のインターがあるから名前だけは見知っていたけれど、このような貴重な野菜が採れるとは思いもよらないことでした。
いまや生産者も少なく、希少になりつつあるみたいですよ。

青菜の甘さと、少しのえぐさと、食感のシャキシャキ&トロみが実にいいのでした。
以上は、IANISさんにお教えいただいたことです。

以上の模様は、さらに別館、さまよえる神奈川県人にてご報告します。

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今日は、ラヴェル(1875~1937)の弦楽四重奏曲。
マーラーと同世代、第5~7交響曲と同じ頃の音楽を聴くシリーズ。
この作品は、1902~03年にかけて書かれたラヴェルの傑作。

この作品ぐらいになると、ドイツ=オーストリアとフランスという文化&人種の著しい違いを感じざるをえない。
レハールの甘味さは、同じ広域ドイツ語圏という世界でマーラーとカテゴリーをひとつとするが、ラヴェル、そしてドビュッシーとなると同時代でも、表現の質、音色、響きが全然異なる。
ドイツ語とフランス語の大いなる違いかもしれない。
それは、知覚(独)と感覚(仏)の相違かも。
ゲルマンとラテン。ユダヤはまたその間くらいかしら??
日本人は、そちらかというと前者の世界??

酔いながらこんなことを書いてます。

27歳のラヴェルが書いた、詩的でシルキーなまでの繊細な音楽。
そのくせ、しっかりと伝統に基づいた構成の美しさも併せ持ってる。

優美で私たちが共有するラヴェルのイメージそのものの第1楽章。
さりげない各奏者のピチカートひとつに芳香を感じ取ることができます。
この楽章の出だしの第1主題は、ふとした拍子に思い浮かぶことができる名旋律だと思いますね。
その、ふとした拍子ってのはいろいろありますが、わたしに一番多いのは、芳醇な赤い葡萄酒なんてのを飲もうとした瞬間とかであるんです。
 弾むピチカートで始まる2楽章も、憂いを含んだおフランスのムードが感じられますな。
続く3楽章は、全編ためいきばかりでできたような、アンニュイな場面の連続。
しっかりと第1楽章の主題も姿を変えて顔をだしていて、全体が巧みに一本化されている。
さすがは27歳とはいえ、ラヴェルなのでした。
 えぐさも感じる突発的な出だしの4楽章。
錯綜するリズムと旋律が支配するものの、ゆるめのテンポで伸びやかな雰囲気となった終楽章。
青竹のように、すくっと真っすぐでありながら、フランス的な香ばしさも感じさせる名曲です。

マーラーとは、背中あわせで、かつまったく異なる世界なのでした。

イザイ四重奏団は、作曲&ヴァイオリン奏者のイザイが創設した楽団の、おそらく2代目。
明晰であいまいさのこれっぽちもない演奏ながら、不思議と香りゆたかな名演。

ラヴェルと必ずセットになるドビュッシーの四重奏曲は、この作品よりさかのぼること、約10年前。その東洋の香りのする不可思議な雰囲気の曲を、わたしはNHKの某放送で、中学時代に聴いてずっとそのイメージを引いてきた音楽。
こちらは、またその時の思い出とともに記事を起こしたいと思います。

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