« ディーリアス 「アパラチア」 バルビローリ指揮 | トップページ | エルガー 戴冠式頌歌 ギブソン指揮 »

2011年3月 6日 (日)

プッチーニ 「蝶々夫人」 モッフォ&ラインスドルフ

Horidomecho

日本橋界隈からも見えるスカイツリー。
3月4日のお姿です。
こうして、どこからも見えるスカイツリーは、東京の景色を変えつつある。

Ningyocho1

でも、ちょっと路地に入ると、いまでもこんな雰囲気の場所がまだまだたくさんあります。

Ningyocho2

江戸の頃にタイムスリップしたみたいな極狭路地も。
粋な町人が、ちょろっと出てくるような感じですよ。

Puccini_madama_butterfly

お馴染みのプッチーニ(1858~1924)の「蝶々夫人」を。
1903年に完成、1904年に初演。
マーラーの第5と第6の年代に重なるのでありました。

プッチーニあたりになると、R・シュトラウスとともに完全にマーラーと同時代ということが理解できる。
豊饒な大オーケストラの響き、甘味な旋律、劇的な響き、大胆な和声、打楽器の巧みな多用、そしてなんといってもオーケストレーションの見事さ。
いずれも、聴く人を陶酔させ、惑わすほどに夢中にしてしまう。

でも、マーラー指揮者で、プッチーニも得意とする人は以外に少ないように思う。
アバドは、プッチーニはまったく触れることもしないし、ハイティンクもそう。
バーンスタインもショルティも。
メータ、レヴァイン、カラヤン、シノーポリあたりが、その両方を得意にした。
そして、ここにエーリヒ・ラインスドルフ(1912~1993)の名前も加えていいと思う。

ラインスドルフは、ウィーン生まれのユダヤ系で、戦中にアメリカに逃れ帰化しているが、その活躍のわりに、評価が定まらず、印象もいまひとつ薄い。
広範なレパートリーを持ち、あらゆるジャンルをも手掛けたから、万能指揮者のように扱われたし、ひとつのオケと蜜月を築くタイプでもなかったからかもです。
オペラ指揮者としては、仕事人のようにテキパキとまとめ上げるから、劇場に録音にひっぱりだこ。
モーツァルトから、ワーグナー、シュトラウス、コルンゴルト、ロッシーニ、ドニゼッティ、ヴェルディ、プッチーニ・・・・・、あらゆるオペラを指揮して録音もしてます。
こんな指揮者は、現在のレヴァインをおいてほかにいません。
カラヤンも敵わないのでした。

こちら「蝶々夫人」は、ラインスドルフには2つの録音がある。
早めのテンポで、感情移入は少なめで、淡々としながら蝶々さんの気の毒な物語を進める指揮ぶり。
シノーポリの微に入り細に入り、といった大胆かつ緻密な表現とは大きく異なるが、プッチーニの音楽の良さ、素晴らしさをストレートに味わわせてくれるという効能がある。
でも味も素っ気もないかというと、そうでもなく、ちゃんと歌わせどころでは気持ちよくしてくれるし、泣かせてもくれます。
最後のクライマックスにおける金管の強奏は悲壮感もたっぷりでなかなかです。
こんな程よさがいいラインスドルフなのです。

  蝶々夫人:アンナ・モッフォ      ピンカートン:チェザーレ・ヴァレッティ
  スズキ   :ロザリンド・エリアス   シャープレス:レナート・チェザーリ
  ゴロー  :マリオ・カルリン     ボンゾ  :フェルナンド・コレナ
  神官    :レオナルド・モンレアーレ   ほか

   エーリヒ・ラインスドルフ指揮 ローマ歌劇場管弦楽団/合唱団
                      (1957.7 @ローマ)


この「蝶々夫人」を捨てがたいものにしているのは、ラインスドルフの指揮よりも、アンナ・モッフォの蝶々さんにある。
モッフォは、2006年に亡くなってしまったが、その最盛期は、デビュー時の50年代半ばから60年代半ば頃まででしょうか。
70年代は、復調して「カルメン」やグルックなどにも挑んだけれど、声は低くなり少し痛々しかった。
57年録音のこの蝶々さんは、ハリのある若々しい声と一途な歌い口が健気な蝶々さんに相応しく、とってもチャーミングなのだ。
やや古めかしいほかの歌手たちの中にあって、一段と輝いていて気品に満ちているし、ちょっとした嘆息や悲しみの呻きなどが、演技を感じさせずリアリティにとんでいて、引き込まれてしまう。
独特の陰りを帯びた声と低音もモッフォの魅力。
死の場面の慟哭と、語りは鳥肌ものだし、そのあとの「愛しい坊や・・・」の歌の真っ直ぐな歌唱は、もう涙なくしては聴けませんでした・・・・。

Moffo

映像もあるみたいなモッフォのチョーチョーさん。

Moffo_5

74年に来日したモッフォ。
美人の風格。
高校生だったワタクシ。その頃も美人好きでしたヨlovely


「蝶々夫人」過去記事

 「シノーポリのCD」
シノーポリもいいけれど、わたしにはバルビローリ盤が忘れがたい。

 「新国立劇場2009」
6月の再演では、ネルゾンス夫人、オポライスが出演予定と思ってたら変わってしまった。

|
|

« ディーリアス 「アパラチア」 バルビローリ指揮 | トップページ | エルガー 戴冠式頌歌 ギブソン指揮 »

コメント

こんばんは。
今日、藤原ルチア行ってきました。若手キャストのほうです。感激しました。最前列ど真ん中、出っ張りの席でした。光岡、素晴らしい声と思いました。湾岸戦争の時、グルベローヴァのルチアを追っかけしていたのを思い出してしまいました。ダムラウも楽しみです。

投稿: Mie | 2011年3月 6日 (日) 23時34分

Mieさん、こんばんは。
ルチアですか。
音楽は馴染みですが、実演はまだ未体験です。
ほかの方のブログなども拝見しましたが、なかなかに好上演だったようですね。
メトのルチアも行かれるのですね。
そのときは、感想を是非お聞かせください。

投稿: yokochan | 2011年3月 7日 (月) 23時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/151893/51042718

この記事へのトラックバック一覧です: プッチーニ 「蝶々夫人」 モッフォ&ラインスドルフ:

« ディーリアス 「アパラチア」 バルビローリ指揮 | トップページ | エルガー 戴冠式頌歌 ギブソン指揮 »