ブルックナー 交響曲第7番 ハイティンク指揮
ブルー系の色で集められたパンジーの花。
パンジーはすみれ科。
紫のものは、スミレと区別がつかないくらい。
でも、いい色合いです。
冬にもしっかり花をつける力強いパンジー。
かくありたいもの。
今日は、年度の変わり目の日。
帰りの電車では、お勤めにひとまず区切りをつけた花束を持ったお父さんがたを何人か見かけました。
駅へつくと、心なしか感無量のようにしておられる方もいらっしゃいまして、見ていてグッときてしまった。
明日からは新しい年度。
今日は、ブルックナーの交響曲第7番。
ベルナルト・ハイティンク指揮のドレスデン・シュターツカペレの演奏で。
2004年8月のドレスデンでのライブ録音。
放送録音ですが、録音は極めて音楽的で優秀。
ブルックナーを演奏するのに、ハイティンク&ドレスデンほど、それに相応しい組み合わせはない。
全曲70分の堂々たる演奏は、すみからすみまで恰幅がよく、落ち着きはらっていて、教会の建築物の威容を臨む思いだ。
フレーズのひとつひとつに、積年の重みと説得力があり、間のとりかたや歌の歌わせ方にも余裕とスケールがたっぷりとある。
立派すぎるところが唯一の不満という、贅沢な思いをも持つことになる。
冒頭の静かなトレモロの中から、あの主題が出てくると、体に柔らかな風が吹き込んでくるのを感じる。
そして、最高のピークは清らかで神々しい第2楽章。
そこでは、ワーグナーの死の予感などといった具象的な悲しみではなく、もっと異なる次元で音楽しかそこにはない、といった純なる響きに身をゆだねるのみ。
ほんとうに美しく、そして悲しい。心に沁みる。
克明な3楽章では、中間部ののどかさが身にしみる。
時に、あっけない思いを抱くことの多い終楽章。
透明感あふれる木管に、マイルドなホルン、泣きのチェロなど、ここでもその中間部の寂寥感が素晴らしく、最後は極めて堂々と曲を締める。
久しぶりに聴いたブルックナーの音楽。
ハイティンクの素晴らしい演奏に心洗われる思いでありました。
(爆演堂さんに売ってます)
首都圏のコンサートやオペラの自粛は、ホールが壊れてしまったミューザを除いて4月は始まりそうです。
そんななかで、メータが単身来日して、N響を指揮して第9のチャリティーコンサートを行うようだ。
なんで第9なのかな? S席2万円って?
全額義援金となるそうで、それは実に素晴らしいことであります。
テレビ放送でもすれば、音楽が全国に届くのに、どうなるのでしょうか。
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コメント
こんにちは。TBしたままで失礼しました。ハイティンクのブル7番、シカゴ響でしたが、思い出してしまいました。何と言っても7番は、大好きな曲です。
投稿: ご~けん | 2011年4月 2日 (土) 01時07分
管理人さん いつも興味深い内容ありがとうございます。
ブルックナ―7は若きショルティ・ヴィ―ンの来日時の熱演がTVで強く印象的でそれ以来よく愛聴しております。
ハイテンク、フィリプスのも楽団の素直で癖のない響きとこの楽団ならではの機動力を活かした名演でした。
NHKホ―ル出来た頃にマ―ラ―10番、ハイドン・バリエーション、英雄の生涯の充実したプロでの圧倒的な公演を聴く事が出来てオケとはこうして鳴すのかと強く刻まれました。
投稿: マイスターフォーク | 2011年4月 2日 (土) 20時24分
ご~けんさん、こんばんは。
コメント&TB、どうもありがとうございます。
ムジークフェラインでブルックナー、それもシカゴで。
なんと素晴らしいことでしょう。
うらやましすぎます!
写真撮ることも、そんなにうるさくないのですね。
あらためて、7番は、いい曲だな、と思いました。
投稿: yokochan | 2011年4月 2日 (土) 21時54分
マイスターフォークさん、こんばんは。
そしてコメントどうもありがとうございます。
ショルティとウィーンフィルの来日は64年頃のものですね。私は、幼稚園児でした。
なんだかとても興味あります。
そして、ハイティンクとコンセルトヘボウは、その当時まったく評価されてなくて、わたしは悔しい思いを味わってました。
その当時の演奏会はテレビで見た記憶があります。
このコンビを聴くことができなかったのが悔やまれますが、マイスターフォークさんは、素晴らしい経験をたくさんお持ちなのですね!
投稿: yokochan | 2011年4月 2日 (土) 22時02分
度々すみませんです。
先のショルティの時ですが確かアンコールがマイスタージンガ―前奏曲だったようです。ラッパのヴォ―ビッシュが隣りとニヤニヤしながらで愛の動機のソロに間に合わなくギリギリだった記憶があります。
私はコンセルトヘボ―が一番充実してた時期はハインティンクの時代だったと思いますが大序曲1812年 、ブリッテン青少年の為の…は格調の高さとアメリカンズされない上手さが素晴らしいですね♪
投稿: マイスターフォーク | 2011年4月 3日 (日) 07時48分
マイスターフォークさん、こんにちは。
ショルティのマイスタージンガーとは、またさぞかし明快な演奏だったのでしょうね。
そして、わたしもコンセルトヘボウの黄金期に同感です。
録音も含めて、オランダという国が育んだ名品に思います。
投稿: yokochan | 2011年4月 3日 (日) 15時53分