レハール 「金と銀」 ガーディナー指揮
日曜に訪れた新潟の街。
信濃川にかかる萬代橋。
いつも川とそこにかかる橋を見ると渡りたくなるし、下へ行って全貌も確かめてみたくなる。
ここは、これまで見てきたいくつもの橋の中でもかなり美しい。
かつては、この橋はずっと手前と、ずっと先まで伸びていたらしいです。
この日、新潟では「新潟アニメ・マンガフェスティバル」が行われていて、それ風の若い方々がたくさん闊歩してましたよ。
ここ古町のアーケードでも、B級チックなおいしいものの屋台にまじって、コスプレ系の方もいましたよ。
まぁ、わたしのようなオジサンには縁はございませんがね。
でも、ここらへんになると、黙っちゃいらんないすね。
新潟は水島新司の出身地。これは、「あぶさん」ですよ。
でも私には、南海のユニフォームの方がしっくりくるんですがね。
そして、このフォーム見てくださいよ。
ドリームボールを投げる水原勇気ちゃんです。
懐かしいっすなぁ~
もうひとつ、ブロンズ像を。
こちらはアニメじゃなくって、忠犬「タマ公」。
新潟の忠犬は、雪崩に埋もれたご主人や人々を2度に渡って救出したといいます。
シバ犬らしからぬ、精悍な面持ちでございました。
このへんで、1曲。
レハール(1870~1948)のワルツ「金と銀」。
ハンガリー生まれのレハールだが、ハプスブルク家のオーストリア=ハンガリー帝国ゆえに、ウィーンやベルリンで活躍したオペレッタ作曲家。
世紀をまたいで、絢爛たる爛熟のウィーンでの活躍。
一方には、われらがグスタフ・マーラーもあった。
マーラーの交響曲第5番と同じ、1902年の作品がこの「金と銀」。
「メリー・ウィドウ」が交響曲第7番と同じ1905年。
ウィーンやベルリンで、レハールやマーラーが鳴っていたことを考えると、その音楽の違いに驚く。
ハプスブルク王朝は、第一次大戦終了とともに1918年に幕を閉じるが、その最後のもっとも芳熟な文化をしっかり表明しているようなレハールの音楽は、人間の内面に踏み込んでくることはなく、ある意味気楽にその美的世界に陶酔をもって浸っていればよろしい。
一方の、マーラーはそんな具合にはいかないのは、みなさん御存じのとおり。
でもわたしは、レハール好きですよ。
J・シュトラウス一家よりも最近は好きかも。レハールと同時代のオペレッタ作曲家もいいです。
ここにも、世紀末の刻印がしっかりあるんです。
今日の演奏は、ガーディナーがウィーンフィルを振った不思議な組み合わせの1枚。
メリーウィドウも録音しているこのコンビだが、案の定、少なめのヴィブラートで、すっきりと聴かせていて、こちらが期待するキンキラの豪華さや、歌の豊かさからは遠い演奏に感じる。
ウィーンフィルのまろやかな音色だけが、従来のイメージを残すのみ。
これはこれで、新鮮だし、聴きあきないサウンドかもしれない。
ホィップクリームののったザッハトルテでなくって、新鮮なジャムののったスコーンみたいな感じ・・でょうかねぇ。
マーラーの5~7番の同時代シリーズです。
そして、新潟紀行も続きます。
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コメント
こんばんは。ニュージーランドの大地震で被災に遭われた方たちが気がかりですね。そして、何年か前、新潟地震で救助犬により男の子が救われた奇蹟。やはり、新潟の犬は優秀でしょう。
そして、「金と銀」レハールは「ドナウ河のさざ波」のイヴァノヴィチと同時期で軍楽隊出身。こうした東欧の作曲家はいくつか共通した点が見られます。演奏会や録音が多い中、ボスコフスキーがウィーン・フィルとウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団と2度録音している十八番なのね。
小林幸子が新潟出身だからと言ってる訳ではないが、金と銀ならぬ電飾体。だが、「トラック野郎」の電飾トラックの影響が現代の巨大イルミネーションに発展しているのではないでしょうか。スキーバブルだった1990年代は新潟によく行きました。単なるキラキラではなく、白銀の世界でナイターのカクテルライトがまた、格別な印象でした。
投稿: eyes_1975 | 2011年3月 2日 (水) 19時49分
eyes_1975さん、こんばんは。
ニュージーランド自身の被災者の方々にはお悔やみもうしあげたいと存じます。
でも、まさかの海外での罹災。
地震・火山の国、日本への警鐘として、被災者の皆さんのお声をしっかり受け止めなくてはなりません。
某、情けない国は、政局のみで、いずれくる震災はおろか、大企業の復調のみしか目にはいらす、大方の国民の苦しみをわかろうとする術を持ち合わせておりません。
そんな国情で、甘く美しい音楽がもてはやされるのは、古今東西おんなじ。
レハールの曲も、マーラーと対比してそんな風に思いました。
私をスキーに連れてって!
ですねぇ~
よかったですねぇ、あのころ・・・・。
戻れないけれど、音楽トリップはできますから!
投稿: yokochan | 2011年3月 3日 (木) 23時05分