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2011年4月29日 (金)

フィンジ 「地球が朽ちるまで」 ドナルド・カーシュ

Uk

英国旗、ユニオンジャックであります。

英国で買った絵葉書で、オリジナルはキンキラなのですが、スキャンするとこんなです。

祝ウィリアム王子とキャサリンさんなのです。

ふと思ったこと、英王室の方々の姓は?
そう、ウィンザーなんですね。
じゃ、我が国の天皇は?
それがないんです。
そもそも、天皇以外の人を区別するために、与えられたのが姓だから、ということです。

ダイアナ妃の思い出は、わたしも深くもってますが、王子はよく見ると母親にそっくり。
英国の方々の興奮ぶりは尋常じゃないけれど、みんなユニオンジャックを身に纏ったりかぶったりしていて、日本の日の丸じゃ考えられないこと。
ずっと戦勝国だし、大国としての誇りもあって、自然にできることでありましょう。

その英国は基本はとても明るいけれど、行き詰まり感が常にあって、大国の悩みとして、英国病などと、言われてしまう。
そんな英国特有の陰りと憂愁。
音楽にもいつも感じることができます。

こんなときにも、わたしは、フィンジの歌曲を聴いて、英国を思うのでありました。

Finzi_rvw_britten_kaasch

ジェラルド・フィンジ(1901~1956)の歌曲集「Till Earth Outwears」(地球が朽ちるまで)」。
トマス・ハーディの詩による7篇の歌曲なのであるが、フィンジの死後、朋友ファーガソンと未亡人のジョーイとその息子クリストファーによって、分散して書かれたハーディ歌曲をひとまとめにしたもの。
まとめた形では、1958年に初演されている。

1.Let me enjoy the Earth(地球を楽しもう)
2.In Years defaced(長い年月のうちに)
3.The Market-Girl(市場の娘)
4.I look into my glass(鏡をのぞきこんで)
5.It never looks like Summer(夏のように見えない)
6.At a lunar Eclips(月食にて)
7.Life laugh anward(人生は前に向かって笑う)


どの曲も、ハーディの抒情的かつ思索的な詩を受けて、その内容に見事に即した、わたしたちがいつも心なごませ、優しい気持ちになるフィンジ・ワールドがそこにあるのです。

O not again

Till Earth outwears

Shall love like theirs

Suffuse this glen!

2曲目の「In Years defaced」で歌われるクライマックス。
地球が尽きるまで、愛するふたりを優しく覆ってください・・・。

愛らしい雰囲気の「市場の娘」、経る年月への不安を歌った「鏡をのぞきこんで」、幻想的で静かな歌心に心動かされる「月食にて」、最晩年1955年に書かれ、なにやら明るい気持ちになるけど、シャイな面持ちが愛おしい「人生は前に向かって笑う」。

ドナルド・カーシュ(Donald kaasch)は、アメリカのテノール歌手で、オペラでも活躍中で、メトや欧州各地のオペラハウスにも出演中のリリック・テノール。
やや歌いまわしが過ぎるところもあるももの、この人の声は、英国テノールの系統にあるといってよく、澄んだ歌声とシリアスな歌唱との絶妙な配分がとてもよろしい。
フィンジを歌うテノールは、エインズリーやパートリッジ、パドモアなど、みんな澄みきった悲しさが漂っているように思う。
彼らは、みんなバッハのエヴァンゲリストとしても素晴らしいし。
ピアノは、ピーター・ロックウッド

くめども尽きぬフィンジの音楽。
そして、その本領は歌曲にあり。
これからも取り上げてまいります。

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コメント

管理人さんこんばんは。

ロイヤルウエディンに何か新曲をと期待してましたが、数度使われたウォルトンの戴冠式行進曲クラウンインペリアルが退場で演奏されました。
さすがに輝しさと重厚さにも欠けない良い演奏でした。

最近私の関係する楽団で中国の代表する作曲家であるタン・ドゥン氏の交響曲 天地人の演奏計画があり、私はよく知らない曲なのすが管理人さんからの音楽的コメントいただけませんか?
よろしくお願いします♪

投稿: マイスターフォーク | 2011年5月 3日 (火) 22時37分

マイスターフォークさん、こんばんは。

ロイヤルウエディングは、予想通りのウォルトンでした。
予想がずばりあたり、その曲を取り上げず、あえて誰も振り向かないフィンジの歌曲を聴きました。
しかし、英国王朝は格式が違いますね。
それでも、ダイアナ妃以来の新風を取り込むのは、イギリスならではの気風を感じ、羨ましく思います。

そして、タン・ドゥンさん。
N響に来演してましたし、受難曲も書いてたりして、気になる作曲家なのですが、実はまともに聴いたことがないのです。
お役にたてませんで、申し訳ありません。
中国の古典的な楽器を取り入れたりと、武満氏の影響をうかがわせるようでもあり、逆に武満作品で、二胡をソロにした音楽をライブで聴いたりもしてまして、おそらくは、ふたりはアジア人として、西洋音楽に対し相通じるところがあったのではないかと、勝手に想像してたりしてます。

あまり視野になかった譚盾さんですが、ご指摘いただき、また宿題をいただいたようで、いっちょう聴いてみようという心構えになっております。

投稿: yokochan | 2011年5月 4日 (水) 00時11分

こんばんは~。

ここで、ご紹介された~G.フィンジですが、小生も大好きな作曲家です。彼の手になるクラリネット協奏曲を初めて聞いた時~、その深い憂愁を湛えたタダならぬ音調に、すっかり魅了されたものの、市販のCDでは他の作品は全くなく悔しい思いです。

何でも、yurikamomeさんのブログでは、クラヲタ人様にご紹介されたという~エクローグなる作品が掲載されており、「感情のほとばしりを敢て押し殺し~…」の説明文を読んで、俄然小生も聞いてみたくなりました。G.フィンジの特集も組んで下されば、更にイギリス音楽の深みにはまりそうです!


投稿: Warlock Field | 2011年11月17日 (木) 20時49分

Warlock Fieldさん、こんばんは。
こちらにもありがとうございます。

またおひとり、フィンジを愛する方がいらっしゃって、とてもウレシイです。
決して多くないフィンジの作品。
そこそこ集め、ここに取り上げてきたつもりです。
歌曲などは汲めどもつきない魅力を感じております。
そして、エクローグは、クラリネット協奏曲と並ぶ最高に泣ける音楽です。
是非お聴きください。

右側のバーのカテゴリーで、「フィンジ」をご覧いただくと、これまでのフィンジ記事がございますので、ご参考までに。

投稿: yokochan | 2011年11月18日 (金) 00時39分

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