« レスピーギ 「シバの女王ベルキス」 J・サイモン指揮 | トップページ | フィンジ 「地球が朽ちるまで」 ドナルド・カーシュ »

2011年4月28日 (木)

ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲第5番 マリナー指揮

Yokohama_park3

横浜公園、そう、スタジアム前のチューリップ。
ベイスターズのことは、いまは置いといて、そう、「スーちゃん」のことを。

今夜、テレビで田中好子さんの追悼番組をやってまして、キャンディーズの伝説のラストコンサートの模様とからめて、スーちゃんの人となりを偲ぶ内容にになっていました。

これには泣きました。
飲みながら見てたことも手伝って、涙でぐちょぐちょになりました。
明るくて、自身が病気に冒されながらも、人のことを真っ先に考えて生きてきた彼女。

わたしより、ほんの少し上のキャンディーズ。
中学・高校・大学時代に大活躍の彼女たち。
1973年から1978年まで。
わたしも青春してました。

3人の中で、誰が好き?ということを、休み時間などに話題になっていたものです。
ランちゃんが一番人気で、次はスーちゃん、そしてミキちゃんが大好きな友達も結構いた。
当時からクラヲタだったけど、わたしは、スーちゃん派だった。
ワーグナーも、キャンディーズも春の祭典もビートルズもローリングストーンズもみんないっしょくたに聴いていた時代。

もう戻らないあの頃。
こんな風に、ましてほぼ同世代だった人が亡くなったりしてしまうと、切実たる思いにとらわれてしまう。
でも生きてる、生かされている自分は、これからも前に進まなくてはならないんです。
あの日以来、停滞ぎみの日々で、連休なんてなんにも面白くないけれど、がんばらなくっちゃ。

Rvw_sym56_marriner

ヴォーン・ウィリアムズ(1872~1958)の交響曲シリーズ。

何度も取り上げている、最愛の交響曲第5番を、これまたわたしの愛するサー・ネヴィル・マリナー指揮のセント・マーティン・アカデミーの演奏で。

9つの交響曲が多彩な顔をしているということは、これまで何度も書いてきたとおり。

英国音楽を愛するものとしては、優しい田園情緒に満ちたヴォーン・ウィリアムズのそうした一面をもっとも好きになるもの。
有名なところでは、「グリーンスリーヴス」「タリス」「ラザロ」「揚げひばり」、オペラのいくつかなどに加えて、交響曲のいくつか。
第1番から第3番まで。
とりわけ、3番の「田園交響曲」は、茫洋としたイギリス田園風景が思い浮かぶ素晴らしい名品。
その3番と、かなり近い雰囲気があるのが、5番。

1943年という世界大戦まっただ中に、何故にこのような平和で柔和な作品が残されたのだろうか。
この前の不協和音乱れ飛ぶ不穏な4番(1934)と、戦後作品とはいえ、闘争心と暗さみ満ちた6番(1947)というシャープでキツイ交響曲にはさまれた第5番が戦中だったことを思うと作曲者の心中を推し量りがたくなる。

ヴォーン・ウィリアムズは熱心なクリスチャンだった。
オペラに声楽曲に、宗教を背景とした作品も多い。
そして、今回、第5交響曲をじっくり聴いて、RVWが戦火の悲惨さを思いつつ、英国の自然、そして自らの宗教観を重ねてみたのではないかと思った。
アレルヤという、キャロルの旋律が随所に出てくるのだ。
お笑いではないけれど、「Mr.Bean」で、教会のシーンがあって、居眠りをしてしまうビーン氏なのだけれど、アレルヤ~のところだけ目を覚まし歌っていた。
その旋律なんです。

荘重で、まさに教会旋法を思わせる第1楽章。
スケルツォの2楽章。民謡調のパッセージが明滅する。
この交響曲の白眉といえる第3楽章の素晴らしさをどうお伝えしようか。
あまりに美しく儚く、切ない音楽。
ここに、純真な祈りの心も読み取れる。
例のアレルヤも何度もくりかえされる。
この楽章だけを取り出して、わたしは時おり聴くことが多い。
わたしが死んだら、この楽章をいくつものリクエストの中のひとつとしてかけてほしい。
宗教感・自然観・人間模様がRVWの中で昇華されたかのような素晴らしいシーンであります。
今日、二度目の涙を流すことになりました・・・・。
 そしてパッサカリアとして、快活に始まる終楽章も、後半は全曲を振り返りつつ、3楽章をとりわけ思いおこしつつ、浄化されたかのようにして澄み切った雰囲気で曲を閉じるのです。ここもまた、この曲の素晴らしさが身にしみるエンディング。

ヴォーン・ウィリアムズの交響曲では、この第5番が一番好き。

マリナーのじっくりと腰を落ち着けた丁寧かつ、心のこもった演奏は、タイムも40分あまり。
透き通るくらいの透明感に、やや薄めのオーケストラ。
ひたひたと、心に響いてきます。
こんな客観的でない、マリナーの優しい目線が、RVWの音楽にぴったりとあってます。
併録の6番は、うってかわってシャープな目線が光ります。

春だけど、もう初夏もまじかだけど、どこか悲しい連休前なのでした。

 RVW 交響曲第5番の過去記事

 「ノリントン&NHK交響楽団演奏会」

 「B・トムソン&ロンドン交響楽団」

|

« レスピーギ 「シバの女王ベルキス」 J・サイモン指揮 | トップページ | フィンジ 「地球が朽ちるまで」 ドナルド・カーシュ »

コメント

また餌に食いついてしまいました(失礼)。
5番は僕も大好きです。
どうしても3楽章を聴きたくなる心情の時があります。そして涙を抑えることができません。
マリナー盤は未聴ですが心にしみそうですね。僕はハイティンク盤でいつも泣かされています。
でも実はyokochanさんが苦手と言っていた9番も同じくらい僕は好きなのです。

投稿: Tod | 2011年4月29日 (金) 00時53分

Todさん、こんばんは。
またもや、撒き餌に成功しましたようで(笑)

5番ファンの方がいらっしゃって、とてもうれしいです。
3楽章には、ほんと泣かされます、まいります。
ハイティンク盤も愛聴してますよ。
あと、新旧プレヴィンに、B・トムソン、ボールト、ロジェストヴェンスキーです。

9番は、そうなんです。
このシリースにて、なんとか楽しみたいと思いますので、またのお楽しみにどうぞ。

投稿: yokochan | 2011年4月30日 (土) 00時02分

ハイ、yokochanさん、こちらにもお邪魔します。

僕も、遅ればせながら~この餌に食らいついてしまいました。(笑) この曲~、僕はBBCラジオクラシック・シリーズのCDで、初めて聞きまして深い感銘を受けました。特に、大戦真っ只中に書かれたとは思えない、静謐にして深い祈りを感じさせる、第3楽章には驚きと深い精神の安らぎを得まして、いっぺんでこの曲の虜になってしまいました。

そのCDの指揮者は、ロジェヴェンでしたが~カップリングの、オラトリオ「聖なる市民」と共に、壺を得た素晴らしい演奏に思わず~、うぅ~む、ロジェヴェンもなかなかやるなあ~!と唸ってしまったのでした。

投稿: Warlock Field | 2011年11月20日 (日) 21時50分

Warlock Fieldさん、こんばんは。
こちらにも足跡ありがとうございます。

わたしも、そのロジェヴェンのCD、持っております。
BBC時代のロジェヴェンは、英国音楽を次々に演奏しておりまして、それらのなかには名演もたくさんあって、CDになっているものもあります。
器用な人ですね。

歴代の5番のシンフォニーのなかにあって、静謐で沈思黙考的な存在のRVW作品は、彼の交響曲のなかで、もっとも好きなものです。

投稿: yokochan | 2011年11月21日 (月) 01時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/151893/51519697

この記事へのトラックバック一覧です: ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲第5番 マリナー指揮:

« レスピーギ 「シバの女王ベルキス」 J・サイモン指揮 | トップページ | フィンジ 「地球が朽ちるまで」 ドナルド・カーシュ »