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2011年4月14日 (木)

ドヴォルザーク 「伝説曲」 クーベリック指揮

Kanda_myoujin2

御茶ノ水方面に行ったものだから、久しぶりに神田明神に。
東京都心部の総氏神ともいうべき厳然たる格式を誇る神社。
場所柄、またそのご由緒から、平日でもスーツ姿の男性の参拝客が目立つ。
本社へ出張のサラリーマンが、立ちよる風情は、行き交うその言葉尻からもわかります。

ご覧のとおり、実に清々しい雰囲気。
空も真っ青ですよ。

この神社が、平将門の首が至近に祭られたことから、将門とゆかりがあり、大手町近辺でも将門恐るべしの地があります。
茨城の岩井(現板東市)の将門神社との関連もありで、ミステリアスな由緒がいろいろ語られてます。
その茨城のその地で、わたしはたいへん悲しくも忘れえぬ体験をしたのですが、それはここでは書くにあたわずです。
いまもって引きずってるかもですから・・・・・。

Kanda_myoujin5

境内の桜も満開。
怪しいまでの美しさにございました。

Kanda_myoujin1

朱の門と淡いさくら色は、絶妙の色の対比でございます。
そして、青空。

Dovorak_stabat_mater_kubelik

神道の流れから、イエスの磔刑のジャケットということで、これはまたそぐわないのでありますが、今日はこのスターバト・マーテルの2CDの一方のカップリング、ドヴォルザーク「伝説曲」を。

わたしは、この曲が大好きなんです。
ドヴォルザーク40歳の1881年に、ピアノ二重奏曲として完成され、すぐに小規模オーケストラのための曲として編曲された。

全部で10曲からなる主題をもたない幻想的な組曲のような形態で、スラブ舞曲のようなリズム溢れる民族音楽でなく、そのスラブ舞曲にも内包されるリズムより哀愁メロディ優先の舞曲のようなものを集積した小品たちである。
伝説曲=レジェンド、とありながら具体性はなくって、リリカルで郷愁にあふれたメランコリックな小品の集まり。
 メロディメーカーとしてのドヴォルザークらしく、親しみやすい旋律が滔々とどこまでも流れ、やむことがないものだし、それが室内オーケストラによる軽めで透明感ある響き。
だから、とっても身近に聴こえて、どの曲も、暖炉のある部屋で、母親やお婆ちゃんの優しい物語をゆっくりと聴いているような感じなのだ。

どこがどうの、ということを10曲にコメントはできませぬが、ともかく10曲でひとつのイメージ。
それは、優しいメロディへの安心感でしょうか。
不安な日々、このようなシンプルでありながら、優しい包容力を持つ曲が、心に滲みるのでありました。

いくつかの録音がいまや出てます。
しかし、この曲、初の正規録音は、ラファエル・クーベリック指揮の珍しくもイギリス室内管弦楽団のDGのものでしょうか。
大昔、大学時代にNHKでBBC放送によるとみられる、このコンビのライブが放送された。
それを録音して、こんな素敵な曲があるのかと、何度も何度もカセットテープを流し続けた。その頃、ほどなくスタジオ録音されたこのコンビのレコードが発売されたものだ。
もう四半世紀になります。
まさに、レジェンド。
ドヴォルザークへの愛情に満ちたクーベリックのいたわるような指揮に、透明感と自発性あふれるイギリス室内管。
わたしにとって、この曲一番の演奏はゆるぎないです。

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おっ、境内のはるか向こうに、スカイツリーが。

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コメント

こんなステキな曲・演奏なのに、コメントがありませんので、ワタクシが(^o^)/
同様に、クーベリックとイギリス室内管による「伝説曲」の演奏が大好きであります。昔、LPのグラモフォン盤で購入し、大好きになりました。近年、CDで買い直しましたが、LPもいまだに持っています(^o^)/

投稿: narkejp | 2011年4月17日 (日) 08時23分

narkejpさん、こんにちは。
コメントどうもありがとうございます。
この曲のファンがいらっしゃって、とても嬉しいです!!
しかも、クーベリック盤でいらっしゃるとのこと。
レコードは買えなかったのですが、きっと雰囲気がもっと豊かなのでしょうね。
マッケラスやビエロフラーヴェクも出てるようですので、そちらも聴いてみたいと思っております。

投稿: yokochan | 2011年4月17日 (日) 11時47分

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» ドヴォルザーク「伝説曲」を聞く [電網郊外散歩道]
通勤の音楽、このところドヴォルザークの「伝説曲」(全10曲、Op.59)を聞いている。 この曲、最初に出会ったのは、ラファエル・クーベリックがイギリス室内管弦楽団を指揮したLP(グラモフォン、MG-1078)だった。1976年にロンドンで録音されたこのLPで、出だしの音から魅了...... [続きを読む]

受信: 2011年4月17日 (日) 08時27分

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