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2011年5月10日 (火)

「LET IT BE」 ザ・ビートルズ

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薔薇と東京タワーです。

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ビートルズの名盤、「Let It Be」です。

ポール・マッカートニーの結婚を祝して

そして、いまの日本に

1970年の発売のビートルズ最後のアルバム。
作品的には、これまた超名作の「Abbey Load」の方が後になるけれど、個性と才能あふれるメンバーたちがぎくしゃくしてしまった。

わたしは、中学3年でビートルズに目覚めたけれど、奥手で、まわりにはファンが一杯。
でも、第9や春の祭典や惑星、ディーリアスやリングを聴きながらビートルズを聴くヤツはいなかった。
いま思えば、逆にこんなわたしも、クラシックを友達に影響を与えることができていたようで、1000円の廉価盤を融通しあっていたもんだ。

そして、忘れもしない中学3年の冬休み。
ビートルズの映画3本だてを、東海道線に乗って、有楽町まで友達と観に行った。
「ビートルズがやってくる、ヤァ!ヤァ!ヤァ」、「HELP!」「LET IT BE」。
モノクロの渋い1作目、インド風エキゾティックで怪しげでドラッキーなヘルプ、そして4人がよそよそしいけれど、無口に音楽のみを求道してゆく姿とロンドンの街が印象的なレット・イット・ビー。
その後もテレビで何度も観たけれど、この時のスクリーンの4人は、ずっとずっと印象的に覚えております。
(ちなみに、この映画鑑賞のあと、銀座のヤマハに行って買ったレコードが、ブーレーズとニューヨークフィルのワーグナーだった)

この映画のサントラがこのアルバム。
ビートルズのアルバムで何が好き?と聞かれたら、口では「アビーロード」か「サージェントペパーズ」と言ってしまうかもしれないけれど、本心ではこの「レット・イット・ビー」かもしれないです。
ともかくレコードの溝が擦り切れるほど聞きまくり。

1.Two of us
2.Dig a pony
3.Across the universe
4.I Me Mein
5.Dig it
6.Let it be
7.Maggie mae

1.I’ve got a feering
2.One after 909
3.The long and winding road
4.For you blue
5.Get back


全部くまなく聴いていたけれど、やはり始終、針を落とすのは、A面の6とB面の3。
「Let It be」 と 「The long and winding road」でしたね。
いまでも、カラオケで歌っちゃったりしますよ。

このレコードは、生々しくシンプルなバンドをバックにしたサウンドで、それはあの映画の、たとえばアビーロードスタジオかどこかの屋上で大音量で演奏した場面そのものの雰囲気だったりする。その場面では、ロンドンのあの山高帽の警察官が屋上までやってきて困った顔をするなかで、平気で歌う4人組が、そのまま映されていた。
それこそ、Get Backでしたな。

聴きまくった2曲以外も、みんな大好き。
ジョンの不可思議な魅力の「Two of us」に、「Across the universe」
ポールのシャウトする若々しい声が素晴らしい「I’ve got a feeling」。
4人の中で、一番好きだったジョージの歌う「I me mine」とカントリーなタッチだけど哀愁あふれる「For you blue」。

そして、オーケストラ付きの「The long and winding load」は、思わず指揮してましたよ。
中学生ながら、この長くて曲がりくねった道ということは、これから歩む人生のような気がして、思わず目をすぼめて遠くを見てしまうような気分にさせてくれましたね。

「Let it be」、さきのロングアンド・・とともに、いくつかバージョンがあって、わたしは、LPのものがいまだに好き。

「Let it be」~なすがままに・・・・

このフレーズを何度も何度も口ずさみました。
なすがままに、なるようにしかならない。
こんな言葉が今もって心に響きます。

本来、原点回帰=シンプルなロック回帰を目論んでいたメンバーだけれど、その思いに反し、契約の問題やプロデューサーの関係などでアコーステックなバックを追加せざるをえなかったという。
そういう意味では、わたしが好んだ2曲以外の方がリアルな彼らの望んだサウンドかもしれない。
そして、それを汲みした音源が2000年代になって発売されたこともご存じのとおり。
タイトルに、NAKEDと付いたそのCDも購入したけれど、これはこれでよいのですが、曲順も違うし、慣れしたんだLPとどうも違う。

いずれにしても、ジャケットとともに、永遠のビートルズを私に刻みつけてる音源は、当初のものなんです。

Let_it_be

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コメント

こんばんは。
私、高三の夏休み、田舎から初めて東京に出て来て、その年の春、うちの高校に教育実習できていた美大生の先生と一緒に「ビートルズがやってくる、ヤァ!ヤァ!ヤァ」、「HELP!」「LET IT BE」3本建てを、わざわざ千葉の映画館まで見に行きました。当時のLPもシングル(モノでユーノーマイネイム入り)も持ってます。
あー、なつかしい!!

投稿: にけ | 2011年5月11日 (水) 23時46分

にけさん、こんばんは。
おっ、同じ組み合わせの上映をご覧になったのですね。

プリミティブなヤァヤァヤァ。
時代的にもシュールなヘルプ。
孤高のロック魂のLet it be。
3本ともに、忘れえぬ思い出です。
シングル盤をお持ちとはさすが!

メンバーの半分が物故してますが、彼らは永遠ですね。

投稿: yokochan | 2011年5月12日 (木) 23時44分

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