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2011年5月31日 (火)

ベルク ヴァイオリン協奏曲 パイネマン&ケンペ

Tokyotowerrose_2

ライトアップを再開した東京タワー。
週末は、ダイアモンドヴェールをおとなしめに、平日は腰から下を通常モードで。

夏バージョンになると白い光になるはず。
でも、この方が暖かみと落ち着きがあっていい。

芝公園のバラと一緒に。

Kempe_bbc

最愛のヴァイオリン協奏曲のひとつ、アルバン・ベルクの作品。

レアな組み合わせの1枚。
ドイツの女流エデット・パイネマンルドルフ・ケンペの指揮するBBC交響楽団
1976年のロンドン・ライブであります。

タワレコが復刻したDGに入れたドヴォルザークの協奏曲が人気を呼んだパイネマン。
わたしは、そちらはまだ未聴なわけだけど、パイネマンの名前だけは以前から知っていた。
レコード時代に、そのドヴォルザークのジャケットを店で見ていたし(買わないところがなんですが)、アバドの音源収集の中で、アバドが指揮したバッハの協奏曲のソリストをつとめている音源があることを発見していたけれど、その真偽のほどがわからない故に(アバドかどうか?)。
だからどうも謎というか幻っぽいヴァイオリニストに感じていた(聴いたことないのに)。

そして、ようやく聴いたのが、ベルクだった。

「ある天使の思い出に」 とスコアに記された、この甘味かつ陶酔的、そして宗教色や民族色も漂わせた協奏曲の魅力に、わたしはもうながらく取りつかれている。
精緻に、巧みなまでにイメージや仕掛けがその構成のいたるころに施されたベルクの作品の数々。
この協奏曲も例外でなく、アルマの娘マノンのこと、自身の恋のことなどを回顧しつつも、それらを綿密なる筆致でもって十二音技法による協奏曲の形式に封じこめた。

そんな巧みの作品を、パイネマンは繊細な音色のヴァイオリンでもって美しく弾いていて、これまでいろいろと聴いてきたベルクの中でも一番女性的で、透明感あふれるものであった。
これを聴いちゃうと、チョン・キョンファとかムターなどは、情が濃すぎて聴こえてしまう。
パイネマンは外に向かって音が放射してゆくのでなく、あくまで内向きに、感情の機微も控えめに捉えているように聴こえ、わたしはこの「控えめ」なベルクがいたく気に行ってしまったものだ。

ケンペのベルクというのも珍しいかも。
もちろんオペラ指揮者だから、ベルクはもちろん指揮していたはず。
広範なレパートリーを持ちながら、レコーディングに恵まれなかったので、こんなライブ録音が出てくると嬉しい限り。

ロイヤルフィル時代にグラゴルミサの録音があった、カップリングのヤナーチェクのシンフォニエッタは貴重だし、まして、英国もののティペットなどは驚きだ。
いずれも、ケンペらしい堅実でゆるぎのない真面目な演奏だし、ベルクもパイネマンを支える呼吸ゆたかな表情がとても新鮮に感じた。
ロンドンでの活動は、コヴェントガーデンとビーチャムのあとのロイヤルフィル。
その後が、晩年最後のポスト、BBC響だったけど、任期を残して亡くなってしまう。
いつも思うけれど、70年代亡くなったケンペとケルテスがもっと存命だったら。

Tokyotowerrose_3

 ベルク ヴァイオリン協奏曲の過去記事

 「シェリング&クーベリック」

 「ブラッヒャー&アバド」

 「渡辺玲子&シノーポリ」

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コメント

こんにちは。

パイネマン、くだんのドヴォルザークは愛聴盤です。
http://garjyu.at.webry.info/200805/article_9.html

濃厚なヴァイオリンも良いのですが、私の基本的好みは清楚なタイプですので、パイネマンはツボなのかなと思っています(たくさんの録音を聴いたわけではないので、確信はもてませんが。)。
ベルクの協奏曲、出ているのは知っていましたが、BBC LegensのCD、いままで買ったもののほとんどが、うちの安いシステムと相性が悪いのか鳴りが悪いので、これもそうではないかと、敬遠しとりました。しかし、こちらを拝見して、ムショウに欲しくなってしまいました。

投稿: garjyu | 2011年5月31日 (火) 08時05分

こんばんは。
ご無沙汰しています。大好きなベルクのコンチェルト。一番好みなのはフェラスです、聆子も。シャイーがキャンセルになり、ファウストも聞き逃し、欲求不満です。今年三月からキャンセルだらけで音楽聴いていません。一ヶ月間お風呂に入れなかったかみさんが、コシ、蝶々行くと言い出し元気を装い、ほっとしました。当方はベートーヴェン四重奏曲マラソンに、かみさんと別行動で、泊まりがけで、上京します。頑張れ、日本。

投稿: Mie | 2011年5月31日 (火) 22時14分

garjyuさん、こんにちは。
記事ご案内ありがとうございます。
未聴のドヴォルザーク、これは聴かなくてはなりませんね。
そして、パイネマンのほかの音源も探してみたいと思います。

わたしの装置は極貧ものですが、なかなか雰囲気よい録音に聴こえましたが、いかがでしょうか。
素晴らしいベルクに思いました。

投稿: yokochan | 2011年6月 1日 (水) 08時46分

Mieさん、こんにちは。
演奏会のキャンセルは、外来のみならず、国内演奏家や団体にも、払い戻しなどの資金負担で、おおきな影響を及ぼしつつあります。
あらゆるものが連鎖して、とんでもない日本になってしまいました・・・・。

そんな中で、新国は頑張ってますね。
こんなとき、蝶々さんを見たら泣いてしまいます。
奥様も調子が戻られなによりです。
そして、ベートーヴェン・マラソンですか!
3日間で全曲やるんですね。
大いに楽しまれることをお祈りしてます。

フェラスのベルクは未聴なのです。
フェチ曲ですから、きっと探し求めてしまうことでしょう。

投稿: yokochan | 2011年6月 1日 (水) 09時41分

管理人さん こんにちは。

ルドルフケンペのような棒はオケ界の全体的なクォリティアップに繋がります。
スタ―指揮者を持囃してますが、ケンペは良い仕事してますね~でした。
一番をあげればウィーンとのワ―グナ―管弦楽集からパルジファル前奏曲と聖金曜日の音楽などで、ウィーン特有の雑味を抑えた良い仕上げでした。。参考まではショルティは各オケの雑味を活かしますが…

投稿: マイスターフォーク | 2011年6月 1日 (水) 13時11分

マイスターフォークさん、こんにちは。
ケンペは、たしか札幌冬季五輪の時のミュンヘンフィル来日に来る予定が、病気で不可になったのでしたね。
あの頃から病弱というイメージがついてしまいましたが、音楽にはそんなことはまったく感じさせませんね。
そして、ミュンヘンオリンピックの乱射事件の追悼で、英雄を指揮する姿をテレビで初めて見ました。

いい指揮者でした。
わたしも、ご指摘のワーグナーは愛聴盤です。
トリスタンも同様に、すっきりとした演奏ですね。
ショルティは・・・、なるほど、ですね。

投稿: yokochan | 2011年6月 2日 (木) 09時51分

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