ベルリオーズ 幻想交響曲 ミュンシュ指揮
お待たせしました、月イチ小便小僧。
浜松町駅の端っこ。
5月は、お節句モードでした。
月末まで、まだやってます。
水溜めから勢いあまって、お漏らししちゃってますよ。
鯉のぼりに、金太郎に兜。
そして、日本への応援旗。
もりだくさんです。
そして、勢いありますな
そして、こちらも勢いじゃ負けてませんし、とても死を1年後に控えた76歳の指揮者によるものとは思えない燃えた「幻想」を。
月イチ「幻想交響曲」シリーズ。
ベルリオーズの幻想が、ベートーヴェンの死後3年後、第9の6年後、1830年。
しかも27歳いうのがなかなかにすごいこと。
そして、ファウストやロメオ、キリストの幼時、レクイエムなど以上に、最近は、ベリリオーズのオペラに開眼してきている。
トロイ人のような、長大な作品が魅力で、時間がないだけに困ったことになってきております。
「幻想」歴は長いけれど、はじめて聴いたのは誰の演奏だったか思いだせない。
モントゥーか、ミュンシュか、小澤か、だったかだけれども、一番強烈な印象を与えられたのは、ショルティとシカゴの剛毅な演奏。
シカゴの鋼鉄のような強靭な音塊にたじたじになったもんだ。
同時期に出たカラヤンの再録音も、目覚ましい録音で、ベルリンフィルのビッシリした豊饒サウンドに魅惑された。
それらは、きっといずれこのコーナーで取りあげるものと思う。
そして、定番ともいえる、ミュンシュの幻想に入っていったのは、その後のこと。
最初は、ボストンの1回目、次いで62年の2回目、そしてパリ管との67年もの(ハンガリーは聴いてないです)。
いやぁ、これらの幻想の一直線ぶりと、自信に満ちた自在さぶりには参りました。
私的には、ボストン2が、少しばかりヨーロピアンな感じがして好きなのでありますが、パリ管より、ほんの少しばかり大人しめに感じるところが面白いのです。
パリ管創設間もないこの録音は、同時期のブラームスとともに、オケも指揮者も気概に満ちたやる気満々の演奏をまともに捉えていて、あのEMI録音なのに、録音ホールが曲の進行とともに、熱気を帯びていって音の密度があがってゆくような感じになってるのがスゴイ。
いうまでもなく、最終楽章が興奮の坩堝なのだけれど、音がどこまでも輝かしく、小手先を弄さずに巨大なクライマックスを築き上げるさまが圧巻。
最後の和音を、こんなに延ばす演奏は、このミュンシュ&パリ管が随一かも。
全曲のいたるところに、長年、幻想を振り続けてきた自信と、気合いが感じられ、思わず、ハッとする歌わせ方や絶妙な間の取り方などを感じることができる。
そんな中で、第3楽章「野の情景」の抒情と情熱、その分裂の交錯は、ベルリオーズの音楽の本質を突いた素晴らしい聴きもの。
久しぶりに、ミュンシュ&パリ管の「幻想」を聴いて、この楽章に強く感銘を受けた次第でありました。
さぁ、来月は、どんな「幻想」が聴けますでしょうか。
「幻想交響曲」一覧
「ミュンフン&バステューユ」
「クリュイタンス&フィルハーモニア」
「アルヴィド・ヤンソンス&レニングラードフィル」
「マリス・ヤンソンス&バイエルン放送響」
「プレヴィン&ロンドン響」
「サヴァリッシュ&スイス・ロマンド」
「小澤征爾&ボストン響」
「ミンコフスキ&ルーブル、マーラー・チェンバー」
「パスカル・ヴェロ&神奈川フィル演奏会」
「ハイティンク&ウィーンフィル」
「アバド&シカゴ響」
「メータ&フィレンツェ五月祭演奏会」
「マリス・ヤンソンス&バイエルン放送響演奏会」
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コメント
定番中の定番ですね。オーディオ関係の友人と集まったときには必ずかけていました。あの荒々しいチューバが印象的でした。
ミュンシュ+幻想の映像はひとつ持っているのですが、残念ながらパリ管ではなかったです。
手持ちではミンコフスキーのが、オーディオ的には素晴らしい録音と思いました。あとはLPになりますが、ショルティ+シカゴかな?
投稿: ご~けん | 2011年5月16日 (月) 19時23分
こんばんは。ベルリオーズ博士ミュンシュ、パリ管。これは正統派フランスですね。ミュンシュ亡き後、カラヤンが音楽顧問でパリ管に就任し、ショルティに至るまでは何か因縁がありますね。(笑)
カラヤンの再録もゴージャスな響きで一押し。
唯一のオリジナル楽器のガーディナー。始めは抵抗がありましたが、後半のスピード感といい破壊力を感じさせます。
そういえば、浜岡原発停止になったのか、浜松町駅の小便小僧も節電で流水停止になるのかしら?神奈川のお茶から放射能が検出されたし、土壌は大丈夫かしら?浜松とお茶と静岡ブランドが危ない現状ですね。
投稿: eyes_1975 | 2011年5月16日 (月) 20時04分
こんばんは。
ミュンシュの幻想交響曲、スゴイですよね。これを初めて聴いた時、熱く燃えたぎるような演奏でビックリした記憶があります。今もLPで聴いています。愛聴盤です。
幻想交響曲、沢山聴いていらっしゃいますね。僕も大好きです。yokochanさんの一覧の中では、アバド&シカゴ響が思い出深いです。あと、ボクはハイティンク贔屓なので、彼が珍しくDECCAに録音したウィーン・フィルとの演奏にも一票。
これからのエントリーでは、チョン・ミュンフン&パリ・バスティーユあたりはいかがでしょうか・・・・録音が良いので大好きなんです。
投稿: mozart1889 | 2011年5月16日 (月) 20時39分
ご~けんさん、こんばんは。
そうです、まさに定番ですね、ミュンシュ&パリ管。
このEMIのart盤ですが、高音がちょっときつくて、かつてのレコード盤の方がトータルによかったような気がします。
幻想は、オーディオ的な楽しみも大きいですね。
ミンコフは、おっしゃるように素敵な演奏かつ録音でした。
CDでは、あとアバドとシカゴや、ゲルギエフとウィーンフィルも美しい録音でした。
ショルティ&シカゴはレコードは持ってませんでしたが、FM放送の録音を長く楽しみました。
強い音でした!
投稿: yokochan | 2011年5月16日 (月) 22時36分
eyes_1975さん、こんばんは。
ミュンシュがパリ管と、幻想を残してくれたことは、われわれにとって、ほんとうにうれしいことでした。
生粋のフランスコンビですが、ミュンシュの場合、アルザス・ストラスブールということで、ドイツテイストもうまい具合に配分されていて、剛毅さが同居してますね。ともかく素晴らしいです。
カラヤンもショルティも、できればパリ管と幻想を録音して欲しかったです。
後続の、バレンボイム、ビシュコフ、エッシェンバッハらがいずれも録音してますからよけいです。。
お茶の葉っぱの汚染は困ったものですね。
埼玉(狭山)なども大丈夫なんでしょうかねぇ。
原発、電気不足の並みが、だんだんと西進しつつあり、食い止められない政治に不安と不満を感じます。
そして、今日、阿蘇山が噴火。
日本列島の地殻が活発化しているようですねぇ。。。。
投稿: yokochan | 2011年5月16日 (月) 22時47分
mozart1889さん、こんばんは。
TBありがとうございました。
45回転レコード!
いやはや、懐かしいですね。LP末期にありましたね。
親戚で、通常LPで、このミュンシュ盤を昔、聴かせてもらい、音のよさに驚いたものですが、今回のART処理をされたCDは、かなり不満でした。
難しいものですね。
空気感というか、音以外の何かが伝わってこないもどかしさがありました。
ミュンフンは、前回取り上げましたが、そうです、勢いあるし、録音も実にいいですね。
同じコンビの、イタリアのハロルドも同じようによかったです。
次、誰の幻想にするか、月一回の楽しみです(笑)
投稿: yokochan | 2011年5月16日 (月) 22時53分
yokochanさん、こんにちは。
失礼しました、チョン・ミュンフンの幻想のエントリーを見落としておりました。
この演奏の熱っぽさ、素晴らしい魅力と思います。
ということで、TBを送らせていただきました。届きますかどうか。
投稿: mozart1889 | 2011年5月17日 (火) 18時35分
ミュンシュの幻想交響曲は強烈ですねぇ…。この曲は昔アラン・ロンバール指揮ストラスブール・フィルハーモニーで聞いた時、大阪のフェスティヴァルホールの床がマッサージ器のように揺れたことを思い出しました。
ものすごくよく鳴るオーケストレーションで、少々の難があっても楽しめる曲ではあります。でもミュンシュは凄いですね。ボストンとの二種に加え、コンサート・ホール盤やらハンガリーでのライブなど、色々と取りそろえていますが、パリ管弦楽団の演奏は特別ですね。
私は今、オッテルローの演奏を聞いていました。名高いベルリン・フィルとのものも良いのですが、録音が古いので、新しいハーグ・フィルとのものです。これもなかなかの演奏です(笑)。アバドやらデイヴィスのいくつかの録音など、忘れられないものが多数…。いやぁ面白いものです。
投稿: schweizer_musik | 2011年5月17日 (火) 19時21分
mozart1889さん、こんにちは。
ご返事が遅くなってしまいました。
ミュンフンの幻想は、まったく素晴らしいものですね。
あの頃のミュンフンが一番輝いていたように思います。
オケとの相性もばっちりでした。
TBもどうもありがとうございます。
投稿: yokochan | 2011年5月19日 (木) 10時40分
schaizer music先生、こんにちは。
コメント遅くなってしまいました。
ロンバールとストラスブールとはまた懐かしいですね。
エラートの録音の数々は、音のよさも魅力でしたが、ホールが揺れるという感覚は、まさにこの曲ならではです。
ミュンシュの幻想は、ボストン盤が一番馴染みがあるのですが、パリ管のものは熱気が独特でオケが燃えているのがよくわかります。すごいものです。
オッテルローには、ハーグフィルのものもあるのですね。ハーグフィルというと、コンサートホールレーベルを思い出します。たしか第九もあったような・・・・。
ロジェストヴェンスキーの幻想が抜群に面白いという話を聞いたことがありますので、探してみようと思ってます。
投稿: yokochan | 2011年5月19日 (木) 11時08分
>ミュンシュの幻想交響曲
懐かしいです。何度聴いたことやら。
端午の節句モードの小便小僧、ありがとうございます。満艦飾ですね。
投稿: | 2011年5月19日 (木) 22時46分
↑失礼しました。名前忘れました。
投稿: edc | 2011年5月19日 (木) 22時47分
おヒサシでございますm(_~_)m。
yokochan様ディスコグラフィーにない幻想、ワタシめは3枚持っておりますよ(^ー^)。
ミュンシュ+パリ管のライヴ(Altus)、マルケヴィッチ+パリ・ラムルー管(DG)、ケーゲル+ドレスデンフィル。面白いでしょ~~♪
・・・すみません、二枚目三枚目はほぼミチョモランマです(滝汗)。
聴こう聴こう。。。
一枚目は一昨年出た大ヒット盤です。テンション高く時に荒れ狂うような演奏ぶりが、大変気に入っております(^^)。
投稿: 左党 | 2011年5月19日 (木) 23時28分
euridiceさん、こんばんは。
みなさま、それぞれに、ミュンシュの幻想の思い出をお持ちで、さすがに名盤。
そして、5月は一ヶ月間、この勇ましい小僧です。
投稿: yokochan | 2011年5月20日 (金) 22時49分
左党さん、こんばんは。
お元気ですか!
マルケヴィッチ盤は、レコード時代に廉価盤で聴いた記憶があります。
ミュンシュのライブは、昨年出たヤツですよね。
気になってます。
しかし、幻想も多量にありますので、自粛です(笑)。
まだまだ、たくさんありますよ。
投稿: yokochan | 2011年5月20日 (金) 22時53分
お久しぶりです。幻想交響曲。大好きです。多種多彩なレコード!!による演奏を聴きました。今はSPのワルター指揮パリ管の演奏を愛聴しています。
しかし!!
私がこの曲のベスト演奏として今でも信じているのが秋田県秋田市立山王中学校吹奏楽部、木内博指揮の昭和47年の演奏です。吹奏楽コンクールで中学校の部で1位になった時のものです。
我ながら困ったモンだと思います^^;
今でもちょいちょい取り出しては繰り返してこの演奏を聴いています。あっという間に40年以上も前の中学生に戻ってあの時のドキドキ感がよみがえるのです。音楽の記憶ってすごいですよね。。
投稿: モナコ命 | 2011年5月22日 (日) 20時44分
モナコ命さん、こんにちは。
SP盤の幻想とはまた、雰囲気ありまくりっぽいです。
そして、秋田の山王中学校吹奏楽部とはまた、こちらも素晴らしそうな思い出につながる幻想です!
秋田は吹奏楽が盛んな県なのですね。
わたしの中学時代の音楽の思いでは、ワーグナーとビートルズと合唱コンクールです。
やはり、このあたりは今の私の音楽のキモになっておりますから、この頃の音楽体験は貴重なのですね!
投稿: yokochan | 2011年5月24日 (火) 14時54分