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2011年6月 8日 (水)

ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」 メータ指揮

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山の頂きと、見下ろす海。

毎度ご案内の吾妻山公園山頂です。

わたしが、麓にある小学校の生徒だったころは、こんな風にきれいに整備されてなくて、ただ単なる山の上で、あんまり行ってはいけない場所だった。
ただ、そこにあった神社は、由緒豊かで、お祭りもさかんで、出店も楽しかった・・・・。

いまや、JRで広域の方が乗り付けていらっしゃる名スポットとなりました!

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「幻想」の次は、「ロマンティック」。

表題もいろいろです。

幻想を思い求めて、ロマンを追い求めて、なにが悪い?
厳しい現実にこそ、こんな音楽の数々に身を投じて気分を紛らわすのであります。

ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」。

カラヤンとベルリン・フィルのEMIのレコードの録音から入門したこの曲。
中学生のわたくし、そして、それが初ブルックナーでした。
マーラーより、ちょっと早い出会いでしたね。

ブルックナーといえば、壮麗で輝かしいイメージを先に植えつけられてしまったのも、そのカラヤン演奏のおかげ。
もっと深遠で、崇高なイメージをさらに重ね合わせるようになったのは、ベーム、ヴァント(ケルン盤)や、ハイティンクを聴くようになってから。

そして、わたしの思いでの「ロマンティック」の1枚は、メータロスアンゼルス・フィルハーモニーのデッカ録音。

デッカ=ロンドンの売れっ子指揮者として、録音効果のあがるダイナミックな音楽ばかりで勝負して、ことごとくベストセラーを築いてきたコンビの1970年の録音。
R・シュトラウスや、ハルサイ、惑星、1812年などと同じ頃の録音で、UCLAのロイスホールでの目も覚めるような素晴らしい音がしっかり捉えられてます。

ずしりとした低音。はじけるようなティンパニ。輝かしい金管に、しっとりとした木管。
そして抜けるように鮮やかな弦楽器。
メータ&ロスフィルのイメージそのもので聴くブルックナー。

こんな耳のご馳走は贅沢な限りでして、いつまでも、どこまでもこのまま浸っていたいんです。
同じ系統のロマンティックに、これまた私の好きなバレンボイム&シカゴ響のものがありますが、あちらはもっと複雑で、妙にしんねりむっつりしてますが、メータ&ロスフィルはその屈託のなさといったらありません。
そして、ここのある音楽の音色の美感たるや、とてつもない魅力なんです。
 妙に考えすぎの、せせこましい音楽よりは、何十倍も美しい音楽に感じますよ。
そんな明るさと美しさのなかに聴く第2楽章は、意外や意外、ヨーロッパの教会のある街を思わせたりするんですね、これがまた。
メータの憎いほど、うまいところだし、ウィーンフィルとフィラデルフィアの良いところを目指したといわれるロスフィルの音ゆえ、そしてデッカの録音ゆえでございますねぇ。

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72年発売時のレコード芸術の裏表紙。
この美しいジャケットも魅力的で、レコード店で何度も手に取ってため息をついていたものです。

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男をあげた、大巨匠ズビン・メータの若き日々の演奏の数々を、いまこそ聴きましょう。
そして、廃盤の数々の復活を望む。
同じコンビのブル8なんぞ、聴いてみたいぞよ。

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コメント

お早うございます。メータの若き日の精力的なロマンティック、私も聴いてみたいです。本当にロスフィル時代のメータの演奏はお宝の宝庫ですよね。メータは私の記憶が正しければブル8を3回録音しているはずです。70年代前半にロスフィルを指揮して1回(CD化されています)、80年代にイスラエルフィルを指揮したライブLDでもう1回、そして90年代初めにイスラエルを指揮してCDを出しています。イスラエルを振ったCDは0番とカップリングされた2枚組で0番は悪くなかったのですが、肝心の8番がメータにしては覇気の無い演奏だったので手放してしまいました。ロスフィルを振った4番と8番は是非聴いてみたいです。80年代のLDは黒田さんが好意的に書いていましたからそう悪い演奏ではないと思います。DVD化に期待ですね。今の巨匠になったメータにブルックナー全集を作って欲しいです!

投稿: 越後のオックス | 2011年6月11日 (土) 10時15分

管理人さん こんにちは。

メ―タ―のアウトラインをキッチリ守りながら決して神経質にならない音楽は或る意味ブルッナ―の1面とはあってるかもしれませんね。。


メ―タ―の父上は音楽教育に活躍して指揮者としても活動してたそうですが、音楽は伝統に元ずき約束事、理論が9割で後は演奏者や楽団の個性が1割と常々話してたそうです!

私も時折思い出してます。

投稿: マイスターフォーク | 2011年6月11日 (土) 10時45分

越後のオックスさん、こんにちは。
メータの若き日々の演奏は、精力的であるとともに、大人びた風格も備わってました。
不敵な若き巨匠だったのです。

ロスフィルとの第8のレコードは2枚組のズシリと重いものでして、こちらもレコード店で手に取っては眺めるばかりでした。
そのジャケットもヨーロッパの森の美しい風景でして、それもまた憧れとして脳裏に刻まれているのです。
イスラエルとのものは、CBSだし、そのイメージがどうも先行してしまい、いまひとつ触手が伸びません。
あと、ウィーンフィルとの来日公演の音源がどうも素晴らしいようです。

メータのブルックナーは、あと、デビュー時の第9でしょうか。
これも長く廃盤で、困ったものです。
いまのメータに、ブルックナー録音、期待したいですね。

投稿: yokochan | 2011年6月11日 (土) 23時26分

マイスターフォークさん、こんにちは。
メータのブルックナーは、おおらかさを感じる点でもご指摘のとおりでして、アメリカの西海岸のオケを指揮して、ヨーロッパの音に近づけてしまうところもさすがに思いました。

メーリ・メータさんでしたっけ、父メータは。
個性1、あとの9は、いわば勉強や鍛練。
なるほどですね。
音楽の本当の在り方は、そういうことなのでしょうね。
個性の裏付けも、しっかりした勉学あってのものでしょうから!

投稿: yokochan | 2011年6月11日 (土) 23時32分

今晩は。若き巨匠だったころのメータのマーラーの巨人全曲と第10番のアダージョのCDが昨日やっと届き、若き日のメータならではの耳のご馳走をたっぷりと堪能することが出来ました。巨人は少し響きが明るかったり勇み肌だったりするところが気にならなくも無かったのですが、私が今までに聴いた全ての巨人の中でいちばん私の嗜好にあった演奏かもしれません。レニー&ニューヨークフィルの66年盤が今でも理想の巨人ですが、今となっては少し音が古いので鮮明なデッカ録音のメータに賭けてみたのですが大正解でした。ズービンは後にニューヨークフィルと1回、同じイスラエルフィルと1回巨人を録音していますが、どちらも彼にしては冴えない演奏のようです。40歳かそこらの若さでマーラー最後の作品である10番アダージョをここまで面白く聴かせてくれるのにも脱帽です。ちなみにズービンがイスラエルを指揮したシェーンベルクのペレアスは、ただ楽譜を音に置き換えただけのような信じがたいほどの凡演です。ブログ主様に「聴くな」などとおこがましいことは申しませんが、聴くのにはかなりの覚悟がいると思います。

投稿: 越後のオックス | 2011年7月26日 (火) 02時01分

越後のオックスさん、こんばんは。
メータの巨人は、わたしもデッカ盤のみの所有です。
ほかは聴いてません。
コメント拝読して、やはり、あの頃のメータの美質を感じ納得することができました。
複数録音ありますが、メータのマーラーは、デッカへの1~5番が一番いいのですよね。
同じく、シュトラウスもそうかもしれません。
でも、NYPOの英雄の生涯とツァラはいいですが。

そして、聴きたかったメータのペレアスは、そうなのですねぇ・・・。
残念ですが、がっかりしても、でも聴きたい(笑)
ペレアスでは、あと、ターゲットは、バレンボイム・パリ管です。

投稿: yokochan | 2011年7月26日 (火) 23時25分

やって下さいましたね!当時の『レコ芸』裏表紙の、KINGレコードの広告のアップ!
当時のオイル-ショックで値段が高騰する前、KINGは通常のレギュラー新譜は、SLC企画で2000円でしたが、もう一つ『ロンドン-デラックス-アルバム』と称するSLA規格の、2300円のシリーズもありました。アシュケナージの『ハンマークラヴィーア-ソナタ』『超絶技巧練習曲集』、ケルテス&ロンドン交響楽団の『新世界&オセロ』『レスピーギのローマの噴水&鳥』、そしてメータ&ロス・フィルの『春の祭典』『ツァラトゥストラ』‥等々がラインナップされてましたね。この300円の価格差、当時の『レコ芸』誌が380円ほどでしたので、かなりの物ではなかったでしょうか。
このメータの『ブル4』、最近オーストラリア-ユニヴァーサルから、eloquenceシリーズでリリース成り、愚生も買い求めた所です。ウィーン-フィルとのワーグナー/『マイスタージンガー』第1幕への前奏曲が、フィルアップされています。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年5月18日 (土) 12時16分

ロンドンレコードのデラックスアルバムは、そのジャケットが見開きで、数ページの解説もあり、ともかくゴージャスでした。
いまは、その豪華なジャケットにカビが発生していずれも処分してしまいましたが・・・
メータはロスフィル時代が一番好きです。

投稿: yokochan | 2019年5月20日 (月) 08時36分

メータの『ロマンティッシュ』、Maggio-Musicaleレーベルから、フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団を振った新盤が、出ているようですね。昨今の通例でライヴ収録と思われますが、旧盤に比してどの様な変化を遂げて居るでしょうか。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年11月13日 (水) 13時25分

フィレンツェでのライブ、某サイトの欲しいものリストには入れてありますが、きっと購入リストには、今後も入れないでしょう(笑)。
 来日中のメータが、大巨匠扱いされて、大絶賛ですが、今も昔も、わたしにとってのメータは、ロスフィルとウィーンのメータです。

ちなみに、フィレンツェと来日したとき、幻想を聴いてますが、そのときも、メータはいつものキレと恰幅ののいいメータでした。

投稿: yokochan | 2019年11月15日 (金) 08時35分

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