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2011年7月 1日 (金)

スーク 「アスラエル交響曲」 ノイマン指揮

Tomyankun1

スーパーで、その素が売っているので、買ってきて制作してみました。

「トムヤンクン」スープです。
パクチーが苦手なので、青物がなく、見栄え悪いです。

暑苦しい日にこそ、汗みどろになりながら、食す、アジアの一品。

クセになる、トムとヤムとクム。

Tomyankun2

残ったトムヤンクンに、具材をあらたに投入して、ナンプラーもさらに増し、生クリームも増やして、「トムヤンクンラーメン」の出来上がり。

これ、マジ、うまいヨ。

アジアの食も熱いヨ。

Suk_asrael_sym_neumann

アジアめしには、まったく関係なけれど、一度味わうと、探求したくなり、はまってしまう音楽。
わたしにとって、そんな類の存在となりつつある、チェコの作曲家ヨゼフ・スーク(1874~1935)。

世紀末作曲家と数えていいスーク。
ドヴォルザークの娘婿にして、名前をついだおなじみのヴァイオリニストの祖父。

敬愛する偉大な義父のもとに、国民楽派てきな音楽を書き続けたスークだが、今回の「アスラエル交響曲」あたりを境に、グッとその時代に密着した先端音楽に舵を切り替えた。
以前より書いてますが、マーラー、シュトラウス、シェーンベルク、ドビュッシー、ディーリアス、ツェムリンスキーなどに類する曲調。
そして、わたしに耳には、アーノルド・バックスの大自然をシャープに捉えた音楽にも通じて聴こえる。
 ともかく、そちらのたぐいの音楽には、むちゃくちゃ嬉しくなってしまうワタクシです。

これまで、弊ブログでは、来年のバイロイトリングと、K・ナガノ後のバイエルンを任された、キリル・ペトレンコの指揮による2枚を取り上げてきました。

そして、今回、チェコの大家、ヴァーツラフ・ノイマンチェコフィルハーモニーによるスークを取り上げることとなりました。
まさに本場の演奏。
でも、音楽はドヴォルザークの延長ではなくって、マーラーの延長として捉えられたスーク演奏。

「アスラエル交響曲」は、1906年の作品で、スーク32歳。5楽章からなる大きな曲。

この交響曲は、スークにとって先に記したとおり音楽的なターニングポイントになったが、それ以上に、そしてそれと不可分に、自身の境遇に巨大な出来事がふりかかった。

義父ドヴォルザークの死が1904年。
そこで一念発起して、大交響曲を書くべくとりかかったのが、この作品。
そして、1905年、愛妻、すなわちドヴォルザークの娘オティリエが急逝してしまう。
1898年に結婚したばかりで、若い妻を亡くしてしまったスークの相次ぐ悲しみへの落胆ぶりは大きく、3楽章までを完成していた、この交響曲に「アスラエル」という題名をつけることとなった。
その意味は、「死者の霊にともにある天使」のこといをいうそうであります。

だから、4楽章の深い抒情に彩られた美しさと悲しみを感じさせる音楽は絶品で、濡れたようなヴァイオリンソロが素晴らしい。単独でも、ときおり聴いている楽章です。
 義父の死を悼んでの前半は、宿命的な運命が厳しく描かれ、第1楽章では、そんな中にも懐かしいフレーズや自然賛歌も歌われる。
幻想風な葬送の音楽、第2楽章は月の明かりを感じさせる義父の「ルサルカ」のように感じたし、葬送の淡々としたところは、ショスタコみたいに無感情だったりする。
 「死の舞踏と甘味な追憶」とされた3楽章はスケルツォ。
そして、愛妻の死の悲しみを思いつつ書いた4楽章に続く、終楽章は、ティンパニの意を決したかのような連打で始まり、現実を受け止め、前に向かわんとする意思力と、不思議な明るさをもたらせつつ静かに大曲を閉じる。

充実の50分あまりの大交響曲。
何度聴いても、まだ全貌は測りがたいものがあるが、私には尽きせぬ魅力をもって迫ってくる音楽。
マーラーの死の前の作品。

ノイマンとチェコフィル
渋さとオーケストラのふくよかな美音が、スークの世紀末ムードにぴったりで、ウィーンやベルリンとも違った一流のマーラーオケであることに納得できる。
ノイマンの柔軟な指揮ぶりと、時に鋭さを持ち合わせるところは、すすがのもの。
鋭利さと、大人の味わい深さのノイマンです。



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コメント

以前クラヲタの会でお会いしたノイマンファンです。実は私ノイマン指揮のアスラエル交響曲、当然CDはもっているんですがあまり聴かないというか…私の中では印象の薄い演奏なんですが、今回こちらのブログを拝見しまして、また改めて聴きなおしてみようという気になりました。

投稿: ノイマンともこ | 2011年7月 2日 (土) 13時13分

ノイマンともこさま、こんばんは。
ご無沙汰をしております。
さすがは、ノイマンともこさん、ノイマンのスークもお持ちですね。
地味過ぎる曲です。わたしも、何度も何度も聴いて、ようやくその印象をまとめることができました。
マーラーや後期ロマン派の一脈として聴きました。

ノイマンのマーラーをゆっくりと聴いていきたいと思ってます。

投稿: yokochan | 2011年7月 2日 (土) 23時21分

管理人さん こんにちは。
珍しい懐かしい曲紹介ありがとうございました。

ノイマン・チェコのマラ3好きです…中間楽章のボヘミヤの森の散策が楽しいですよね

確かにマ―ラ―多様さの一面があります。

投稿: マイスターフォーク | 2011年7月 3日 (日) 09時09分

マイスターフォークさん、こんにちは。
スークとの出会いは、まだ日が浅いですが、後半の作曲様式が、わたしの嗜好にズバリでしたので、お気に入りです。

ノイマンが、この曲に録音を残してくれたことは、ほんとうに嬉しいことです。
マーラーの3番は、まだCDとしては持っていませんが、N響ライブを録音して聴いておりました。
これからチェコフィルとのふたつの録音に挑戦していきたいと思ってます。

投稿: yokochan | 2011年7月 3日 (日) 14時38分

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