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2011年7月13日 (水)

ストラヴィンスキー 「春の祭典」 シモノフ指揮

Mikotsuru

思わず、吹き出します

音楽もたくさん聴いてくると、思わずそうしちゃう演奏もあるよね。

え、違う違う、これ、お酒ですよ。

Mikotsuru2

でも、こんなポップなラベル。
あわあわ、と吹き出してきて、思わず、ボトルにお口で栓をしてしまいましたよ。

Mikotsuru3

日本酒です。
下諏訪の菱友醸造の「御湖鶴(みこつる)」。
純米活性にごり酒なのでした。
東京駅の駅ナカの「はせがわ酒店」にての試飲販売にて、まんまとはまって購入。

暑い日々に、この強い発砲性とすっきりとした純米独特の酸味。
おいしくて、30分もしないで完飲。
女性にも受けますね、これは。
でも、調子よく飲めるので、酔いますよ、お客さん。。。。。

Stravinsky_the_rite_of_spring_simon

いや、それにしても暑いです。
暑さに疲れちゃいます。
暑さはあと2カ月くらい、9月下旬まであるけれど、8月のお盆過ぎには、朝晩が急に過ごしやすくなります。
それまでの辛抱。
嘘つきっぽい、電力供給予測なんて、ほんと、何を信じたらいいんだろ。

暑いから、暴力的に、そしてうっとうしい音楽を。

ストラヴィンスキー「春の祭典」。
先週、「ペトルーシュカ」を聴きましたが、やはりこちらも。
変拍子と不協和音吹き乱れる難解音楽のかつての代表も、いまや耳が完全に慣れてしまって、鼻くそほじりながらホイホイと聴けちゃう音楽になっちまった。(注:実際には鼻くそは掘ってません)

高校の音楽の授業で、先生がこの曲のレコードをこれ見よがしにかけた。
当然にこの曲が手中に入っていたワタクシは、へでもなくすらすらと聴いた。
でも、その時は未聴だったマルケヴィチの演奏で、当時メータやアバドのハルサイに慣れていた自分には、ちょっと古風な演奏に聴こえたものだ。
そして、ほかの生徒諸氏は、まったく無反応。
クラシック音楽、十羽ひとからげ(ちなみに、のちに十羽ひとからあげ、と呼ぶ人に出会いました・・・)の当時の無関心生徒さんには、モーツァルトだろうがハルサイだろうが、関係ねぇ的なことだったのでございましょうね。
 若い先生は、悔し紛れに、意地になって、「へたなロックや、ジャスを聴くよりは、この曲の方が、よっぽどマシだと思いますよ!」なんて、それこそ十羽人唐揚げ的な発言をして、その場をシラケさせておりました。

クラシックに興味のない人には、「春の祭典」がどんなに、びっくらこいた凄い曲といっても、わからないのであります。

そして、ハルサイに慣れ切った現在=にゃう(NOW)。
アマチュアオケもすらすら演奏しちゃうし、指揮者も軽々と指揮してしまう。
そして、豊富な音源。

そんな中から、最安値音源をチョイス。

駅ナカでは、酒も買えるが、ロイヤルフィルのCDも買える、いまや便利な改札圏内の世界なのだ。
ロイヤルフィルのシリーズは、多くの方がたくさん書いてらっしゃいますが、わたしもごたぶんにもれず、ハンドリーやシモノフのものを中心に集めました。
税込315円也は、かなりイマイチのジャケットを我慢しても、充分に満足できる。
飲み屋の生ビールより安いんだもん。

爆演とお笑系パフォーマンスの代表格、ユーリ・シモノフ
1970年のボリショイ劇場来日公演で、ロジェストヴェンスキーとロストロポーヴィチというふたりの個性豊かな指揮者とともに来日したときは、痩せた紅顔の青年だった。

  →Simonov (再褐ですが)

数年前に、モスクワフィルとの来演で、チャイコの白鳥の湖と5番を聴いたときに、度肝を抜かされた。
ともかく大音量で、それを微に入り細に入りコントロールする技量と、その時のおかしな仕草。
いま思い出しても「吹き出します」。(笑)過去記事こちら

そのイメージのままに、この「春の祭典」を聴くと少し肩すかしを食いました。
ひとつには、この人はライブで乗る人だということ。
アンコールを懐中時計を出しながら嫌々といった風情で何発も連発する興の乗り具合でわかるように、聴衆と一体化を感じながら指揮するのが好きなんだろうと思います。
そして、同様なことがオペラ指揮者だということ。
その場でおきるいろんなことに対応しながら、ひとつにまとめ上げてゆく苦労と楽しみを知悉しているんだと思うから、スタジオでは乗り切れない。

そんな思いを抱きつつも、このハルサイは充分に個性的であります。
ひとつは、重量感。
イギリスのオケ、それもロイヤルフィルから、腰の据わった重心の低い響きを導きだしております。
重戦車級の突進・突撃は聴いていて、野暮ったいけれども快感だったりします。
それとひとつは、歌わせ方の魅力。
静かな場面での情のこもり具合が、かつてのロシア・ソ連組のこってり感とは違った、音楽の在り方として無理がなく汎用性にも欠かないところがいい。
そして、最後に、やるときゃやる!
決めどころは、大見えきっえ、仁王立ち。
エンディングもドッカンときましたよ!

夏のハルサイ。
吹き出すハルサイを求めて、皆さん、いかがでしょうか。
その定番は、おげれつな、Mさんがお上品なVフィルさまたちに鞭をくれて、ヒイヒイさせてしまったあの1枚でございましょうかねぇ・・・・。

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コメント

管理人さん こんにちは。

私の町では7月前半でこれほど暑いのは記憶にありません。。

シモノフの祭典のオケは汗一つかいてないのがスゴいですね!
同郷で作曲家で指揮者からですが、楽譜を音にする力はイギリスが世界1でアメリカはスタイル適応性がイマイチで組合とのすり合わせも難関だそうです。


私はタンドゥンのシンフォニ―で汗かいてますがミニマムも爽快ですね。

投稿: マイスターフォーク | 2011年7月14日 (木) 13時20分

シモノフの爆演、けっこう好きです。こちらのロイヤルフィルとの協演があるとは知りませんでした。シモノフのCDはネットでマニアックに購入していたのですが、東京では駅構内で売っているんですね。
やっぱり「東京もんにはかなわねえだ^^」
「オーケストラがやって来た」という番組が子どもの頃に放送されていまして、毎週楽しみに見ていました。そこに山田一雄先生が日本フィルかなんかを指揮して、「この曲は演奏すること自体が極めて大変で、どのパートも難易度が高く、とりわけ指揮者の技術が問われ。。」と延々と説明の後に、今にしてみるの大混乱のぐだぐだの演奏をしていたことを覚えています。ショルティの演奏を高校生の頃、「すげーなー」と思って聴いていたことが昨日のようです。

投稿: モナコ命 | 2011年7月14日 (木) 19時04分

マイスターフォークさん、こんにちは。
関東もいやになるほどの暑さですが、秋田も暑いのですか!
日本中、熱帯エリアと化してしまいました。

ゆえに、ハルサイのような暑苦しい音楽も聴きたくなりました。
英国オケとアメリカオケとの違い。
確かに、ご指摘の通りに感じます。
オペラの録音が、英国オケばかりだった時代が完全に物語ってます。
ナクソスのオペラ録音は、地方オケやオペラ団のライブ。
今後もしかしたら、韓国や中国のオケによるオペラスタジオ録音も出てくるかもしれません(??)
垣根は完全になくなりつつあります。

ダンドゥン、ご検討をお祈りします!

投稿: yokochan | 2011年7月15日 (金) 22時28分

モナコ命さん、こんにちは。
シモノフの爆演は、ネット上でもかつて話題でしたね。
これだけ個性的な指揮者は、本来もっと聴かれてしかるべしと思ってたら、これら激安CDになってました。

直純さんの、オーケストラがやってきたは、日曜午後の楽しみでした。
ヤマカズさんの、あの指揮。
あれも華麗かつ不明なものでしたね。
あの勢いで振るハルサイは、想像するだに面白いものがあります(笑)。

投稿: yokochan | 2011年7月15日 (金) 22時34分

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