« 「バイロイト音楽祭2011」 勝手に総括 | トップページ | ディーリアス 「コアンガ」 グローヴス指揮 »

2011年8月 6日 (土)

もう一度、HIROSHIMA交響曲

Hiroshima_dome_2

8月6日、広島に原爆の投下された日。

66年前の出来事はまだ風化されません。

Hiroshima_dome_3

今年は、未曾有の大震災と原発の破綻事故とで、広島と長崎がより迫真的にわれわれに迫ってきた年。

わたしたちの、生活感・人生観を書き変えてしまうことにもなった大震災。

そして、音楽界はいくつものキャンセルに加えてチャリティコンサートの渦。
おかげで聴かれなくなってしまった曲目も多い。

記念年でいうと、マーラーは、多面的だし人気もあるので不変。
でも、リストは地味すぎて、埋没してしまいそう。

Hiroshima_dome_1

しかし、今年7月20日に、突如としてあらわれた巨大な彗星のような1枚のCD。

発売以来、その80分の大曲を何度聴いたことでありましょう。

原爆の日の今日、3度聴きました。

それは、平和記念公園での某首相の虚しいスピーチなどよりも、はるかにずっとずっと、人の心を揺り動かし、そして悲劇の暗さと平和への力強い推進力とメッセージに満ちあふれたものなのでした。

被爆2世にして、全聾の作曲家は、奇跡に値する天才的な作曲家でもあった。
努力と希望をその力に変えてしまい、聴く人、その書籍を読む人すべてに、明るい未来の見える力を与えてくれる。

後期ロマン派、そしてそれを超える異次元の作曲家が、こうして日本に厳然と存在することを、世界に向かって発信したい。

Hiroshima_dome_4

 

原爆ドームの周辺は、都市開発が進み、マンションも立ち並んでいる。

この川に何人の人々が熱さと苦しみで飛び込んだことでしょう・・・・。

Hiroshima_dome_5

まだお聴きでない方は、是非とも一聴を。

わたしは、震災のすぐあとにこれを知り、あの津波の悲劇的な映像をオーヴァーラップさせながら、この壮絶な音楽を聴きました。
でも、最後は、本当に心の底から感動を味わえます。

それは、原爆のふたつの街の今すでになった復興と、いま進みつつある被災地の復興に、力強い輝きをもたらす輝かしい感動なのでした。

しかし、現実は厳しい。
復興を阻む、戦後日本の体制と政治のあり方。
国も地方も、いまの政治家と役人たちに任せておいたら沈没してしまう。

|

« 「バイロイト音楽祭2011」 勝手に総括 | トップページ | ディーリアス 「コアンガ」 グローヴス指揮 »

コメント

8月6日はちょっと長崎に行っていたので
平和祈念像と爆心地の碑の前で手を合わせてきました。
碑の前の木陰で子猫が平和にまどろんでいました。

アニヴァーサリーといえば、今年は苦難の交響曲作曲家
アラン・ペッテションの生誕100年です。
この人の生涯、佐村河内氏とオーバーラップするものがあります・・・。

投稿: 木曽のあばら屋 | 2011年8月 7日 (日) 20時50分

木曽のあばら屋さん、こんばんは。
長崎にいらっしゃいましたか。
あちらの平和の像はまだ見たことがありませんが、日本人として、一度は伺いたいと思ってます。
広島のこちらにも、ねこがあちらこちらにおりました。

ペッテションは、以前コンサートで何番か忘れましたが短めのものを聴いたことがありますが、忘却のかなたでした。
その生涯もともに気になるシンフォニストですので、探訪してみたいと思います。
ご案内ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2011年8月 7日 (日) 23時28分

私はこのようなコアなスレにレスできるほどの者でなく、まだクラシックファンというか交響曲ファン歴、たったの6年生です(__)

ですから必死で聴き漁った交響曲は一通り名曲と呼ばれる古典派とロマン派のものばかり・・・・・。私が付いていけるのはかろうじてショスタコーヴィチまでで、感性が鈍いのか、それ以降の現代音楽なるものは音楽とも感じられず(すみません、どこからか石が飛んできそうです(^-^;)・・・・

そこへ突然佐村河内守という人が目の前に現れました。

久しぶりにタワーレコードにいくと、聞いたこともない名前の作曲家の交響曲が辻井伸行くんをおさえて堂々第一位!佐村河内守交響曲第一番《HIROSHIMA》のドでかい特設コーナーも発見!

試聴しながら足は奮え、鳥肌が込み上げてきました!

すみません新米なもので皆さんのように論理的に表現できませんorz

とにかく、僅か6年間ではありますが、最大のショックと最大の感動を味わいました。


何度聴いても飽きません。いや、聴けば聴くほどその曲の魅力は増していきます。

本当に宝物を見つけた感覚で毎日が嬉しくて仕方ありません。


素人のアホな感想をすみません、どうしても書きたくなりました。

失礼をしました。

投稿: 6年生 | 2011年8月10日 (水) 20時26分

“原爆は絶対悪”とは佐村河内守の名言であるが、八月六日、私は黙祷した。
私には理解不能だが、現代音楽で最も崇拝されているというジョン・ケージ殿、【アメリカ人】だとかw
被爆二世の【日本人】の佐村河内守が暴力でなく音楽でお返しだ!
メガトン級の《HIROSHIMA》を喰らったら現代音楽界は20万人どころの犠牲じゃ済まないな(アーメン)

おっと、こりゃ言い過ぎました。
管理人様、ヒロシマの20万人の死没者の方々に免じてこれくらいの暴言はどうかご容赦下さいm(__)m


ヒロシマの死没者の方々に心からの哀悼のまことを捧げます。

投稿: 雷 | 2011年8月11日 (木) 00時27分

6年生さま、コメントどうもありがとうございます。
ご謙遜なさらずにどうぞ。
佐村河内交響曲をしっかり受け止められた感性はなかなかのものでいらっしゃいます。
40年生くらいの、わたくしなぞ、最初はあれこれあらさがしをしてしまう聴き方をしてしまいましたから。

この曲の登場で、わたくしも、この半年間の音楽の聴き方が変わりました。
こんなにひとつの曲を何度も繰り返し聴くことは、かつてなかったことです。

どうもありがとうございました。

投稿: yokochan | 2011年8月11日 (木) 09時27分

雷さま、コメントどうもありがとうございます。
なかなか過激なるコメントですが、この交響曲の衝撃はドデカイものがありました。
私も、音楽の聴き方・楽しみ方が変わってしまった感がありますし。

広島に、そして、人間に向けた大きなメッセージをしっかり受け止めたいと思います。
どうもありがとうございました。

投稿: yokochan | 2011年8月11日 (木) 09時38分

女ですが、一言でいいから仲間に入れて下さいな。

佐村河内守さんの交響曲第一番《HIROSHIMA》は歴史に遺る大傑作です。

私の耳に狂いなし、絶対です。

投稿: 晶菜 | 2011年8月20日 (土) 14時30分

晶菜さま、コメントどうもありがとうございます。
女性も男性も、この大交響曲は等しく素晴らしく響きます。
ほんと、大傑作です!

投稿: yokochan | 2011年8月21日 (日) 11時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: もう一度、HIROSHIMA交響曲:

« 「バイロイト音楽祭2011」 勝手に総括 | トップページ | ディーリアス 「コアンガ」 グローヴス指揮 »