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2011年8月 5日 (金)

「バイロイト音楽祭2011」 勝手に総括

Bayreuth2

バイロイト祝祭劇場の様子を、Google Earthで見てみました。

憧れの聖地です。

Bayreuth1

衛星写真から俯瞰すると、劇場はこんな感じ。
下は鉄道。
まさに緑の丘の上にあります。
街じたい、こじんまりした、いい雰囲気のバイロイトでございました。
死ぬまでに行けるかなぁ・・・・。

へんてこな「タンホイザー」新演出からスタートした2011年バイロイト音楽祭。
かつては、音楽の模様はその年の暮れのNHKFM放送まで待たなくてはならなかったが、いまやリアルタイムで確認できることに。

このままだと、暮れは忙しいし、年末バイロイトは自分的には衰退してしまうかも・・・・。
40年近く続いた自己の慣習ゆえに、なんともいえない心境であります。

さて、「タンホイザー」以外のプログラムを流し聴きしましたので、上演順に、そのレヴューをチョー簡単に。

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「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

「いつも、どうも曾孫がお世話になっております。」・・・・・
とおっしゃっております。

大ワーグナーの曾孫カタリーナの演出は、もういわずもがなのカリカチュア的・自己批判的過激演出。

どうもいかんです。

相変わらずのブーイングに、彼女も慣れ切って、さらなる上を違った意味で志すことでありましょう。
とほほ。

歌手は一新。
そしてかなり頼りなく、気合をいれたくなる。
バレンボイムの秘蔵っ子ブルクハルト・フリッツのワルターは、甘すぎで個性薄。
ローエングリンにシフトしたフォークトの方が甘いけど個性的だった。
ザックスのJ・ルーザーフォードは、2年目だが若々しいのみで頼りない。
唯一、おなじみのカウネのエヴァのみ、しっかりした歌です。
ヴァイグレの指揮は、濃淡が以外と豊かで、味つけもよろしく、かなり良くなってきてます。

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「ローエングリン」

ノイエンフェルスのねずみちゃんローエングリン。
NHKでライブ中継されますが、どうも録画できそうにありません。
DVD化を待ちましょう。
ブーもありましたが少なめで、聴衆はタンホイザーとマイスタージンガーに疲れてしまったのでしょうかね。

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あらら、わたしのアンネッテちゃんが。

音楽のほうは、かなりいいです。
まず、わたしのアイドル存在、アンネッテ・ダッシュの迫真的なエルザが素晴らしいです。
生真面目さと、不思議ちゃんがミックスしたような心に迫る歌です。
アンネッテちゃん、ダブルキャストで、後半は降りてしまいそうです。

そして、お騒がせカウフマンが降りてしまい、フォークトにお鉢が回ってきた。
ローエングリンを歌いこんできた自信と、美声がより磨き抜かれ、なかなかの騎士ぶり。
ユニークな白鳥の騎士の登場でした!
テルラムント夫妻も今年は切り替わった。
トマッソンにP・ラング。どちらもおなじみ。そして良いと思います。
去年のヘルリツィウスも素敵だったのですがね・・・・。
ネルソンスの指揮、今年は格段に落ち着きと輝きを増して、いいと思いますね。
全曲終了後の空白の沈黙が気になります・・・・。

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「パルシファル」

過激がウリのヘルハイム演出も、いまや、バイロイトではごく普通みたい。
オカマチックでもっこりのクリングゾルの画像が妙に脳裏に残り、ベニスに死すみたいな少年や天使が、イエスみたいなアンフォルタスが見え隠れする舞台。
これはよくわかりません。いまだに映像も出てません。

こちらも配役がよく変わります。
常連組では、グルネマンツのクワンチュル・ユンの安定感と美声が相変わらずひきたつ。
この人、この劇場になくてはならぬ人になってしまいました。
パルシファルのサイモン・オニールはニュージーランド出身の期待のヘルデンで、これまたバレンボイムの影響下にある人。
そんなにヘルデンじゃなくて、リリカル。威勢はいけど一本調子。
その具合が、なかなかに考えなしでよろしい。
これまでに聴いたことなかったイタリアオペラみたいなパルシファル。
ドミンゴなんかより、ずっと好きだな。
我らが美穂子さまのあとを継いだマクリーンのクンドリーは予想外に豊かなメゾの音域を聴かせてセクシーでよかった。
 そして、ガッテイの麗しいくらいに流麗で軽やかスマートなパルシファルも完成系に近づいてきた。
来年あたりライブ録音して欲しいもの。

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「トリスタンとイゾルデ」

これはまだちょい聴きのみですが、音楽面での安定感と説得力は今年の演目のなかで群を抜いてます。
シュナイダーの指揮は、年々重厚感を増し、早めのテンポが信条のシュタインのような音楽造りが、徐々にそのテンポも増して遅く重くなってきた。
いまや、もっとも信頼できるワーグナーやR・シュトラウス指揮者のひとりです!
スミスとテオリンのトリスタンとイゾルデ。
なにもいうことはありませんね。
演出は、ファンタジー不足ですが、定番と化した安定的な充実演目となりました。
2005年、大植英次指揮で始まった、このトリスタンは、たぶん今年でお終い。

来年は、音楽監督的存在のティーレマンの「さまよえるオランダ人」。
そして2013年は、演劇系(と思われる)カストール(Frank Castorf)の演出、次期バイエルンの指揮者キリル・ペトレンコによる「ニーベルンクの指環」。
2014年は、フィリップ・ジョルダン指揮の「パルシファル」
さらに2015年は、カタリーナ演出・ティーレマン指揮の「トリスタン」と続きます。

きっと、へんなだろうな・・・、という演出への思いだけが先にたつけれども、やはりバイロイトは特別な場所。
劇場のソノリティ豊かなサウンドをネットを通じてでも確認でき、拍手にブーに足踏み。
それらの聴きなれた音を、是が非でも現地確認したく思います。

それを目標に生きているといっても過言ではない、このつまらない日本の日々。

おバカなワグネリアンは、明日も夢見て生きるのでございます。

以上、終わり。

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コメント

こんにちは、yokochan さん。  先日は暑中見舞いのコメント、ありがとうございました♪

先日の「ヘンテコ・タンホイザー」のエントリーにも笑わせて(?)いただきましたが、どうも最近のバイロイトはちょっとねぇ・・・・。  KiKi にとってもあそこは聖地で、生きている間に1度は行ってみたいものだと何度も夢想し、かつては「行けなくても我慢するもん!  勝手に1人バイロイト音楽祭」な~んていうシリーズ・エントリーまで書いたものでしたが、最近は「行けなくてもま、いっか。  KiKi が勝手に夢想する理想のバイロイト音楽祭」というエントリーしか書けなくなっちゃったような気がしないでもありません(苦笑)

でも、yokochan さんのこのエントリーを拝読して、シュナイダーの「トリスタン」だけはちょっと聴いてみようかな?な~んて思っています(笑)。

それにしても、カタリーナの「マイスタージンガー」の大ワーグナー翁のカリカチュア。  ちょっと不気味じゃありません??  

投稿: KiKi | 2011年8月 6日 (土) 07時01分

kikiさん、こんばんは。
コメントどうもありがとうございます。
また暑さが、蒸し暑さとともにぶりかえしてきました。
気をつけてくださいね。

そう、ヘンテコだらけのバイロイト。
普通の演出は、どんどん、それ系の演出に切り替わっていきます。
全演目がそうなってしまうのは、来年からでしょう。
普通に感動できる上演が味わえるのは、もしかしたら、日本の新国と二期会だけになってしまうかもしれません。

夢想のバイロイト=60年代にタイムトラベルしたいです。

だがしかし、どんなへっぽこでも、あの緑の丘にいつかは行ってみたいです!

大ワーグナー以外にも、大作曲家のキモイかぶりもの、登場してますよ(笑)

そして、シュナイダーのトリスタンは模範囚です(笑)、是非。

投稿: yokochan | 2011年8月 7日 (日) 00時29分

こんにちは
暑くなりましたね。

まだローエングリンまでしか聴いていませんが、
>ローエングリンを歌いこんできた自信と、美声がより磨き抜かれ、なかなかの騎士ぶり。

今までのフォークト・ローエングリンより気に入りました。生放送というのは、あまりよくないですね。とにかく長い。録画がうまくいっても、DVDに落とすのが面倒です。私が使いこなしてないだけでしょうけど、デジタルのDVDレコーダー、ややこしいです。

投稿: edc | 2011年8月 9日 (火) 09時16分

euridiceさん、こんにちは。
いやはや、今日は暑かったです。
かなり歩きまして、恥ずかしいくらい汗をかきました。
水がおいしいです!

フォークト君、今年はよかったのではないでしょうか。
ネズミ演出も、フォークトとダッシュで救われているかもです。
放送は、そもそもBSのみ未デジなので、見ることも録画することもできません。
昨年のワルキューレは、編集とDVDへの焼き直しがやたらと大変でした。
ホント、困ったものですね。

投稿: yokochan | 2011年8月 9日 (火) 23時41分

Yokochanさん、こんにちは
NHKオンデマンドならパソコンで8月25日までみられます。幕間はなく、一幕ずつ(各210円)購入できて便利です。

投稿: | 2011年8月18日 (木) 18時00分

ごめんなさい。名前わすれました。

投稿: edc | 2011年8月18日 (木) 18時02分

再々おじゃまします。8月29日まででした。

投稿: edc | 2011年8月18日 (木) 19時44分

euridiceさん、こんにちは。
これはまた、貴重な情報をありがとうございます。
この週末に是非にも観てみたいと思います。
楽しみです!

投稿: yokochan | 2011年8月19日 (金) 11時54分

ローエングリンを始めてゆっくり鑑賞しました。
そうです今年のバイロイトの生放送・・・。
とてもビックリした演出でそのストーリーとあわせて私にはドぎつすぎたって感じです。最後に出てきたへその緒のついているゴットフリートは気味悪く、このオペラは何なのだろうって感じでした。そこでケンペのウィーンフィル盤、サワリッシュのバイロイト盤、ワルデマール・ネルソンのバイロイト盤をあっち見、こっち見してそれからいろんなHPを見てようやく物語りもわかり、これは限りなく楽劇に近く、もっとも人気のあるワーグナーの作品であることが私にもわかりました。今までこのオペラは避けていたのです。でもパルシファルと大いに関係があったのですねえ・・。今度のケンペ、バイロイト盤が愉しみになってきました。
ところで、1982年のバイロイト盤の解説のP6でゴットフリートはオルトルートの魔法によって白鳥にされていたのだった。彼女はそれを見て叫び声を上げて倒れる。とあるのですが、「どうして叫び声をあげて倒れたのでしょうか?」それから「オルトルートも死んだのでしょうか?」いろいろ見たのですがその辺がよくわかりませんでした。
どうかご教授いただきますようお願いいたします。

投稿: まつやす | 2011年8月21日 (日) 18時12分

まつやすさん、こんにちは。
ノイエンフェルスのローエングリン、ご覧になりましたか。
わたしも、昨日、お教えいただいたオンデマンド放送にて視聴しました。
昨年、画像のみで、あれこれ想像していたのですが、全編を観て満足と不可解さが残りました。
あれこれ、また書いてみたいとは思ってます。

初めての舞台や映像が、あのねずみでは、普通のローエングリンのイメージが湧きにくいと思います。
ケンペのバイロイト盤がステレオで出るのですね。
私も楽しみです。

オルトルートの最後の場面ですが、にっくきローエングロンをエルザをたぶらかして撃退し、自身の奉じる異教の神を賛美した・・・、と思ったら、封じ込めていた、後継ぎゴットロープがローエングリンによって蘇った。
 勝ったと思ったのが、実は敗北だったから悔しい雄叫びなのでしょう。
聖なる力の勝ちということで、邪のオルトルートも息絶えちゃう演出もありなのでしょう。
このあたりのワーグナーのト書きは確認の要ありですが・・・。

投稿: yokochan | 2011年8月21日 (日) 23時27分

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