シェリル・ミルンズ オペラアリア集
男は黙って缶ビール。
缶ビールから、冷えたグラスに注いで、もやしキムチをあてに、ぐいっと一杯。
くぅーーーっ、たまらんばい
某麻布ラーメン店にて。
男の役は、バリトンがかっこいい。
そして歌うにも、歳を経るにしたがって、テノール音域はまず厳しく、バスも同様。
バリトン音域が、普通に話す音域なのでオジサンにはちょうどいい。
バス・バリトン音域のアリアについては、かつてこんな記事を書きました。
男の世界、バリトン。
嫌な役柄も多いけれど、男は顔で笑って、背中で泣く。
悲しみを背負って、見た目は労ともしない。
そうありたいです・・・・。
わたくしの場合、涙もろいもんで、顔も背中も泣いちまいます。。。。
シェリル・ミルンズはアメリカ生れのバリトン。
もう76歳になりました。
アメリカ系のバリトンに共通の、マッチョでブリリアント、大音量(大は小を兼ねる的)の気持ちのいい典型的存在。
でも、ミルンズはそんな系統にあっても知的でスタイリッシュな歌と演技に秀でた存在で、過去のアメリカン・バリトンと異なる存在だった。
ドイツものだって、巧みに歌ってましたし。
6歳若いドミンゴとの共演も多くて、ともにRCAレーベルの看板スターだったりもした。
70年代は、大量にオペラ録音がなされたから、レーベルと指揮者間で、人気・実力歌手の奪い合いが多々起きました。
イタリアオペラのバリトン部門では、ミルンズとカプッチルリのふたり。
それ以外の各声部でも、好敵手同士のレーベルごとのぶつかりあい。
ほんと、いま思えば贅沢な時代でした。
そのかわり、レコードはともかく高かった。
オペラは、3枚組。6000円から7500円でしたからね。
今日のミルンズのCDは、1981年、ミルンズの全盛期の録音。
メキシコでの珍しい録音です。
レオンカヴァッロ 「道化師」~ご覧ください皆様方
ヴェルディ 「ラ・トラヴィアータ」~プロヴァンスの海と陸
「オテロ」~クレド
「ドン・カルロ」~ロドリーゴの死
シェリル・ミルンズ
フェレーラ・デ・ラ・フュエンテ指揮 ハラパ交響楽団
(1981@ハラパ XALAPA)
ミルンズお得意の定番。
曲数少ないのが難点ですが、いずれもある全曲録音よりずっと後年のものなので、その歌い口のウマさと、巧みな描写に感心。
それが鼻につくようなことなく、おらかな歌心あふれる心地よさを伴い、心から同化できる名唱なのでした。
声の威力あるふれる歌手が、それを抑えながらに、心をこめて丁寧に歌うさまは、豊富な人生経験とステージ体験に裏付けられたゆとりと味わいを感じさせるものだ。
曲が好きなこともあり、パリアッチのカニオが、シニカルさも歌い込んだ素晴らしい名唱。
カニオは、ミルンズ。
わたしの刷り込みみたいだから、一緒に歌ってしまいます。
カラオケで、これ歌いたいです。
父親ジェルモン、極めつけ・憎っくきイアーゴ、友愛の象徴ロドリーゴ、とヴェルディの代表的なバリトンロールが、ミルンズの朗々とした豊かな美声で楽しめました。
メキシコ・ベラクルス州にあるパラパ響なるオーケストラは、かなりまっとうでした。
調べたらなかなかに歴史あるオケでして、発足時はソンブレロ姿のようですよ!
こちらを見てくださいよ→
世界は広いですな。
このCDの初めと最後は、ライブでの序曲。
「どろぼうかささぎ」と何故か「タンホイザー」。
メキシコシティのミネリア交響楽団(orquestra sinfonica de mineria)のライブ。
このオケもなかなかうまい。
けれど、弦薄め、管明るすぎ、鳴りもの派手。
おもしろいワーグナーでございました。
大好きなミルンズの歌声が楽しめ、おまけにメキシカンなところが面白いCDでした。
そうそう、かの女子指揮者「アロンドラ・デ・ラ・パラーラ」が、9月に来日しますね。
オケはジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ。
メキシコものに、エロイカ。
NTT系の招待コンサート。
応募しましたが当たりますかどうか。
今日は、シェリル・ミルンズだけど、メキシカンでもありました。
ミルンズの過去記事
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コメント
おはようございます。ミルンズ!結構ですな^^(と、いつものオヤジ口調です)私が学生の頃はミルンズ様とカプッチルリ様のおふた方がバリトン界を独占しておられました。ドミンゴと録音するミルンズとEMIで活躍するカプッチルリという印象でした。私はカプッチルリ派でした。しかし、動画で初めてオテロのヤーゴをミルンズで見た関係でその印象は強烈でした。
ところで!なんです!
アンドラちゃん^^イケませんねー^^-
おじさんもこの演奏会!是非とも見に行きたいです。じゃなかった聴きに行きたいですね。アンドラちゃんの息使いとか仕草をライブで楽しみたいものです。
さまよえる様、演奏会の報告を命じます^^
投稿: モナコ命 | 2011年8月 5日 (金) 04時13分
モナコ命さん、こんばんは。
ミルンズに同感いただき、とてもうれしゅうございます。
ただでさえ地味なバリトン歌手に、ミルンズ好きはあんまりいらっしゃらいものですから。
わたしも、カプチッルリ派でして、実演で何度もふれ、その人間性にも感心してましたもので。
その点、アメリカに基点を置くミルンズはなかなか遠い存在で、レコードのみが唯一頼りでした。
どちらも、大好きなバリトンです。
そして、そして、大好きな、おなご指揮者が、何気に来日するのでした。
チケット当たれば見に、いや、聴きに行きます。
そのお姿を、つぶさにすみからすみまで観察し、命令にそむくことなくご報告申し上げることを、ここにお約束いたします!
投稿: yokochan | 2011年8月 5日 (金) 23時56分