ガーシュイン 「パリのアメリカ人」 マゼール指揮
大阪ミナミ。
法善寺横丁にあるバーの老舗名店スコッチバー「TARO」。
こちらのタンブラーのマスターがタローさん。
息子さんとふたり、にこやかに、そして厳しくも。
繊細・清潔極まりない見事な手順で、素晴らしい一杯を作ってくれる。
いつもお世話になってる方がおなじみで、こちらで待ち合わせて、軽くやって次に繰り出したり、へたすりゃ、ここから伊丹や関空に直行して東京に帰る、なんてことをこれまで何度もやってました。
地元の大店の二代目さんなんて方もお隣で飲んでたりして、懐の深いお店なのです。
この日は、これまたお世話になってるお馴染みの方と3軒目で訪問。
ジェムソンのロックをなみなみと飲んでしまいました。
あとたくさん・・・・。
そうそう、こちらは、おつまみも美味しくて、チーズ・トーストが絶品でございます。
いい雰囲気の路地だけど、品格があるのが法善寺横丁。
9月1日、関東大震災、防災の日。
台風も近付いてますッ!!
今朝9時から、東京都心に入る主要道路は10分間封鎖され、めったにみられない車輛なしの道路を見物することができました。
3.11の帰宅にともなう交通障害を受けての、規制の訓練といいます。
もう、あんなこと起きないことを望みますが、備えは絶対必要。
日本は災害の上になりたっている国ですから・・・。
全然関係ないけど、本日はガーシュインを。
ナニワの神奈川ないしは千葉県人。
それらしく振るまっていても、関西系のみなさまの明るさには参ります。
どうも、東の人間は切羽つまっていて、余裕がない。
あちらは、余裕はなくとも、笑いがある。
街の明かりも、なんだかんだで明るい。
関西でも、大手チェーン店は、課せられた命題があるから節電に躍起だけれど、そうじゃない方々は、全然明るい。
暗い夜に慣れてしまった、ワタクシ東日本人には、大阪の街は明るすぎだったのです。
これでいいと思います。
大阪は明るくなくっちゃ!
そしてようやくガーシュイン。
「パリのアメリカ人」と「ラプソディー・イン・ブルー」は、それにピアノ協奏曲も併せて、アンドレ・プレヴィンとレナード・バーンスタインが双璧の定番。
協奏曲はないけれど、「キューバ序曲」を合わせた、ロリン・マゼール盤は、上記2種にくわえて、わたしの中では最高の1枚。
ジョージ・セルのあとのクリーヴランド管弦楽団を受けたマゼールは、いきなりプロコフィエフやガーシュインを取り上げ、その明快で鮮やかな指揮ぶりでもって、このオケが機能的なアメリカのオケだったのだ、と強く思わせてくれた。
1974年の録音で、同時期に「ポギーとベス」もクリーヴランドと録音してのけたマゼール。
ベルリン放送響、ベルリン・ドイツ・オペラ、クリーヴランド、フランス国立管、このあたりが一番好きだったマゼール。
そのあとは、自我が強すぎたり、政略が鼻についたりと、どうも好きになれなくなってしまった。(でも、ウィーンフィルと演奏したマーラーの5番は、絶品でした)
このガーシュインの素敵なところは、ひとつにはデッカの鮮やかな録音にもあって、レコード時代、このサイケなジャケットをスピーカーの上に飾りながら、鳴りのよいサウンドに身を任せつつ、マゼールの指揮ぶりよろしく、手首の返しだけで、少し首を振りながらスウィングするようによく指揮マネして、その美音に酔ったもんだっけ・・・・。
このオーケストラ、ほんとにうまい。
弦がきれい。管にも味がある。ブラスもキレがある。
マゼールのウマすぎるお手並みも、ここでは気にならず、とっても粋。
このレコードが出たころ来日して、この曲をNHKホールで演奏して、そのテレビ放送を見た。
イメージからして、ヨーロピアンだったクリーヴランド管がアメリカのオケであることが、ノリのいい楽員の演奏姿からも確認できたのが面白かった。
そして、大真面目なマゼールの指揮。
その数年前、ベルリン放送響との来日(コンマスは豊田耕児)では、指揮棒を持たず、顔の表情もやたらと豊かで、まるで魔法使いのような指揮ぶりだった。
さらにその前、万博の年には「ローエングリン」が放映され、ピットの中の生真面目な指揮ぶりもなんとなく覚えている。
ともかく、70年代のマゼールは千変万化する、おもろい存在だったのだ。
そんな記念すべきガーシュインを、大阪の街を思いだしながら聴いてみました。
右手は不動明王。
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コメント
管理人さんこんにちは。
マゼ―ルの音楽はいつも一筋縄ではいかない魅力がありますね。。私も彼の切れ味抜群のパリアメやクリ―ブランド管とのいつものアンコールの運命の力、ウィ―ンとのバトルの歌うマ―ラ―4や絶品に美しい4楽章のマラ5など大好きです。
彼の抜群の能力は指揮に一番大切な事で楽員達にほんの少し前に次のテンポを含む展開を予知させる抜きんでた能力ですね♪
演奏しやすい棒でしょう!
投稿: マイスターフォーク | 2011年9月 2日 (金) 06時32分
こんばんは。私ならアメリカ村を思いついてしまいます。
マゼールのガーシュウィンはやはり独断の場と言ってもいいでしょう。
「パリのアメリカ人」を始めとする「管弦楽曲」や「ポーギーとベス」全曲版はいずれもクリーヴランドのもの。アメリカ人ならではの特権ですね。
カラヤンの後任でベルリン・フィルのポストを狙ってアバドに捕られて涙を飲んだ。これがマゼールの人生を変えてしまったのでしょう。今後はミュンヘン・フィル就任などまだやれるかと思います。
投稿: eyes_1975 | 2011年9月 2日 (金) 19時45分
マイスターフォークさん、こんにちは。
マゼールの不思議な魅力は、そうですね、一筋縄でいかない多様性ですね。
やりすぎと思われるところも、マゼールの個性なところが有無をいわせずです。
大見栄切ったりする場面で、オケが破綻なくついてゆくところは、そうです、まさにそこがマゼールの才能なのでしょうね。なるほどです。
どんな所見オケでも、完璧に仕上げてしまいます。
始終来日してくれるマゼールをもっと聴かなくてはと思います。
投稿: yokochan | 2011年9月 2日 (金) 23時24分
eyes_1975さん、こんにちは。
ミナミのアメリカ村は、いま少しさびれたというか、かつては治安が不安で、かつてタワレコがあったのでよく行きましたが、不安になったものです・・・。
マゼールとクリーヴランドは、本格アメリカンというよりは、少しヨーロッパよりの感じでした。
でも、本来のアメリカ人どうし、とても気持ちよく演奏してるのがよくわかりますね!
ベルリン事件以来、アバド好きとしては、煙ったいマゼールです(笑)
楽員投票だからしょうがないのに、アバドに対して後進に譲ったとか、オケをキャンセルしたとか、大人げないと思いましたものです・・・。
ウィーンオペラに続くベルリンでの想定外。
まだまだ元気に活躍しそうなマゼールです。
ミュンヘンフィルとのCDや来日も期待したいものですね。
投稿: yokochan | 2011年9月 2日 (金) 23時32分