« マーラー 交響曲第1番「巨人」 エッシェンバッハ指揮 | トップページ | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ボールト指揮 »

2011年10月28日 (金)

サン=サーンス 交響曲第3番 チョン・ミュンフン指揮

Lumine_2

10月28日にオープンの、有楽町ルミネ。

開店前夜の画像につき、どんな風だか知りませんし、だいたいの想像もつくものですから、しかも女性がターゲットだしで、たぶん行かないでしょうね。

ルミネは、JR東日本の駅ビルショッピングセンターです。
新宿駅から端を発し、駅ビルSCとして、どんどん大きく、先端SCとしても成長。

そりゃそうですよね。

駅というものは、ほとんどの人が必ず毎日通過し、利用するものだし、目的地への通過地点なのですからね。
その駅に、商業施設を作れば流行らない訳がない。
私鉄各線は、電車を敷設し、沿線を開発し、住宅を張りつけ街を造り、他の追従を許さない地域開発を行ってきたけれど、そのパイで私鉄・民鉄を上回るJRが駅を活用することにいまさらに目覚めたら強いことこのうえない。
高額賃料でも、人の数を思えばそこで店舗を構えたいと思う企業はたくさん。
 一方でまた、利便性において、こんな強力施設に破れ廃れてしまう立地もたくさん。
不合理であります。
というか、ずるいよね。

Chung_saint_saens

今日は、久しぶりにサン=サーンス(1835~1921)のオルガン交響曲を。

交響曲第3番であります。

1886年のこのオルガン付きの、一聴、派手な交響曲は番号なしをふくめて、サン=サーンスの完成された交響曲の5番目にあたるものだが、ほかの4曲はほとんど聴いたことがないし、多くの方々がそうでありましょう。
ワタクシも、マルティノンの番号付き全集を持ってますが、3番以外は、まったく記憶がありません。
デュトワでさえ、3番のみなのですから。

そもそも、サン=サーンスって、地味ですよねぇ。

「白鳥」の「動物の謝肉祭」のみが学校教材だっただけあって、やたらと有名で、それ以外いは、こちらの「オルガン交響曲」、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲、チェロ協奏曲、「死の舞踏」、「オンファールの糸車」、「サムソンとデリラ」・・・・、う~ん、わたくしは申し訳ないことに、このぐらいしか思い浮かびません。
実は、あらゆるジャンルに作品を残し、ことにオペラや劇作品はたくさんある多作家なのですねぇ。
ちゃんと研究すべき、と思い直したサン=サーンスなのです。

この交響曲は、主役ともいうべきオルガンにピアノも活躍する演奏効果のあがる曲だから、コンサートのメインにのぼることがともかく多い。
しかしですよ、わたしはまだ未体験なところがお恥ずかしいところです。

いっとき、この曲の虜になったのは、メータ&ロスフィルのレコードからでした。
ツァラ、ハルサイや惑星などの延長線として、グラマラスなコンビの格好の素材に選ばれたこの曲。
デッカの目覚ましい録音がここでも炸裂してました。
しかし、CD時代に聴き直したら、その音はびりつき、いにしえの録音に感じました・・・・。
難しいものですな。
レコード時代に聴いた、オーマンディやアンセルメも懐かしい大人のサン=サーンスであります。

予想に反して、落ち着きと清らかさに満ちていたのが、チョン・ミュンフン指揮するコンセルトヘボウ管弦楽団のライブでした。
こちらは、ヘボウ120周年に、無料ダウンロードできた音源たちのひとつで、ご丁寧にも、ジャケットも統一デザインでダウンロードできたものなのです。
音は、かなりよくって、CD化したりすると、さらの深みと重厚感を増すのです。

歳を経て聴くこの曲は、第1部後半、すなわち緩徐楽章のしっとりとした情感が一番お気に入りなのですが、チョン・ミュンフンの瑞々しい感性とオーケストラの温かみある音色がバッチリと手を携えて、味わい深い演奏になっているのです。
もちろん、ハツラツたるミュンフンですからして、2部のはじけぶりと、最後の大伽藍も、豊かなホールトーンと相まって、大いなる聴きものにございました。

コンセルトヘボウのこの曲の正規録音は、あったかしら??
ヤンソンスあたりで、もう一度生き生きしたオルガン交響曲を聴いてみたいもんです。
それと、ありえないけれど、ハイティンクがやってくれたら、威風堂々たる堅牢なオルガン大シンフォニーが生まれるかもです!

|

« マーラー 交響曲第1番「巨人」 エッシェンバッハ指揮 | トップページ | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ボールト指揮 »

コメント

こんにちは。
サン=サーンスの交響曲は「第3番」以外はホントに影が薄くて、
「あったの?」という感じですが(「3番」があるんだからあってアタリマエなのに)、
私はなぜか「第1番」の第2楽章が大好きであります。
オーボエに始まるのどかでひなびたメロディ、
どこにも陰りのないのどかで能天気な音楽、
機嫌のいい時につい口ずさんでしまうほどです。

投稿: 木曽のあばら屋 | 2011年10月29日 (土) 10時03分

こんばんは。チョン・ミュンフンの「オルガン付き」はドイツ・グラモフォン録音でパリ・バスティーユがあります。そちらはカップリングがメシアンの「キリストの昇天」でいかにもフランス近現代音楽つながりです。メータ、ロサンゼルス・フィルも凄い。まるで宇宙のようです。デュトワ、バレンボイムはサン=サーンス博士といっていいくらい作品が存在していますね。
ただ、輸入盤を含めて全集はマルティノンくらいでしょうか。

投稿: eyes_1975 | 2011年10月29日 (土) 19時57分

木曾のあばら屋さん、こんにちは。
全集は持ってますが、さっぱり思い出せません。
以前、ローマのタイトルを持った若書き作品が話題になりましたが、それもさっぱり。

そうですか!
1番の2楽章ですね。
このようにして、お教えいただかないと、なかなかに聴くことのない音楽の類です。
「のどかで能天気」・・・・、わたし向きです(笑)
さっそく聴いてみることといたします。

投稿: yokochan | 2011年10月29日 (土) 20時23分

eyes_1975さん、こんにちは。
ミュンフンはこの曲が大得意のようです。
バスティーユ盤は実は未聴なのですが、フランスロマン派の余白にメシアンやディティユーを組み合わせるなど、なかなかに知的なプログラミングも魅力ですね。

いずれの指揮者たちも、流麗でダイナミックな名演ばかりです。
マルティノン以外では、プレートルとウィーン響の録音があったはずですが、手に入りにくいのかもしれません。

投稿: yokochan | 2011年10月29日 (土) 20時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: サン=サーンス 交響曲第3番 チョン・ミュンフン指揮:

« マーラー 交響曲第1番「巨人」 エッシェンバッハ指揮 | トップページ | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ボールト指揮 »