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2011年10月12日 (水)

ローベルト・アラーニャ ヴェリスモ・オペラ・アリア集

Tukemen_2011_a

浜松町の貿易センタービルの真下でやってます、大つけ麺博。
9月23日~10月16日。
その間、3期に分けて、店が入れ換わる。
最終期間に、酔いに任せて行ってきましたよ。

Tukemen_2011_b

8店舗のなかからチョイスしたのは、イタリアンの巨匠・落合務と、音羽のちゃぶ屋とのコラボ店。

そのまま紹介文を書きます・
「鶏と豚のスープに香ばしいイカスミソースを加え、干し椎茸、干し貝柱の旨味を重ねたつけ麺。こってりとそた味わいに、竹炭を練り込んだ黒い麺とバジルの風味が映える」

Tukemen_2011_c

いったい、どんなだろ?

でも、そのお姿は、こんな感じにまっ黒けのイカスミパスタみたいな麺に、味噌汁みたいなスープ。

Tukemen_2011_d 

でも、つぃーーっとすすれば、たしかに先の文章のとおり、シコシコ麺にバジルの香りはイタリアン、そしてスープもイタリアン風にイカスミとニンニク味。
でも、すすった後は、ダシの効いた和テイスト。
おぉ、おぉ、と思う間もなく、少なめのコンビニ風の盛り付けの麺はすぐに終了。
妙に、後引くのは、おいしいつけ麺の宿命でございましょう。

Nessun_dorma_alagna

フランス人だけど、イタリアの歌魂をもったテノール、ロベルト・アラーニャ

この人は、知的な歌唱を持ち味としますが、役柄へのプロフェッショナルな没頭感と、真の音楽魂がやたらと熱いものだから、イタリア聴衆の因習的(悪意的)なまでのヤジに真っ正直に反応してしまい、いくつかのいざこざを起こしてきた。
スカラ座のラダメス事件がそうでありますが、そもそもスカラ座の永年の聴衆は手厳しいことで有名だ。
同郷の誇り、アバドは神様扱いだけど、そのアバドはスカラ座への復帰がなかなか実現しない。
ナポリのムーティも、神々しさではアバドと同列の扱いだったけど、隙間風が吹いて、ムーティもスカラ座には復帰しようとしない。
歴史と伝統あるハウスは、なかなかに難しいものなのでしょう。

そんなことは置いといて、ロベルト・アラーニャの素晴らしい歌声による、ヴェリスモ・アリア集をイタリアンコラボつけ麺を食べた今宵、聴くことにしましょう。

たった今、来日中のルーマニア出身の美人のかみさん、ゲオルギューを持つ、イケメンの旦那アラーニャ。
ドイツもの以外、伊仏のロール全般をまんべんなく歌いこむアラーニャの声域は、リリックからスピントの間。
ドラマテックテナーではないけれど、アラーニャの知的かつ迫真歌唱にかかると、その作品がアラーニャのために書かれたのではないかと、思うくらいに劇性を帯びて迫ってくる。
甘口が多かった、フランス系のテノールの中にあって、スペインが生んだ最大テノール、ドミンゴのような存在に思えるのです。

実演ではまだ未体験ですが、DVDなどで観るアラーニャは、劇中に没頭し、役柄にハマりきった迫真の演技を見せてくれます。
文字通り、口角泡を飛ばす勢いで、涙も流さんばかりの熱演・熱唱であります。
愛すべき奥様と演じた、ラ・ロンディーヌ(つばめ)におけるそのお姿は印象的でしたし、パリアッチも、怒りの下の悲しみが恐ろしいものがございました。
そして、シラノ・ド・ベルジュラックのひとり舞台はドミンゴを超えました!

そうです、わたしにはアラーニャは、フランス・オペラもいいけれど、ベルカントやヴェルデイもいいけれど、ヴェリスモ系のテノールなのですよ!

EMI時代に録音された、そのヴェリスモ系オペラアリア集。

 1.プッチーニ    「トゥーランドット」
 2.ジョルダーノ   「アンドレア・シェニエ」
 3.カタラーニ    「ラ・ワリー」
 4.ザンドナ
イ    「ロミオとジュリエット」
 5.レオンカヴァッロ 「ラ・ボーエム」
 6.ポンキエッリ    「ラ・ジョコンダ」
 7.マスカーニ     「カヴァレリア・ルスティカーナ」
 8.チレーア      「アドリアーナ・ルクヴルール」
 9.レオンカヴァッロ 「ジプシーたち」
10.  〃        「チャタートン」
11.  〃        「ザザ」
12.ジョルダーノ    「おふざけの夕食」
13.  〃        「フェドーラ」
14.ウォルフ-フェラーリ 「スライ」
15.プッチーニ     「トゥーランドット」終幕ヴァージョン


       テノール:ロベルト・アラーニャ

  マーク・エルダー指揮コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
                     (2003.6@EMIスタジオ、アビーロード)


お馴染みでない作品もありますが、プッチーニの名前に隠れてしまった、レオンカヴァッロ(ボエームの素晴らしいアリア)やジョルダーノのそれこそ名も知れぬ作品や、ザンドナイやカタラーニの名品。
ヴェルディ後の、イタリアオペラ史を支えた人々を知るに絶好のアリア集。
こうしたサワリを機に、全曲を是非にも探求したくなるのです。

これらを、アラーニャは絶唱といかずとも、巧みな抑制をもって、わたしたちのそこここにある涙の一滴みたいな感じでもって、心にふれる歌声を聴かせてくれております。

わたくしが一番感激したのは、もうひとつの「ラ・ボエーム」のマルチェッロのアリアです。
プッチーニと違って、本家レオンカヴァッロのボエームでは、ロドルフォがバリトン、マルチェッロがテノールなのです。→「レオンカヴァッロのボエーム」
それと、自身でも歌いたい、大好きな役柄チレーアの「アドリアーナ・ルクヴルール」のマウリツィオのアリアですね。
カレーラスが蘇演した「スライ」や、レオンカヴァッロやジョルダーノの珍しいオペラ、いずれもアリアをこうして抽出して聴くと、捨てがたい作品に思います。
それぞれ、ただいま勉強中につき、いずれ記事に出来るものと思ってます。

Alagnagheorghiu 

ゲオルギューとついたり離れたりのアラーニャ。
お互い、もういいでしょ。
若くはないんだし(なんて書いたら怒られるか・・・・)。
かみさんのHPより拝借の夫婦のひとこま。

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