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2011年11月 1日 (火)

ブライアン 交響曲第3番 フレンド指揮

T38syokannbetsu_ishikari

札幌T38から見た札幌北東部。
石狩方面に、海は日本海、遠くは暑寒別岳のふもとあたり。

雄大です。

いいなぁ、北海道。

Brian_sym3_friend

英国の怪しいまでの交響曲作曲家、ハーヴァーガル・ブライアン(1876~1972)。
交響曲第3番を。

こちらの記事は、もう1カ月も前に書いてありまして、公開の機会をうかがっておりました。
渋すぎ・無名すぎで、敬遠されそうだし、そんなのばっかり続いても、と思いながらも、本日HMVのサイトで、プロムスでの「ゴシック交響曲」ライブが発売とのニュースを見て、これはこれはと、文字通り、おっとり刀で記事公開をクリックしました。
まぁ、敬遠せずに、ブラインさんに、ご興味を持っていただければ幸いであります。

さて、
長命のブライアンさん、32曲の交響曲を残したが、51歳以降にそれらが書かれたというから驚きで、しかも80代に12番以降、90代に25番以降、といった具合に恐るべし創作力を誇り、われわれ中高年も勇気づけられる絶倫シンフォニストなのであります。
 しかも、一番有名な第1番が「ゴシック」と名付けられ、全編140分以上の最長交響曲ギネスを保持しているのでした。
この曲は、かつて記事にしてまして、なかなかに面白い視聴でした。

数でいえば、指揮者兼任のセーゲルスタムがWIKIベースでは、なんと244曲と現在進行中の途方もない、とんでもギネスがあるけれど、ブライアンの爺さんになってからのハイペースぶりと、巨大さはまた特別なものがあります。

もちろん、そのすべてが巨大なものばかりではなく、シンフォニエッタ級の小ぶりな作品もあるし、大きなものありです。
そして、音源として耳にできるものは、本当に限られていて、わたしが先の「ゴシック」とともに持っている今日の「3番」と、マッケラス指揮の3曲(EMI)。あと、さすがのナクソスが数枚といった具合に、その全貌を確認するには程遠いブライアンおじさんなのです。

超大作1番「ゴシック」を1919~27年という年月をかけて完成させたブライアンは、次の2番を、オペラを経て1931年に完成。
そちらはシンプルでオーソドックスな交響曲だそうな。
次いで、同年とりかかり、ハイスピードで書き上げ1932年に完成させたのが第3番。
こちらは、マーラーばりの巨大な編成による4楽章交響曲。
2台のピアノが活躍する協奏交響曲のような一面を呈した楽章もあるから、この曲に要するオーケストラ人員は総勢120名。
ハイコストで、無名、無冠、未知作曲家ということで、日本などではまずは演奏会にかかることのありえない曲のひとつでありましょう。
4管編成、しかもそのほとんどが掛け持ち、一例をあげれば、フルート4はピッコロ4だったりするので、楽員以外に、楽器を揃えるのも大変。
ピアノ2台、チェレスタ、ハープ、オルガン、ティンパニ6(奏者2)、ドラム各種・・ともかくその他云々多数。
要は1番から合唱を抜かしただけの、巨大ぶり。

でも、この曲から発せられる音や響きは、きらびやかでも派手なものでもなく、超渋くて、最初は聴き手を拒絶するくらいの難解さ。
このCDを手にして、もう15年くらい経つけれど、このようにして記事にしなくては、何度も聴くことがなかった。
それこそ、ブログの効能で、しっかり聴かなくては人さまにお教えできないから、一生懸命聴くわけで、こうしたたぐいの曲は、何度も何度も数日、数か月をかけて聴いて、理解しものにしてゆくのであります。(その間、有名曲からご無沙汰になるのは必定で、逆に、有名曲に帰ったときに、とてつもない感銘と新鮮さを享受できるわけでもありますな)
 そうしてここ数カ月、聴き続けたブライアンの交響曲第3番。
55分の巨大さと、抒情と雄軍さから、ブライアンの「英雄交響曲」なんて言われちゃったりするみたいで、解説書に書いてありました。

 1楽章 アンダンテモデラート    20分
 2楽章 レント センプレマルカート 14分
 3楽章 アレグロ ヴィヴァーチェ   8分
 4楽章 レント ソレンヌ        19分

このCDでは、長い各楽章にさらにトラック分けが刻まれていて、そのトラックを見ながら聴いていると、全部で21トラックあるものだから、曲想がとりとめなくつながっているようで、訳がわからなくなってくる。
楽章の区分けは実際明確なのだけれど、本当に真剣に聴いていないとだめ。
先のゴシック交響曲でも感じたが、とりとめのなさが全編覆っているため、断片的に、英国風な印象的な旋律が出てきたり、ハリーポッター風のマジカルな雰囲気になったり、怪しげな曲想に転じたり、舞踏曲風になったり、シリアスな英国病風になったりと、諸所さまざまな顔付きの音楽が次々に展開する場面に戸惑うこととなります。
 実は、これこそがブライアンの魅力なのだと思ったりします。
マーラーもごった煮風だけれど、その巧みな構成感と明確な旋律線でもってその個性は、圧倒的なまでになっているけれど、ブライアンにはそのハッキリ感がありません。
そしてそれこそ英国音楽であり、エルガー以来の英国交響曲の系譜に連なるものと思う。

ピアノが活躍する1楽章は、ときおり英国音楽好きなら感嘆してしまう味のある旋律も登場。
緩徐楽章たる2楽章。まったくとっつき悪い。
でもかなり深刻で後半のマジカルなまでの盛り上がりはなかなかですぞ。
スケルツォとしての3楽章は、舞踏曲。ウィーンを意識して書いたらしく、とてもメロデイアスでとろけるような中間部が魅力でして、この旋律は最近、脳裏にこびり付いてやまず、電車に乗っててふとした拍子に出てきたりします。
重厚な終楽章は、ドイツ・ハイデルベルク大学の教授でゲーテやシェイクスピアの研究に費やしたF・グンドルフが作曲中に逝去したため、その死を思って書いたと、友人のバントックに書いている。(そもそもその人事態が地味)
ブラームスやベートーヴェンのように大勝利とはなりませんが、重く暗い曲調から始まりそのまま、全曲の帰結としてに壮大な終結へと、と少し見える明るさを垣間見せつつ曲を閉じるのでした。

なんだか、ブライアンのスペシャリストになりつつある英国指揮者フレンドさん。
見知らぬ曲や渋い曲ばかりをレパートリーに持ちながらのオペラ通。
BBC響の重厚さと敏感さを活かしつつの半端ない見事な指揮ぶり。
全曲録音に挑んで欲しい!

充足感を得られそうで、得られないもどかしさ。
それもブライアンの魅力か。
何度も聴いて、ようやく楽しめるようになりましたが、その感はずっとつきまといます(笑)。
さてさて、お暇な方と、チャレンジ精神をお持ちの方は、「ゴシック」とブライアン・エロイカ「3番」をお聴き下さいませ。

過去記事

「ブライアン 交響曲第1番 ゴシック 」

こちらは、ともかく長いです。
第9を2回、マーラーの3番とモーツァルトやハイドン1曲分。
さまよえるオランダ人やトスカよりも長く、蝶々さんより少し短い。
あーー何だこれ。
寝ても覚めてもやってます。
記事のコメントでも書きましたが、トイレ行こうが風呂入ろうが、メシ食おうが、ずっとやってます的な交響曲なのでした・・・・・・

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