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2011年11月24日 (木)

チャイコフスキー 交響曲第3番「ポーランド」 ヤンソンス指揮

Imperial_palace2

前にも出しました、皇居の和田倉堀。(ジュリーニの悲愴)

今度は、違う方角からで、ここにも一羽の白鳥が佇んでおりました。

都会のど真ん中の静謐な光景。

Imperial_palace3

場所柄、外人さんが多い。
わたしが、写真を撮っていたら、みなさん足を止めて写真を撮りだしてしまい、外人さんに囲まれてしまったのでした。

Tchaikovsky_sym3_jansons 

チャイコフスキー 交響曲第3番ニ長調「ポーランド」

今日も、チャイコフスキーを聴いてしまう。

1875年、35歳の作品。もうすでに、「白鳥の湖」「ピアノ協奏曲第1番」「エフゲニ・オネーギン」などの名作を書いていた。
チャイコフスキーの交響曲の中で、唯一の長調で、そんなに明るいわけではないけれど、舞曲風の伸びやかな音楽にあふれた素敵な作品であります。
「ポーランド」の名前も、終楽章のポロネーズのリズムからきているそうな。

この交響曲、わたしには、バレエ音楽のように思えてならない。
明るさ、しなやかさ、そしてリズム。
楽章も5つあって、ほかの交響曲のような起承転結的なまとまりに欠けるように思うし。
恥ずかしいお話をひとつ。
この曲をレコードで初めて聴いたとき。ハイティンクの演奏だった。
盤面を確かめることなく聴き始め、全曲聴き通したら、どうも完結感がない。
そうです、B面→A面と聴いてしまったのでした。
くそっ、ともう一回、今度はちゃんと聴いたのです。
そんだけ、5つの楽章のメリハリが均一に感じて違和感なく聴いてしまった訳です。
いまなら、そんな思いは解消してますがね。

4~6番はともかくとして、ロシアの大地と民族色も匂わせる1~3番の魅力もチャイコフスキーの交響曲を聴く楽しみ。
深刻ぶらずに、適度にメルヘンを感じさせ、冬に聴くに相応しい交響曲。
構成感よりは、旋律重視のメロディアス・シンフォニーたち。
幻想的でロマンティックな1番、ロシア国民楽派的存在の2番、バレエ音楽のような3番。
そんな風な印象を持ってます。

ヤンソンスオスロフィル時代に録音した全集から。
1886年、43歳の若さあふれる指揮ぶりは、早めのテンポのなかに、リズム感あふれ弾みまくる音楽づくりと、思い切り旋律を歌わせた恰幅のよさに、この頃のヤンソンスの姿をみてとれる。
86年レニングラードフィルと来日したとき、一晩でショスタコの5番とチャイコの4番を演奏し、それがFM放送で流された。
いまでも大切なCDR化音源ですが、このスピード感あふれる情熱のかたまり的な演奏はすさまじいものでした。
片面45分づつの90分テープに余裕で収まる2曲。さらに、80分のCDRにも、ぴたりとおさまったこの2曲。

そんなヤンソンスの、いまの円熟ぶりを聴くと、瑞々しさと疾走感がとても眩しいチャイコフスキーでした。
オスロフィルの高域の澄んだ、北欧風の音色もまたうれしい。

なんだかんだで、チャイコフスキーはいいもんです。

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コメント

ヤンソンスは、2005年3月にNY出張中にカーネギーホールでVPOと一晩でシベリウスとブラームスの1番という重量プログラムを聴き、すっかり感動、以後いろいろなCDを買っています。チャイコの1~3番では、オスロpoとの1番を愛聴しています。

投稿: faurebrahms | 2011年11月26日 (土) 07時42分

しぶいすねー。チャイコの3番!私がチャイコシリーズで愛聴しているのは若いマゼールとウィーンフィルの演奏です。マゼールは30代とは思えない程の成熟度で演奏していると同時に、かなりムチャもしています。そのアンバランスを楽しんでいるというか味わっているというか、けだし名演と思っています。
マゼールの中では1番の「冬の日の。。」が爆演です。
ヤンソンスですね。今度聴いてみます。

投稿: モナコ命 | 2011年11月26日 (土) 14時35分

昨年に購入した「バーンスタイン・シンフォニー・エディション」でしか
未だこの第3を聴いておりません。不勉強の極み!

何故か第1は小学生の時にLPを買っていました。
T=トーマス盤だったかな。
第1はもっと人気でるべきです!

未完のスケッチとかを再構成した「第7」なんてのもあり
オーマンディ盤を聴いてみましたが…
所詮は他人の創作。
バーリー・クーパーのベートーヴェン第10といい勝負です。

投稿: 影の王子 | 2011年11月26日 (土) 22時24分

faurebrahmsさん、こんばんは。
なんと羨ましい、ヤンソンス&VPOをNYでですか!
ウィーンでの同じ演目の定期をFM録音しました。
ヤンソンスの覇気に満ちた演奏は、オケも聴衆も乗せてしまいますね。
きっとヤンキーたちも、ノリノリだったのではないでしょうか。
わたしも、ヤンソンスのCDは、相当集めました。
オスロ時代は捨てがたい演奏が多いですね!

投稿: yokochan | 2011年11月26日 (土) 23時29分

モナコ命さん、こんばんは。
ほほぅ、マゼールときましたか!
恥ずかしながら、マゼールとウィーンのチャイコはまだ、この歳まで未聴なのです。
自分のなかでは、マゼールとウィーンのチャイコとシベリスは、少しばかりおっかなくて、手が付けられないのでした。
ほんとはむちゃくちゃ気になるのに、手が伸びないって感じです。
でも、爆演とおっしゃる1番。曲が好きなもので、聴いてみたいっす。
そして、おっかないけど、4~6も聴いてみたいです。
ついでに、シベリウスも聴いてみたいです。
死ぬまでに聴いてみたい音源が山ほど。
困ったもんです。

投稿: yokochan | 2011年11月26日 (土) 23時45分

影の王子さん、こんばんは。

3番以上に、わたしも1番の魅力には参っております。
1番はタイトルからして、日本人が好みそうな抒情とロマンですね。
トーマスのあのジャケットからして、すてきなものでした。
バーンスタインの全曲も持ってますが、ちょっと威勢がよすぎるかもです。

第7や第10なんてのもありましたね。
マーラーやエルガーのようには、どうもいきませんねぇ。

投稿: yokochan | 2011年11月27日 (日) 00時03分

第1って、ことのほか良く書けている曲と思います。
これからの季節にピッタリですよね。

「ナニワ金融道」の作者 故・青木雄二氏が
「ロシアみたいな寒い国の人は頭がいい。
だからチャイコフスキーみたいな大作曲家が生まれる」
という趣旨を述べていました。

実際は男は寒さを防ぐウオッカを飲み過ぎてアル中
その分女性がしっかりしているお国柄とか(笑)

投稿: 影の王子 | 2011年11月27日 (日) 12時00分

>そうです、B面→A面と聴いてしまったのでした。
私もやりました、中学生か高校生か、クラシックを本格的に聴き始めた頃、ザンデルリンクのチャイコフスキーの4番は1楽章で繰り返しをやっているので、A面全部が1楽章だったのです。で、A面を聴き終わったあと、レコードをひっくり返して、その時に母親からなんだか詰まらないことで文句を言われて頭がカットしているうちにまたひっくり返してしまいもう一度A面、第1楽章を聴いてなんだかヘンな曲だなぁ、こんな曲だったっけなぁと聴き終わった時に思いながらターンテーブルを見たら、そう言うわけでした。全く以て何を聴いていたんだか。
この曲は、面白かったのがロジェストベンスキー、ビクターから出ていたメロディア盤で1楽章でオナラのようなラッパには笑えましたが、今はちゃんとマスタリングできてるのでしょうか。

投稿: yurikamome122 | 2011年11月27日 (日) 16時19分

影の王子さん、こんにちは。
ナニワ金融道とチャイコフスキーとは無縁に感じますが、作者の方はチャイコフスキーをよく理解しておいでだったのですね。

しかし、かの国の男女は、そういうものなのですな。
なんでも、死ぬほど飲まなくちゃ相手の懐に入れない恐ろしい国のように聞きますが(笑)

投稿: yokochan | 2011年11月27日 (日) 22時05分

yurikamomeさん、どうも。
やはりチャイコフスキーの交響曲で同じような経験がおありなのですか。
5番の中途拍手といい、終わりそうで終わらない1番とか、チャイコフスキーの交響曲は逸話を生む作品ばかりですね。
ロジェヴェンの演奏は、怖いもの見たさで聴いてみたいです。
当時のメロディアの録音のソ連のオケは、オナラ系が多かったです。
コンドラシンのショスタコもオナラ臭かったですし(笑)CDでは、そんなことがありませんでしたけど。

投稿: yokochan | 2011年11月27日 (日) 22時30分

 ご無沙汰しています。
相変わらず、イギリス音楽にはまっていますが、ロシアも
いいですね。最初にクラシックにはまったのが、チャイコフスキーでした。
 私も最近は1番がいいな、と思います。最初に聞いたのが、FMを録音したものですが、確か、マゼールだったと記憶しています。(録音テープが失われたのが残念です)
 その後、CDをいくつか探しましたが、1番のCDは少なくて、なかなか、これを超える演奏には出会えませんでした。最近は、naxos盤を聞いてますが、なかなかいいと思います。
 岩波新書でその名も「チャイコフスキー」という評伝というか伝記があったのですが、その中の交響曲第1番の解説が実にロマンティックで、これを読んでから、聞きたくてたまらなったのを記憶しています。

投稿: udon | 2012年5月 8日 (火) 08時37分

udonさん、こんばんは。
チャイコフスキーのコメントどうもありがとうございます。
少し離れてましたので、無性に聴きたくなります。
ともかく1番は素敵な音楽ですね。
マゼールの若き日のウィーンフィルのチャイコとシベリウスは、ずっと気になる存在なのです。
あと、もしご存知でしたら申し訳ありませんが、これもまた若きティルソン・トーマスとボストン響のものも、さわやかな桂品です。
冬の日でなくとも、この曲はいつでも、その冬の日を思いながら聴くことのできますね。
ご案内の評伝も是非読んでみようと思います。

投稿: yokochan | 2012年5月 8日 (火) 21時59分

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