パリー 交響曲第2番「ケンブリッジ」 ペニー指揮
畏れ多くも、皇居をパシャリと1枚。
蛤濠から見た宮内庁の洋館風の建物。
お堀には、アオコがたくさん発生してるのが、画像でわかりますでしょうか。
悪臭や生態系の変化などをもたらす困ったアオコ。
かなりの予算が、この対策に講じられております。
今年特に異常発生した霞ヶ浦など、震災の影響もなきししも、のようでして、異常気象ぬ加えて、いろんなところに人知の及ばぬことが起きてます。
チャールズ・ヒューバート・パリー(1848~1918)の交響曲第2番「ケンブリッジ」。
近代英国音楽を、ほぼ網羅的に聴いているわたくし、さまよえるクラヲタ人にとって、一番古い、というかエルガー(1957~1934)以前の作曲家として、まだ未開のふたり。
スタンフォード(1852~1924)とパリーがその人たちであります。
エルガーの偉大さは言うにおよばずとして、その前の下ならしとして、大いに英国近代音楽の祖として評価していい、パリーとスタンフォード。
両者ともに、複数交響曲作曲家であり、宗教・声楽作品に強みを持った方々。
シャンドスレーベルが誇るべき交響曲全集をそれぞれ出してます。
スタンフォードは発出時に難なく全集を手に入れたけれど、パリーとはどうにも縁がなく、バラバラと揃えているのみ。
そんななかの1枚、第2ケンブリッジ交響曲を。
ボーンマスで、裕福な家庭に生まれたパリーは、グロースターシャーに移ったあとも、有力音楽家からの教育を受けつつ、ドイツでも学ぶ境遇を得た。
なかでも、ロンドンでワグネリアンのピアニストのE・ダンロイターに学んだことが大きく、彼は、教師でり友でもあり、のちアにドバイスを得て作曲したピアノ協奏曲のソリストにもなっている。
合唱作品を数々書き、名声もあがり、ケンブリッジ大学の音楽博士のオファーも受けるなど順風の活躍。
交響曲第2番は、ケンブリッジ大学のために、その活気ある学生生活を思い描きながら書かれたもので、1883~84年にかけての作品。
第1楽章は、入学したてのフレッシュさ。友達に囲まれ幸せな日々が快活な音楽によって描かれ、やがて恋の芽生えも・・・。
次ぐ2楽章は、スケルツォでやたらと耳に馴染みやすい音楽で、どこかで聴いたような元気のいいサウンド。バケーションです。
3楽章は、さきの恋愛物語が少し顔を出しますが、音楽はなかなかに生真面目で一筋縄ではいかない渋くお堅い恋愛模様に感じます。
そして迎える終楽章は、学生も大きく成長し、大望を掲げ、一歩踏み出します。
音楽はついに、ここで、ペリーの一方の顔、「ブラームス愛」の姿をまざまざと見せてくれます。
まんま、ブラームスの第1交響曲風です。
晴れやかで堂々とした旋律が、臆面もなく垂れ流されるのでありました。
これを聴いて、ブラームス、そしてむしろブラームスを私淑したドヴォルザークの響きを感じるのは誰しも同じに思いますが、わたしは、そこここに、エルガー前兆と、のちのちまで続く高貴で憂愁もたたえた英国音楽の流れの発端をここに確認できましたね。
アンドリュー・ペリーとロイヤル・スコテッシュ管弦楽団のキリリとした演奏は正しいと思いました。
ケンブリッジは、ロンドンから東へ80Km。
いずれは行ってみたい街であります。
ちょいと調べたら、私のかつてのアイドル、オリヴィア・ニュートン・ジョンの出身地なのでした。
そして、かの地にも、オーケストラがあるのでしょうか。
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コメント
この作曲家、名前は何度も聞いていながらこれは知りませんでした。時間を見て鑑賞しないといけない曲のようです。
困ったので、聴いてみたい音楽がいっぱい、一生がたぶん100年でも足りません。
バナー、ありがとうございます。
がんばって応援していきましょう。
投稿: yurikamome122 | 2011年12月 9日 (金) 08時46分
パリーとスタンフォードは、対をなす英国のブラームス系統です。
そこに、英国の伝統がミックスされて、なかなかの味わいの音楽です。
機会があればお試しください。
わたしも聴きたい音楽がありすぎで、病気もできません!
そして、バナー、こちらこそありがとうございました。
出来ること、すこしづつやって行きたいです!
投稿: yokochan | 2011年12月 9日 (金) 22時39分