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2012年1月20日 (金)

ハンソン 交響曲第2番「ロマンティック」 カンゼル指揮

Azumayama8

いつもの山の中腹から東方面。

東海道線に、真ん中は、大磯ロングビーチ。

海の右手には、江の島、遠く鎌倉です。

Azumayama9

西の海沿いの眺望は、小田原の街に、真鶴岬、遠くに伊豆半島。

そして右手は箱根。

Azumayama10

海の正面は、遠くに大島。

その右にはぼんやりと初島。

Hanson_sym2_kunzel

わたし好みのジャケット。

これは、サンライズでしょうか、サンセットでしょうか。

ここに収録されたアメリカン・ドリームのような美しく、前向きな音楽からして朝日なのかもしれないけれど、夕焼け好きのワタクシですが、ここは悔しいけれそ、サンライズ。
まさに眩しく輝かしく、明るい光景が相応しく思われるのデス。

ハワード・ハンソン(1896~1981) 交響曲第2番「ロマンティック」

   エリック・カンゼル指揮 シンシナティ・ポップス・オーケストラ

当ブログ2度目の登場のハンソンのこの交響曲。
最初は、スラトキン&セントルイスの演奏で。
EMIのシリーズだった、「アメリカ・ザ・ビューティフル」という中の1枚で、このCDによって、わたしはハンソンの交響曲を初めて聴き、以来、ハンソンの作品をデロスレーベルから出たシュォーツの指揮によるシリーズで揃えていったが、途中で手に入らなくなった。
ところが、その版権はナクソスによって引き継がれたみたいで、廉価に入手できるようになりそうだ。
音楽の友社の名曲解説全集の古い70年頃の版が、わたしの座右の書だったが、ハンソンはそこにも出ていて、少しばかり軽薄そうな顔写真が、少年時代にはあんまりいい印象となって残ってなかった。
ちなみにその本の最後は、ショスタコーヴィチで、まだ10番ぐらいまでしか記載されてなkった・・・・・。

なにゆえ20年前に、スラトキンのそのCDを購入したかは不明なれど、それ1枚で、ハンソンのイメージが激変。
バーバーやコープランドと同じく、アメリカ保守派の作風は、旋律的でとても懐かしく、そしてアメリカの良心に満ちた平和な音楽。
スゥエーデン系であることから、北欧を愛し、そしてその風物を意識した音楽も残していて、1番の交響曲は、ずばり「ノルディック」。
この2番も北欧の雰囲気が漂い、バイキング風の活気あふれるホルンの咆哮も聴かれます。
 指揮者としても活躍したハンソンは、マーキュリーレーベルにオケや吹奏楽団とかなりの録音を残してます。

7曲ある交響曲は、まだ全部を聴いてませんが、イマイチ感も残るものもありました。
今後シリーズ化して聴いていきたいですが、やはりなんといっても、この2番「ロマンティック」が美しさと出来栄えの良さでは随一かも。

3楽章形式の30分あまりの曲。
フランクの交響曲を思わせる、循環形式風で、冒頭の不安に満ちたやや暗いモティーフが全曲に重要な位置を占めて時おり顔を出すが、大半において明るく抒情的、そして伸びのびとした幸福感に満たされた曲であります。
最後には、明るく前向きな眩しいエンディングを迎えます。
 1楽章の不安な出足のあと、4本のホルンによる勇壮な主題、それが優しく姿を変え、夢見るように美しくロマンティックなふたつめの主題となる。
ここの部分は、まさに夢見心地で、ともかく素晴らしい。ラフマニノフも真っ青。
 優しくノスタルジックな第2楽章。冒頭不安主題とのせめぎ合いも。
元気あふれるバイキングのホルンに導かれる3楽章。
この曲の集大成のような大いなる完結感を持っていて、輝かしい終結部は懐かしさを振り返りつつ、ポジティブに終わります。

ともかく素敵な交響曲であります。

カンゼルは、テラークの、録音がウリのCDの看板指揮者だったから、それ系・ポピュラー名曲系のヒトと思われがちだったけれど、こうした本格シンフォニーの演奏を聴くと、しっかりとした構成感と、しっとりと曲を聴かせる腕前を持った指揮者だったことがわかる。
そのカンゼルも2年前に亡くなっているんです。

カップリングの「メリー・マウント」組曲は、ハンソンのオペラよりのオーケストラ曲で、これもいい感じの曲です。
オペラ全曲盤が出ているので、今度チャレンジします。

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コメント

お早うございます。カンゼルさん、亡くなっていたのですね。2年も前に。このところ噂を聞かなくなったと思っていましたが・・・カンゼル&シンシナティポップスは、80~90年代にかけてジョン・ウィリアムズ&ボストンポップスも凌ぐほどの勢いで次々と新譜を出して活躍してましたよね。今となっては懐かしいです。確かに録音が売り物のテラークの看板指揮者だったので正当に実力が評価されていませんでしたよね。私はオール・ガーシュインプログラムのこのコンビのアルバムが好きです。ラプソディ・イン・ブルーとヘ調の協奏曲とアイ・ガット・リズム変奏曲とリアルトリップルスラグが収録されています。ラプソディでは楽譜にもこだわっていました。グローフェ編曲版ではなく1924年版を使っていたかと思います。MTT並みのこだわりです。ソリストのウィリアム・トリットはこれまた才能のあるピアニストだったのですが、癌で若くして亡くなったそうです。
 ハンソンの交響曲で私が聴いたのは2番と4番だけです。モントゴメリー指揮イェーナフィルのアルテ・ノヴァ盤です。

投稿: 越後のオックス | 2012年1月22日 (日) 11時48分

越後のオックスさん、こんにちは。
カンゼルの死は、わたしも今回の記事の下調べで知りました。
スピーカーが壊れる!というような、衝撃の録音で売り出した1812年など、CD出始めの頃のテラークの看板指揮者でした。
ガーシュイン・プロは未聴ですが、洒落たジャケットは覚えてます。
わたしは、ディズニーやクリスマスなどの、いかにもアメリカン・ドリーム的なCDが大のお気に入りです。

この大好きなハンソンの交響曲に、カンゼルが最高の音質で録音を残してくれたことがありがたいことです。

投稿: yokochan | 2012年1月22日 (日) 21時04分

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