チャイコフスキー 「エウゲニー・オネーギン」~ポロネーズ レヴァイン指揮
最近、昼によく行く町にどこにでもある中華屋さん。
お店の前には、出前のオートバイが岡持ちつきで止まってたりするところ。
いいですな、普通なところが。
こんな店には、カレーやかつ丼も、チキンライスもあったりするんだ。
ところで、寒い一日に食べたのが、こちらの五目そば。
この店は、白湯ベースのタンメンの五目版みたいだった。
同じ街の他の中華は醤油ベースで、しかも具材にはとろみがついていた。
サンマーメンに近いイメージにもなるけど、ワタクシは醤油系の方が好きだな。
でも、この白いのも美味しかったし、暖まったですよ。
よくあとこれに、伊達巻が入っちゃう不可思議五目中華もありますな。
今日のオペラの劇中曲は、ロシアへ飛んで、チャイコフスキーの「エウゲニー・オネーギン」からポルカを。
ほんの5分くらいの曲なのに、一度聴いたら、その豪華絢爛・華麗ないでたちの音楽が忘れられなくなります。
「エウゲニー・オネーギン」は大好きなオペラのひとつで、大昔の万博の大挙来日組のひとつ、ボリショイ・オペラの上演をNHKが放送したのが初見。
ロストロポーヴィチの日本指揮者デビューだった。
その後はご無沙汰して、数年前にショルティのDVDとレヴァインの当CDを猛烈視聴した。
そして挑んだ、コンヴィチュニー演出の二期会公演が、とてつもなく面白かった。
いつにも増して詳細記事を書いちゃったし、その時の歌手たちが、いま二期会の花形になっているのもとても眩しく思ったりしている。
プーシキン原作のこのオペラ。
若い男女ふた組の悲恋と宿命を、チャイコフスキーは溢れ出でるメロディの宝庫でもって、劇的かつ抒情的なオペラに仕立て上げた。
最後の幕で、かつて振ってしまったタチャーナが、侯爵夫人として立派な貴婦人となっているのに、大望を抱きつつ、友をも死なせ、夢破れたオネーギンが彼女への愛にようやく気がつくという場所。
侯爵家のゴージャスな大広間での舞踏会の様子がこの「ポロネーズ」なんです。
主人公たちの立場の逆転と葛藤と裏腹の華々しい音楽。
舞台では着飾った紳士淑女が、大広間できらびやかに踊ります。
レヴァインのリズム溢れる感性豊かな指揮に、ちょっとくすんだ感じのドレスデン・シュターツカペレの音色がいいです。
このポロネーズだけど抽出して聴く分には、チャイコフスキーのメロディメーカーとして、そしてバレエ音楽の天才としての音楽を受け止めるだけでよくって、とても気持ちよく聴けます。
オペラとして聴くと、ここだけが不自然に華やかなので違和感も少しあり。
コンヴィチュニーの演出では、前幕(2幕)が、友のレンスキーを決闘のうえ殺してしまったオネーギンが茫然とするところで終わりになるが、そこから幕間を取らずに、3幕を連続させてしまい、オネーギンは死した友を抱きかかえつつ、死神のように踊る場面としてしまった。
天と地ほどの違いのある解釈に度肝を抜かれつつ、オネーギンの特異性や孤独感、そして上流社会への皮肉なども感じられた凄まじい舞台だった・・・・。
でもまぁ、このポロネーズを聴くには、そんなことは気にせず、気分良くまいりましょう。
過去記事
「二期会公演 コンヴィチュニー演出」
「レヴァイン&ショルティ」
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