アルベニス 組曲スペイン デ・ブルゴス指揮
秋葉原のガード下で見つけたニューオープンのお店。
「缶’S Bar」
覗いてみたら、壁には、たくさんの缶詰めたち。
立ち飲みじゃなくて、スタンドバー形式の、缶詰めバーなんです!
すごいこと考えますね。
というか、「角打ち」のちょっと発展形なのです。
「角打ち」とは、酒屋さんでの立ち飲みのこと。
つまみは、乾きものに缶詰め。
子供の頃から、酒屋さんで、オジサンたちが酔っぱらってる景色を見ていた。
コンビニがない時代、ジュースやコーラを買いに行くのは、酒屋だったりしましたから、子供時代から酒屋には出入りしておりました。
角打ちは、いまでは少なくなってしまいましたが、わたしのいまある事務所の隣には、ありまして、サラリーマンの聖地のようになってます。
コストパフォーマンスは抜群で、店内販売価格+30円くらいで、酒もツマミも。
わたしは、事務所に持って帰れば即飲めるので、お世話にはなってませんが、いまや同じようになってしまった、角打ちを楽しんでるオヤジたちに羨望の眼差しを向けているのでございます。
アルベニス(1860~1909)は、典型的なスペインの作曲家。
アルベニスといえば、だれしも、民族色濃厚なピアノ音楽を想い浮けばましょう。
アストゥリアス、イベリア、スペインなどの作品は、ラローチャの名前とともに。
スペインは、ヨーロッパだけど、その立地から古くはローマ、またイスラムとも深い関係にあった地勢。
ヨーロッパ・ラテンの一員としては、ハプスブルク家の支配下として大国を築いた。
しかし、大国としての斜陽は早く訪れ、独裁も呼び、内紛も多くへて、いまある王政立憲君主の国となってます。
スペインのイメージは、観光の国でしょうが、ピレネーの山々や海洋に囲まれ、以外や資源立国になるかもしれない国なんですね。
ヨーロッパの中ではドミノ火種の国のひとつかもしれませんが、「スペイン」という名の持つ抗しがたい魅力は、フランス、イタリアとともに双璧でありましょう。
音楽もまったくそう。
その国のイメージと音楽が、これほどまでに結びついていることってありません。
アルベニス、グラナードス、ファリャ・・・・。
ピアノ作品である、アルベニスの組曲「スペイン」をオーケストラ版に編曲したのが、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス。
指揮者の中でも、もっとも長い名前を持つこの方は、ドイツ系の両親を持ちスペインに育った。デ・ブルゴスは、スペイン音楽とドイツ音楽の両党使い。
スペイン系としてはデ・ブルゴス。
ドイツ系としては、ラファエル・フリューベック。
読響の指揮者としてもお馴染み。
フャリャやアルベニスを指揮しつつ、ワーグナーのオペラも巧みに指揮してしまう。
情熱的な指揮者と思われがちだが、とても知的で、どんな曲でも無難に平均点以上の出来栄えで聴かせてしまう。
わたしが、デ・ブルゴスを初めて意識して聴いたのが、70年代半ば。
万博以来の来日となった、ニューが取れたフィルハーモニア管の指揮者としてのこと。
NHKが招聘したこともあって、テレビとFMで見聴きしました。
演目は、ディーリアスの「ロメジュリ・楽園」、メンデルスゾーンVn協(アモイヤル)、ブラ2。
デ・ブルゴスらしい、多彩なプログラムに、この人の個性が出てます。
デッカの67年頃の名録音。
ニューが付いていた頃のフィルハーモニアを指揮した自国ものは、雰囲気あふれる巧みなオーケストレーションによって、スペイン色濃厚な1枚となってます。
原色感や地方色は、オリジナルピアノ版の方に歩がありますが、ムード感と彩色感の豊かさでは、ブルゴス・オケ版です。
各国の音楽を聴き、その国に想いをはせる聴き方もまた、クラシック音楽の楽しみ。
スペイン、ポルトガル、飛んでメキシコや南米なんて微妙でかつ大きくことなる個性を楽しむのもいい!
アルベニスには、オペラもいくつかあって、聴いてみたら世紀末風でとてもナイスでした。
コンビを組んだ台本家が英語訳のものだったので、英語によるオペラもあって親しみやすいのです。
いずれ取り上げる予定です。
「はしご」が基本の、スペインバル。
なんだか楽しいじゃありませんか。
角打ちのスペイン版。
行ってみたいです。
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コメント
こんばんは。「スペイン組曲」はカスタネットが加わっているのか典型的スペイン民族音楽です。ピアノ曲が多いアルベニスだが、デ・ブルゴスの手で舞曲に生まれ変わる。お国物意識だけでなくオペラや編曲。何でもこなせる達人であるのへ言うまでもないね。
オリーブオイルは食用だけでなく、化粧や手入れとこちらも健康用として発揮している。見習わなくちゃ。
投稿: eyes_1975 | 2012年2月 6日 (月) 17時52分
eyes_1975さん、こんばんは。
アルベニスのオペラをネットで聴いて、とても感心して、この曲を取り上げました。
ピアノばかりでないアルベニス。
同様に、スペインものばかりでないデ・ブルゴスですね。
巨匠として再注目されてもいい人です。
いまはドレスデンフィルでしょうか。
投稿: yokochan | 2012年2月 6日 (月) 23時33分