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2012年3月30日 (金)

モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 パユ&アバド

Jinchouge

沈丁花のかほり。

急速に春めいてきたここ数日。

沈丁花のむせかえるような甘い香りも漂ってます。

わたくしは、夜に嗅ぐこの香りがなんとも好きで、帰宅途中に、もう冷たくない夜風にのってただよう沈丁花の花に、冬の名残と春の訪れの混在、そしてえもいわれぬ官能の想いを抱くのでございます。

そう、ワタクシには、この花の香りは、後期ロマン派なのですよ。

もうだいぶ昔だけれど、若杉弘さん指揮する、ベルクの「ヴォツェック」を初めて舞台観劇して、そのあまりの感激と音楽の衝撃に、駅から自宅に帰る宵闇のなか香っていた沈丁花の匂いに陶然としてしまったのでした・・・・。

Mozart_pahud_abbado

  

モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 ハ長調

    Fl:エマヌエル・パユ  Hp:マリー・ピエール・ラングラメ

  クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
                    (1996.11@ベルリン)

ハ長調の明るく屈託ないモーツァルト。

神奈川フィルハーモニーの音楽堂での特別演奏会にて演奏されるオール・モーツァルトの2曲目。
リンツ・シンフォニーとともに、ハ長です。

フルートとハープというまったく異なる楽器のために、ダブル協奏曲を書くという、もう天才の技としかいいようのないことを、いとも易々してなしてしまったモーツァルト。
ケチなパトロンの要請とはいえ、まったく自然で、ふたつの楽器が天国的なまでに溶けあって鳴り響いてしまうのを、われわれは違和感なく受け止めてしまうけれど、かつての楽器の精度や、とくにハープに与えられていた役割などを考えると驚きなのだ。

モーツァルトの時代には、オーケストラの一員として登場することもなかった。
ハープが堂々とオケに登場するようになったのは、ベルリオーズ以降では?
ヘンデルの協奏曲は有名だけれど、思えば華やかな楽器ながら、どんな楽器か意外と知らないし、普通の人が触れるような存在じゃぁないです。

そんなハープの鮮やかな活躍を間近に楽しめるのが、こんどの神奈川フィルの演奏会。

素敵なハープにのって、これも天を駆け上るかのような華麗なるフルート。
モーツァルトはフルートがあんまり好きじゃなかったともいわれるが、どうしてどうして、この曲の飛翔感は、単独のフルート協奏曲より、ことさらに輝くものに感じる。

3つの楽章が、それぞれ明るくて、陰りは皆無。
あまりに陰がなさすぎて、ものたりなくも感じるけれど、このギャラントなムードも、まさにモーツァルト。
とりわけ2楽章のふたつの楽器の優美なる共演には、モーツァルトならではの優しいメロディラインもあいまって、ため息が出てしまうほど。

今日聴いたパユとラングラメのベルリンフィルの主席コンビは、同時にフランス系。
同質の繊細かつ美しくよく通る音色を持ってます。
アバドとベルリンフィルの抑制され、柔らかなオーケストラとともに、最高の演奏のひとつかもです。

春本番の土曜日の午後にぴったりの演目、神奈川フィルの演奏会でどうぞ。
首席フルートのお一人、江川説子さんと、ハーピストの神谷朝子さんで。

    聖響音楽堂シリーズ モーツァルト・シリーズ第4回
    フィガロ、フルートとハープ、リンツ
             4月14日(土)  15:00 @神奈川県立音楽堂

 

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コメント

パユ様のこのアルバム!
好きです^^
さりげないけどデラックスな演奏。
好きです。
ハープのまりんちゃんも好きです。
車の中で結構繰り返して聴いています。
モーツァルトのフルートConは3曲とも大好きです。
そうですよね。考えてみるとフルートとハープって絶対にムチャな組み合わせですよね。天才はそれをこんなに美しく仕上げるんですねー。尊敬。当然ながらこの作品群を作曲したモーツァルトは私よりもはるかに年下。まあ、天才と自分を比べることが大間違いなんだけど、改めてその偉大さに気づかされます。
2楽章は泣けますね。私はモイーズ:ラスキーヌのSPレコードを蓄音器で聴いています。精神的にダメになったときにぴったりです。妻と愚かなケンカをしたとき。仕事がダメだったとき。人間関係でもつれた時。子どものことで苦労したとき。決まってこのモイーズ盤を聴きます。心が洗われるような演奏です。
年と共にこのレコードを聴く回数が増えてきました。
いかんなー。。。本当はもっとこー、派手なこー、金管群の咆哮、打楽器大活躍的な血湧き肉躍るような曲を聴いてみたいのに!
と、グチも多くなってきています^^;

投稿: モナコ命 | 2012年4月 3日 (火) 18時53分

モナコ命さん、こんばんは。
幸せのフルート協奏曲たちですね、モーツァルトの3つは!
こちらのパユも好きですが、わたしはあと、同じベルリンフィルのツェラーと、ルーカス・グラーフのものもお気に入りです。
管楽器のための協奏曲や室内楽をこんなに素晴らしく残してくれたのは、モーツァルトならではです。
誰にも真似のできないワザですね。
モイーズ先生のものは聴いたことありませんが、いけませんことです。
わたしも、日常辛いことばかりの今日この頃ですから、こんな曲やバッハ、静かな英国音楽が心に沁みます。
でもですね、ワーグナーもガンガンいっちゃうんです!
節操なしです。

投稿: yokochan | 2012年4月 3日 (火) 22時51分

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